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先人が築いた小豆島の100年 オリーブ温泉(香川県)

2009年9月4日10時9分

写真:オリーブの下でひと休みする井上智博さん(右手前)オリーブの下でひと休みする井上智博さん(右手前)

写真:オリーブ温泉の露天風呂=いずれも小豆島オリーブ温泉の露天風呂=いずれも小豆島

地図:【所在地】土庄町半の池【交通】高松空港からバスで高松港へ。高速艇で土庄港か草壁港まで約30分。最寄りの土庄港から車で約10分。【泉質】塩化物泉【所在地】土庄町半の池【交通】高松空港からバスで高松港へ。高速艇で土庄港か草壁港まで約30分。最寄りの土庄港から車で約10分。【泉質】塩化物泉

 地中海を連想させる穏やかな水面に浮かぶ島々。ここに、地中海地域原産の果実、オリーブの実る島がある。

 小豆島でオリーブ栽培が始まって100年が過ぎた。1908(明治41)年、当時の農商務省が輸入した苗木を国内数カ所で実験栽培。唯一根がつき、実ったのが小豆島だった。初めて見る害虫、慢性的な水不足。試行錯誤の繰り返しだった。

 島の山々には、水を蓄える池がある。そこから毛細血管のようにパイプが張り巡らされ畑に水が届く。「見事なもんだ」。2千本のオリーブを栽培している井上誠耕園の3代目園主、井上智博さん(45)が誇らしげに言う。

 同園のオリーブオイルは、収穫期になると全国から注文が相次ぐ。一度は島を離れた井上さんだが、「オリーブ栽培に尽くした祖父や父の功績を消すわけにはいかない」と、19年前に戻ってきた。「先代の苦労に応えて、オリーブと小豆島の魅力を発信するのが自分の役目」だと話す。

 江戸時代は塩の一大産地として栄えた。その技術を継承し、醤油(しょうゆ)やそうめんといった産業が生まれた。島には先人の功績を重んじ、受け継ぐ素地がある。

 島内にある20カ所ほどの温泉施設のうち、西の海岸沿いのオリーブ温泉へ。露天風呂から瀬戸内海を望む。まるで絵画のような静けさに心も和む。黄色がかった湯はオリーブオイルのよう。夕日に照らされ光る様は、100年の労をたたえているように見えた。

(文・野戸昌希 撮影・渡辺瑞男)

●オリーブ温泉 大型スーパーに併設された日帰り入浴施設。午前9時半〜午前0時((土)(日)は9時から)。大風呂や露天風呂のほか、打たせ湯など16種の湯が楽しめる。800円、3歳〜小学生600円(貸しタオル付き)。問い合わせは0879・61・1136。

●井上誠耕園 オリーブオイルなどの食品、化粧品などを販売している。問い合わせは0879・75・0057。

 ▼オリーブを使ったパスタなどが味わえる「カフェ忠左衛門」も。午前11時〜午後8時、(金)(土)(日)は午前11時〜午後3時、6時〜10時。問い合わせは0879・75・0282。

●DREAM ISLAND 島内のガイドツアーを主催するNPO。オリーブ栽培ゆかりの場所を案内してくれる。シーカヤック(10月末まで)や里山探検、醤油蔵の訪問、そうめん作り体験などのメニューもある。問い合わせは0879・62・5963。

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(2009年9月1日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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