2008年12月5日10時31分
波打ち際の野趣あふれる露天風呂
水平線に溶け込む夕日=深浦町、外山ひとみ撮影
【所在地】深浦町【交通】青森空港、大館能代空港から車で2時間半。東北道浪岡インターから2時間。JR五能線の艫作駅、ウェスパ椿山駅から送迎あり(事前に問い合わせを)。【泉質】塩化物泉
「温泉を掘り当てた先代は、実は黄金崎にお宝を探しにやってきたんです」。不老ふ死温泉の西崎朋さん(36)の話にロマンがにじみ、ひかれていく。
海辺の露天風呂から望む日本海の大パノラマは絶景にして、夕日も美しい温泉は、深浦町の艫作(へなし)海岸にあった。かつて上方から蝦夷(えぞ)地まで往来した北前船の中継地として栄えた場所だ。
さて、お宝伝説とは?
「その昔、黄金崎銭衛門という大海賊がこの地にいた。その金銀財宝が黄金崎に隠されていた」。そんな伝承を頼りにやって来たのが先代の小宮山利三郎さん。だが宝は見つからない。がっかりしているところへ、地元の人が霜焼けを癒やしに行くという岩場にわく湯の話を聞きつけ、ひらめいた。
「温泉は金になるぞ!」
63年の秋、70メートル掘ったら湯が出た。最初は透明だったのが、次第に金色に。美しい夕焼けも加わり、利三郎さんは「黄金崎の地も湯も黄金色になった。これこそ人間の永遠の願いの湯」と喜んだという。その昔、秦の始皇帝から「不老不死の妙薬を探せ」との命を受けた徐福が来日したという伝説にあやかり、今の温泉名をつけた。
いで湯でのんびり海を眺めていると、脳裏に黄金伝説が重なりあって浮かんでくる。水平線に沈んでいく太陽の手前を、大型船が通り過ぎる。流れる雲間に一瞬、強い光が放たれた。私の瞳には、きらめく湯に黄金色のロマンが写って見えた。
(外山ひとみ)
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●黄金崎不老ふ死温泉 日本海に面して建つ一軒宿。「不」の文字が2回続くのはよくないという理由で、不老「ふ」死温泉とした。1泊2食付き1万3800円から。
▼日帰り入浴 午前8時〜午後8時(海辺の露天風呂は午後4時以降、宿泊者のみ利用可)。600円、小学生300円。問い合わせは0173・74・3500。
●リゾートしらかみ 秋田駅と弘前駅間(一部青森駅まで)を結ぶ観光列車。大きな車窓から日本海に沈む夕日や白神山地を眺められる。全車指定。問い合わせはJR東日本テレフォンセンター(050・2016・1600)。
●円覚寺 北前船の航海安全を祈願した「船絵馬」や難船の危機から生還した船人が奉納した「まげ額」など、国の重要文化財を展示する。午前8時〜午後4時(4月〜11月は5時まで)。拝観料400円、高校生250円、小中学生100円。問い合わせは0173・74・2029。
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(2008年12月2日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)