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ひと足早い春、河津桜を見に 峰温泉(静岡県)

2008年2月29日

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写真桜を眺めながら足湯が楽しめる。知らない同士も並んで座れば話が弾む=20日、河津町の「豊泉の足湯処」で地図【所在地】河津町【交通】東京駅から特急踊り子号で約2時間半。熱海駅からJR伊東線で伊東駅まで約25分、伊豆急行で河津駅まで約45分。【泉質】塩化物泉など

 花の便りを聞けばじっとしていられない。はや、桜まつりたけなわの河津にやってきた。

 河津川沿いの並木道は約4キロ。河口から上流方向へ歩く。早咲きで名高い河津桜は、ピンクも濃く大輪。手の届く高さに咲いていて、枝のメジロもすぐ目の前。2羽3羽と蜜をついばんでいる。根元の土手には菜の花。快晴の空に朱塗りの橋が映える。

 沿道には提灯(ちょうちん)が揺れ、露店約150店が並ぶ。山海の幸に、桜づくしの品々。まんじゅう、ようかん、ソフトクリーム、そば、うどん、かまぼこ……。花も団子も捨てがたい。桜の塩漬けを買い求め、甘酒に入れてみる。芳香が立ち上り、麹(こうじ)の甘さに塩気がいい。

 約20年ぶりに復活した峰温泉大噴湯を見に行く。木の櫓(やぐら)から地上30メートル、シューッと湯柱。自噴の迫力。湯気と湯の香が立ちこめる。

 町役場近くの豊泉橋のたもと「豊泉の足湯処」でひと休み。東京から来た40代の夫妻は「本州で最初に花見ができる」と、ワインとチーズを下げて踊り子号に乗ったという。お湯が熱めで、並んで浸した3人の足先もくっきり桜色。いつしか9人で、「場所で温度が違う」「あなた、ズボンがぬれてる」「今年は花が遅い」と、にぎやかに足湯端会議に。

 こうして2月に花見ができるのも、河津桜の発見者・故飯田勝美さんのお陰と、原木がある飯田家を訪ねる。息子の典延(すけのぶ)さん(74)は、「父が偶然見つけた桜が皆さんに愛されて、人口8000人の小さな町に100万もの人が来てくれることが何よりありがたい」。

 日も西に傾いたころ、町営の「踊り子温泉会館」に着いた。平日とあって露天風呂は貸し切り状態、しかも花見湯。眼福とお湯のぬくもりで、一日歩いた疲れがじわじわほどけた。

(ライター・佐藤貴美枝 撮影・上田頴人)

    ◇

 ●峰温泉 河津温泉郷7湯の一つ。ほかは今井浜、河津浜、谷津、湯ケ野、大滝、七滝。「峰温泉大噴湯」は午前9時半と午後3時から噴き上げを公開((水)(土)除く。3月11日(火)以降は(日)(祝)のみ)。川端康成「伊豆の踊子」の舞台の旅館「福田家」は湯ケ野にある。

 ●河津桜 今年の見頃は3月初旬。55年ごろに河津川河川敷で発見。オオシマザクラとカンヒザクラの自然交配種とされる。74年ごろから有志が川沿いに植樹。75年に町の木に指定。河津桜まつりは3月10日(月)まで。ライトアップなども。問い合わせは河津町観光協会(0558・32・0290)。

 ●町営日帰り温泉施設「踊り子温泉会館」 午前10時〜午後9時。峰温泉から引湯。露天風呂から桜が見える。中学生以上1000円、3歳以上500円。(火)休み(桜まつり期間中は無休)。問い合わせは同会館(0558・32・2626)。ほかに無料の足湯が桜並木沿いに3カ所、湯ケ野に1カ所。

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(2008年2月26日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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