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初物づくしの4カ月、ご声援ありがとう

2009年7月30日

写真拡大スペースシャトル「エンデバー号」と国際宇宙ステーションのクルー13人全員での記念撮影=NASA・JAXA提供

 いよいよ私の帰還も間近になりました。

 この4カ月、さまざまな経験をしました。初めて「きぼう」に足を踏み入れたこと、国際宇宙ステーション(ISS)の太陽電池パネルの基部である大きなS6トラスをISSに取り付けたこと、とても充実した日本食を宇宙で食べたこと、初めて新型トレーニングマシーンを宇宙で使用したこと、そして初めて「きぼう」の中で寝泊まりしたこと等々。

 ISSで過ごした4カ月という時間は、私にとって初物づくしの楽しくも貴重な経験の積み重ねでした。またそれと同時に、地上の支援要員にも貴重な実戦経験を積み上げる好機であったと思います。

 特に感慨深いのは、自分を乗せたシャトルが帰って行くのを初めて見つめたことと、5月29日からの6人体制運用の開始です。このISSプロジェクトを推進している主要5極からの宇宙飛行士が、史上初めて同時に宇宙で生活し、作業を開始したのです。ここに至るまでいろいろな困難もありましたが、科学技術分野における世界最大の国際協力プロジェクトの成功を象徴するイベントと言えましょう。

 また、宇宙から小さくなっていくシャトルを見たときには、「いよいよこれから未経験の領域である長期宇宙滞在が始まるんだ」と、武者震いにも似た感動が沸き上がってきました。ここまでの長期滞在で既にいくつもの実験を行いました。これまで2回経験したスペースシャトルミッションの時に比べ作業にかける時間も内容も豊富で、どれも大変興味深く行うことが出来ました。

 ですが、長期滞在のだいご味はそれだけでなく、生活の場としてのISSで日常行っている作業にもありました。無重量という点一つとっても地上とは全く異なる環境のISSでも、しばしばいろいろなものが故障を起こします。例えばそれは宇宙飛行士の健康管理に不可欠な体力トレーニングマシーンであったり、生活にとって重要な水再生システムだったりするわけですが、これをすべて我々がISSにあるものだけで直さなくてはいけません。もちろん地上の専門家からが作成してくれる手順書やアドバイスに基づいて修理や復旧作業を行いますが、軌道上のクルーが常日頃から各システムを大切に使い、かつその状態をしっかりモニターしながらシステムを使っていくことが重要になります。

 今後の有人宇宙開発では、月や火星を目指して、ISSよりもさらに遠くへの、そしてさらに長期の宇宙滞在が求められてきます。そのためには、さまざまな有人宇宙技術の発展がもちろん必要ですが、「宇宙で暮らすこと」の実際のノウハウを蓄積していくことは技術の改良や向上に非常に有効な手段です。ISSの運用終了まで多くの日本人宇宙飛行士が長期間滞在して利用・研究を行うことは、それだけ将来の有人宇宙開発への貢献が増えることと確信しております。さらに、宇宙飛行士が安全で健康な生活を送るための、軌道上とそれを支える地上運用側の国際協力経験の蓄積を行っていくことにより、将来の月・火星ミッションに対する日本の貢献度を高めることとなるでしょう。

 私は名残惜しいですがまもなく地球に帰還します。今後も日本人宇宙飛行士が継続的にISSに長期滞在することが決まっています。今年の12月には野口飛行士が、そして2011年の春には古川飛行士が長期滞在を行うこととなっており、また山崎飛行士もISS組み立てミッションに搭乗予定です。3人とも精力的に訓練を行っています。これから宇宙飛行に臨む日本人宇宙飛行士と、地上から活動を支える技術者の活躍にも是非ご注目頂きます様お願いして、軌道上からのリポートの結びとさせていただきます。

 長い間のご声援有り難うございました。

 若田光一

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