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競走馬の故郷でのんびりと 新冠温泉(北海道)

2009年8月28日10時58分

写真:絵笛駅付近。牧草地を走る日高線=浦河町絵笛駅付近。牧草地を走る日高線=浦河町

写真:眼下に太平洋の広がる露天風呂=新冠町眼下に太平洋の広がる露天風呂=新冠町

地図:【所在地】新冠町西泊津【交通】車で、新千歳空港から約1時間半、JR日高線新冠駅から約10分。【泉質】塩化物泉【所在地】新冠町西泊津【交通】車で、新千歳空港から約1時間半、JR日高線新冠駅から約10分。【泉質】塩化物泉

 スケジュールびっしりの旅もいいけれど、景色を眺めてただぼーっとする、そんな旅もいいもんだな。競走馬のふるさとを訪れて、そう思った。

 北海道日高地方。日本の競走馬の約8割がここで生まれる。牧場数は千軒弱。日高山脈を望む道沿い約7キロに渡って牧場が続く新冠(にいかっぷ)町のサラブレッド銀座や、四方を牧場に囲まれた絵笛駅のような場所もある。

 牧柵(ぼくさく)越しに馬を見た。空の青、牧草の緑、馬の茶色。絵を描くとしたら、絵の具は数色で足りそうだ。

 あれ、と思った。競馬場にいる馬と違う。彼らの雄姿は見る者を興奮させる。一生懸命走る姿は、胸に迫るものがある。

 日高にいるのは、ひのき舞台に立つ前と立った後の馬たち。長いしっぽを振りながら、地面に顔を近づけて草をモグモグ。歩いたかと思えば、またモグモグ。見ていると、肩の力が抜けてくる。東京から来て数日間、馬だけを眺めて過ごす馬主もいるという。

 牧場主の根本明彦さん(38)は言う。「ここは、ジャガイモ畑の広がる美瑛のように、牧場が風景に溶け込んだ場所。ただ眺めて過ごす、そんな楽しみ方もあると思う」

 日高地方のほぼ中央に位置する新冠温泉は、牧場めぐりの拠点には最適だ。露天風呂から太平洋を眺め、なめらかな湯で疲れをほぐした。ときにはこんな時間もいい。仕事や家事で凝った肩には、のんびりをよくばる旅が効きそうだ。

(文・秋山幸子 撮影・田中哲実)

●新冠温泉 レ・コードの湯 98年開業。小高い丘の上に立ち、眼下に太平洋を望む。露天風呂から眺める夕日は絶景。宿泊施設やレストランもある。500円、小学生300円。[前]5時〜8時(朝湯)、10時〜[後]10時。電話0146・47・2100。

●競走馬のふるさと日高案内所 牧場見学や観光の案内のほか、競走馬の資料や雑誌をそろえる。「引退した名馬にあいたい」など、牧場に入って見学する場合は事前の許可が必要。電話か来所して必ず相談を。[前]9時〜[後]5時([月]は正午まで)、[火]休み。10月〜3月は[前]9時〜[後]4時半([土]は正午まで)、[日][祝]休み。電話0146・43・2121。

●JR日高線 苫小牧駅と様似駅を結ぶ全長146.5キロ。運行は1日、上下それぞれ7本程度。太平洋沿岸や牧場沿いを走る区間が多い。中でも絵笛駅は、牧場に囲まれた情緒ある無人駅。

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(2009年8月25日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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