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《記者から》

宇宙飛行士という職業

2009年8月5日

写真拡大報道陣から体調について聞かれ「バッチリです」と親指を立てる若田さん=31日午後、ケネディ宇宙センター、東山写す

 4カ月半の宇宙滞在を終えて、若田さんが地球に戻ってきました。着陸4時間後の会見にも出席し、元気な姿を見せました。

 若田さんは毎日よく運動していたとはいえ、長期滞在者が着陸直後の会見に参加するのは非常に珍しいことです。体調は「バッチリ」と言いつつ、決して楽だったわけではないでしょう。実際、会見場で見た若田さんの顔にはまだ血色が戻っていませんでしたし、笑顔もその後の会見と比べ、ぎこちなかったように感じました。

 それでも若田さんが自ら希望して出席したのは、最も注目度が高い帰還当日にメッセージを発信したかったからだと思います。

 「宇宙は、一つの国だけじゃなく、すべての国の人たちに夢を与えてくれる」「子どもたちには、どんな夢でもいいから目標を持って欲しい」

 その後の会見でも、「例え目標に到達しなくても、努力した過程は決して無駄にはならない」「小さい小学校でいいから、子どもたちの目を見ながら宇宙のすばらしさを伝えたい」と語りました。

 11歳の長男に、父親の背中を見せようとしていたのかもしれません。少なくとも、宇宙飛行士は子どもたちに夢を与えなければならないんだという強い自負を感じました。

 若田さんが新人の2人の飛行士候補に助言した言葉があります。「宇宙に行くまでの道のりは厳しい。どんなフライトが待っているか分からないし、事故があれば機会は遠のく。それでも、何のためにこの仕事をしているのか、自分が納得すれば、しっかり訓練を積みながら待てると思う」

 「何のためにこの仕事をしているのか」。私も、背筋が伸びる思いがしました。(東山正宜)

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