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台湾、中国、日本などから20万人以上のファンが来場した「大長今テーマパー
ク」。 |
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冷徹な役人に扮し“死神”と評された李京源さんだが、最終回(54話)では、
一転して人間味のある演技を見せた。 |
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台湾、中国では『大長今』の人気で韓国料理の存在感が増した。写真はシンソン
ロ(宮廷式寄せ鍋)。
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『宮廷女官チャングムの誓いのすべて』(幻冬舎) |
台湾、中国、東南アジア各国で大ヒットし、日本でもNHKで地上波放送が開始されたドラマ『宮廷女官チャングムの誓い(大長今)』。今回は、監察内侍(宮廷の秘密警察)の役で主人公チャングムを二度も拉致し、韓国では“死に神”というニックネームをつけられた俳優・李京源(イ・キョンウォン)さんに、ドラマの魅力を語っていただきました。李京源さんは、昨年末ソウル郊外にオープンした「大長今テーマパーク」にシンボルキャラクターとして常駐し、各国のファンとふれあった人です。
──『大長今』は李氏朝鮮時代の第11代王・中宗の実録に残された「予證女醫知之(私の身体のことは医女が知っている)」といったわずかな記述から、イ・ビョンフン監督が創作した物語です。腕一本で王様の主治医に上りつめた人物(チャングム)の生涯を掘り下げ、それにまつわる時代背景や風俗を織り交ぜて、生き生きと描き出す。これがイ・ビョンフン監督の時代劇の真骨頂でしょう。
資料集めや時代考証、シナリオ作りなどを考えたら、オーソドックスな史実や有名な人物を描いたほうが容易なはずです。『大長今』でも、実在したチャングムについての史料があまり手に入らず、苦労が多かったと聞いています。しかし、監督はあえて困難な素材を選ぶことで、新鮮さやエンターテインメント性を存分に引き出すことに成功したのです。
従来の時代劇で描かれる宮廷のストーリーといえば、王様の生涯、権力闘争の歴史、王妃らの嫉妬(しっと)がらみの暗闘あたりが定番でした。そんななか、『大長今』では、これまであまり取り上げられなかった女官の人間模様にスポットライトが当てられました。
韓国ではこの点が新鮮で、人々の興味をひいたようです。さらに、食べ物と健康という、現代人の誰もが関心を持つ分野がテーマでした。料理法や韓方医学など、今でも十分役に立つ情報が満載だったのも、人気を集めた理由のひとつでしょう。
イ・ビョンフン監督が『大長今』を企画したときに意識したのは「見る者に希望を与えること」だったそうです。韓国社会は1997年の「IMF経済危機」後、どことなく活気を失っていました。そんななか、何度も逆境を乗り越え、最後には王の主治医にまで上りつめるチャングムの姿を見て、人々に元気になってほしかったそうです。視聴者はチャングムとともに泣き笑いしながら、クライマックスに向けて、どっぷりと感情移入することができたのです。
時代劇は男性が中心になることが多いのですが、女官たちを通して女性社会を描いたのも、今の時代によくマッチしているはずです。かつてなくパワフルになった現代の女性たちは、チャングムの活躍に喝采を送ったことでしょう。
アナウンサーやコメディアンなど意表をつくキャスティング、子役たちの活躍、調理シーンなど映像的な見せ場の数々、従来の時代劇の枠にとらわれない台詞(せりふ)回しや音楽、美しい衣装やセットなどなど……。これらすべてが監督のさじ加減で絶妙のバランスで混じり合って、『大長今』の大ヒットが生まれたのだと思います。──