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「抱きしめてあげたい」母も満面の笑み 若田さん帰還

2009年8月1日

写真帰還を見届けて笑顔を見せる若田光一さんの母タカヨさんと弟の瑞穂さん=さいたま市北区、鈴木彩子撮影

 「『よくがんばったね』とほめてあげたい。朝からフロリダの空が晴れますようにと祈っていました」。137日にわたって宇宙に滞在した若田光一さんを乗せたスペースシャトルが無事着陸すると、母親のタカヨさん(76)は満面の笑みを浮かべた。8月1日は、ちょうど若田さんの46回目の誕生日だ。

 タカヨさんは、米スペースシャトル・エンデバーが帰還する様子を、さいたま市の自宅の米航空宇宙局(NASA)のテレビ映像で見守った。パラシュートが開いて機体が止まると、集まった家族らと拍手をして「よかったね」と喜び合った。

 自宅の玄関には、若田さんの誕生日を祝う花を飾っていた。

 若田さんの今回の飛行で、多くの日本人が宇宙をより身近に感じるようになった。自宅に一緒にいた弟の瑞穂さん(43)は「兄なら大丈夫だと思っていた。兄を誇りに思っている」とうれしそうに話した。

 タカヨさんは当初、現地に迎えに行こうと考えていた。だが、帰還が近づくと、若田さんから直接、携帯電話に何度か連絡があった。3回目の宇宙からの帰還だが、過去2回と違う。今回は約4カ月半も宇宙にいた。帰還時の自分の健康状態は未知の領域だ。「せっかく現地に来てくれても満足な対応ができるかは分からない」。そう話す息子の気持ちをくみとり、日本で帰りを待つことにした。

 でも、無事な帰還に「光一がすぐに歩けないとしても、よくがんばったねと抱きしめてあげたい」とほっとした。

 タカヨさんの自宅には、若田さんが宇宙に向かうと、映像を交えて話せるテレビ電話が設置された。4カ月半で、交信は4回した。近所の人たちや若田さんの学生時代の友達なども集まった。頼んだわけでもないのに、日本実験棟「きぼう」の窓から見える地球の姿を見せてくれたこともあった。

 交信に参加した、さいたま市青少年宇宙科学館の佐藤俊夫さんは「地球に帰ってきたら何が食べたいですか」という質問に、若田さんが「お母さんの『がめ煮』」と照れくさそうに話していた姿が忘れられないという。

 交信2回目の5月10日は、母の日だった。誕生日と母の日には欠かさず贈り物をしている若田さんから「何も贈れなくてごめんね」。何よりもうれしい言葉だった。

 タカヨさんは少し時間をあけてから、渡米してゆっくり会いに行くつもりだ。

 一方、若田さんの妻のシュテファニーさん(44)は「夫の帰還にほっとして、とてもうれしく思います。私たちみんなにとって長い旅だったので、これから一緒に過ごせることを楽しみにしています」とのコメントを出した。(田中康晴、鈴木彩子)

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