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土地らしさ香る一皿目指し 由布院温泉(大分県)

2009年6月19日10時51分

写真:料理の盛り付けなどを学ぶ研究会の例会料理の盛り付けなどを学ぶ研究会の例会

写真:由布岳が望める露天風呂=由布市由布岳が望める露天風呂=由布市

地図:【所在地】由布市湯布院町【交通】JR久大線由布院駅からすぐ。高速バスで、大分空港から約1時間、福岡空港から約2時間。【泉質】単純温泉など【問い合わせ】問い合わせは由布院観光総合事務所(0977・85・4464)。【所在地】由布市湯布院町【交通】JR久大線由布院駅からすぐ。高速バスで、大分空港から約1時間、福岡空港から約2時間。【泉質】単純温泉など【問い合わせ】問い合わせは由布院観光総合事務所(0977・85・4464)。

 露天風呂にザブンとつかると、雄大な由布岳が眼前に迫り、手に取れるほどに感じる。サラリとした湯が旅の疲れを洗い流してくれるようだ。

 いい湯を満喫した後は、土地ならではのうまいものを食べたい。そんな旅人を「由布院らしい料理」でもてなそうと、98年、旅館やホテルの板場を預かる7人が垣根を超えて「ゆふいん料理研究会」を立ち上げた。

 発起人の新江憲一さん(46)は京都の有名料亭で修業を積み、由布院でその腕を振るっていた。しかし、地元のある名士から「おいしいが、京料理ならどこでも食べられる」と一蹴(いっしゅう)され、はたと気づいたという。

 「お客さまは由布院らしい料理を楽しみに、はるばる足を運んでくれる。この地らしさを感じてもらえる料理を出したい、出さなければ……」

 情熱の輪は広がり、現在は月1回、20軒ほどの宿から多い時には70人以上が季節ごとのテーマに合った料理を持ち寄り、食材の使い方や盛り付けなどを学び合う。だが、細かいレシピを説明するのが目的ではない。

 「煎(い)り酒って何だ?」「春と秋の七草を言ってみろ」。盛り付けの手を休めずに、新江さんは質問を投げかける。例会は、修業中の若者たちに料理の基本を伝える場でもあるのだ。

 春の山菜、夏にはトマト、冬はカブ。この地でとれる食材に、この地で育った料理人が息を吹き込む。幸せな「地産地消」に、舌鼓を打った。

(文・フリーライター 中津海麻子 撮影・比田勝大直)

    ◇

●由布院温泉 歴史は古く、奈良時代の「豊後国風土記」に記録もある。約140軒の温泉旅館が点在。共同浴場を含む約40カ所で日帰り入浴が楽しめる(有料)。

●下ん湯 金鱗湖畔にある、内湯と露天風呂を備えた混浴の共同浴場。かやぶき屋根は風情がある。午前10時〜午後10時。200円。

●由布院Pausa(パウザ) 由布院駅構内にあるカフェ。ゆふいん料理研究会が考案した季節の野菜のスープ(300円)やゆずこしょう(950円)、チーズを使ったクッキーなどオリジナル商品も販売。午前10時半〜午後5時。

●ゆふいんサイダー 由布院温泉観光協会が昨年8月に発売した人気商品。地元でわき出た天然水を使い、程よい甘さに仕上げた。同協会加盟店で販売。200円(330ミリリットル)。

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(2009年6月16日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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