どうしても観てほしい韓国ドラマ

(04/04)

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韓国では平均視聴率45%を記録したドラマ『砂時計(原題=モレシゲ)』。(4/3からBS朝日で毎週月曜22:00〜22:55放送) (C)1995 SBS Productions INC.

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主人公の3人。左からウソク(パク・サンウォン)、ヘリン(コ・ヒョンジョン)、テス(チェ・ミンス) (C)1995 SBS Productions INC.

 延々とメロドラマを垂れ流し続けた“韓流”も一段落したところで、1995年に私たち韓国人を釘付けにした伝説のドラマ『砂時計』(全24回)の放送が、日本で始まりました。

 主人公は2人の男と1人の女。テスは父親が朝鮮戦争時に北側についたため士官学校への道を断たれ、暴力団員に。弱者が虐げられる社会に憤り、検事を目指すウソクはテスの幼なじみ。ウソクの大学同期生であるヘリンは、政財界を牛耳るカジノ王の一人娘です。

 3人はそれぞれの立場で人間らしく生きようともがきますが、70年代〜80年代の韓国社会のゆがみは、彼らをとことん傷つけます。1980年に実際にあった光州事件(5・18民主化運動)が3人の運命を方向付けるという生々しさも韓国ならではでしょう。ドラマの中で事件の実映像使用が許可された背景には、朴正煕・全斗煥・廬泰愚による軍事独裁時代を経て、ようやく実現した文民大統領の誕生がありました。

 ここ1、2年、『シルミド』『ブラザーフッド』など、史実を題材にした大作映画が日本で公開されましたが、大ヒットには至っていません。それは作品の良し悪し以前に、映画を楽しむ上で朝鮮半島の歴史理解が必須だったことも一因のような気がします。

 全24回という、短か過ぎず長過ぎないドラマ形式なら、史実上不明な点は回と回の合間に書物やネットなどで調べることもできます。2時間余りの映画より、登場人物に対する感情移入もしやすいのではないでしょうか。

 韓国の男と女、個人と社会、貧者と富者、善と悪。これらを厳然と隔てる何かが視聴者の目の前にさらされ、韓国人を苦しめ、韓国人を強くしたものが何なのかが見えてくる『砂時計』。このドラマを通して、“韓流”からは見えてこない、もうひとつの韓国とじっくり向き合っていただきたいと思います。



【プロフィール】

鄭銀淑 チョン・ウンスク(JUNG EUN SOOK)

1967年生まれ。世宗大学院修士課程修了後、日本に留学。訳書に『家庭で作れる「チャングム」の韓国宮廷料理』、『コリアン・ダイエット』(光文社)、『シルミド』、『ボクが捨てた北朝鮮 生活入門』(幻冬舎)。著書に『図解アッと驚く北朝鮮!』(三笠書房)、『一気にわかる朝鮮半島』(池田書店)など。鄭銀淑のページ

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