きょうの収穫、猫にも 田代(たしろ)島(宮城県)2007年07月27日 牡鹿半島の鮎川港を出た船は、途中の島の港に寄り道しながら、仁斗田港に着いた。出迎えてくれたのは「漫画」と「猫」だった。
案内板にはSF漫画「サイボーグ009」のキャラクターが等身大で立ち、防波堤の壁にも絵が描かれている。ここは、名づけて「マンガアイランド」。宮城県出身の故石ノ森章太郎さんをはじめ、著名な漫画家たちによって、さまざまな観光事業が進められている。 ◇ 島の案内役は猫だ。港や路地、家の屋根などいたるところにいて、「おいで、おいで」と人を招いている。 「島では猫は神様。犬は飼ってはいかんことになっとる」 漁師の尾形重寿(じゅうじ)さん(79)が網を解きながら言う。島には「猫神社」がまつられている。だから、島の人は飼い猫と野良猫の区別なく、仲良く共存している。 尾形さんの作業は、なかなか進まない。網の目には、シャコとともに小さなカニがびっしり絡みついている。それを丁寧にはずしていく。漁師は気が荒いが、短気では務まらない。 シャコ漁は、底刺し網で海底30〜50メートルに仕掛ける。干潟にいるシャコとは種類が違い、砂地の海底にいて、水温が高くなると死んでしまうという。そのせいか、シャコは体が白い。 ◇ 漁の邪魔をするのが、カニやヒトデ。甲羅に文字を背負ったHガニ(ヒラツメガニ)や、2本の足で貝殻を背負っているカニ。天敵のヒトデや海藻も引っかかっている。まるで海底水族館のようだ。 とれたてのシャコを分けてもらい、きょうの宿へ。おすそ分けをもらった猫と並んで歩いた。漫画のような光景だった。 (文・イラスト 遠藤ケイ) 見どころ
見どころ石巻港から南東へ約15キロの石巻湾内に浮かぶ。南三陸金華山国定公園に指定され、リアス式海岸がつくる独特の美しい景観が特徴。黒潮の影響を受けて温暖少雨な気候のため、南国の植物、タブノキの原生林が島のあちこちに見られる。また、周囲の海は魚の宝庫で、タイやブリなどの好釣り場となっている。
●マンガアイランド市のマンガランド構想の一角を担う施設。漫画創作が体験できる「センターハウス」のほか、漫画家のちばてつやさん、里中満智子さんがデザインした猫型ロッジで宿泊もできる。キャンプや釣り道具の貸し出しもしている。開館は4〜10月。[火]休み(7、8月は無休)。
●猫神社大漁祈願の神社。島では古くから猫が大漁を招くと伝えられ、大切にしている。
●田代島ポケットビーチ波の静かな海水浴場。更衣室やシャワー、トイレが完備されている。
●仁斗田貝塚全国的にも珍しい縄文時代の岩礁性貝塚。県指定史跡。
●三石崎波の浸食でつくられた岸壁の海岸。岩肌に荒波が押し寄せるさまは豪快。
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