現在位置:
  1. asahi.com
  2. 若田さん きぼう滞在記
  3. 有人宇宙開発の歴史

有人宇宙開発の歴史

 若田光一さんが、日本人として初めて挑む宇宙長期滞在。人間が宇宙で暮らす試みはどんな歴史があるのか。そして、国際宇宙ステーション(ISS)や、日本の宇宙施設「きぼう」とは――。(科学グループ・高山裕喜)

〈クリックすると別ウインドウで関連写真を表示します〉
  • 別ウインドウで関連写真を表示します
  • 別ウインドウで関連写真を表示します
  • 別ウインドウで関連写真を表示します
  • 別ウインドウで関連写真を表示します
  • 別ウインドウで関連写真を表示します
  • 別ウインドウで関連写真を表示します
  • 別ウインドウで関連写真を表示します

    「地球は青かった」からISSまで

     61年、旧ソ連は「ボストーク1号」による人類初の有人飛行に成功。ガガーリン飛行士の「地球は青かった」という言葉は、世界的に有名になった。その3週間後には米国も「マーキュリー3号」を打ち上げた。宇宙に人を送って地上に帰還させることは、核弾頭を積んだミサイルを相手国に打ち込む技術にもつながる。両国は威信をかけて月着陸を目指した開発競争を加速させた。

    〈年表〉世界の有人宇宙開発のあゆみ
    別ウインドウで関連写真を表示します
    57年世界初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げ(旧ソ連)
    58年米航空宇宙局(NASA)が設立される
    61年ユーリ・ガガーリンが「ボストーク1号」で初の有人宇宙飛行(旧ソ連)
    アラン・シェパードが「マーキュリー3号」で宇宙飛行(米国)別ウインドウで関連写真を表示します
    ケネディ米大統領が「60年代中に月着陸を実現する」と演説
    65年「ボスホート2号」が、初の船外活動(旧ソ連)
    「ジェミニ6号」と「7号」が初のランデブー実験(米国)別ウインドウで関連写真を表示します
    67年「ソユーズ1号」が帰還に失敗、宇宙飛行で初の死亡事故(旧ソ連)
    69年「アポロ11号」が初の月着陸に成功。ニール・アームストロング船長が月面に第一歩を刻む(米国)別ウインドウで関連写真を表示します
    70年「アポロ13号」の酸素タンクが爆発、月に着陸せず帰還(米国)
    71年初の宇宙ステーション「サリュート1号」を打ち上げ(旧ソ連)
    73年「スカイラブ1号」を打ち上げ(米国)別ウインドウで関連写真を表示します
    75年「アポロ18号」と「ソユーズ19号」が軌道上でドッキング(米、旧ソ連)
    81年スペースシャトル「コロンビア」が初飛行(米国)別ウインドウで関連写真を表示します
    84年レーガン米大統領が国際宇宙ステーション計画を提唱
    シャトルで、初の命綱なしの船外活動(米国)
    86年スペースシャトル「チャレンジャー」が爆発、7人死亡(米国)
    宇宙ステーション「ミール」建設開始(旧ソ連)
    88年旧ソ連版シャトル「ブラン」を無人で打ち上げ(計画中止)
    95年「ミール」で宇宙滞在最長の437日間を記録(ロシア)別ウインドウで関連写真を表示します
    03年中国が初の有人宇宙船「神舟5号」打ち上げ
    04年ブッシュ米大統領が、将来的な火星探査を含めた新宇宙戦略を発表
    民間初の宇宙船「スペースシップワン」が高度100キロに到達
    05年NASAが、新型宇宙船など月面有人探査計画を発表別ウインドウで関連写真を表示します
    08年中国が「神舟7号」で船外活動

     69年に米国の「アポロ11号」が初の月着陸を果たすと、旧ソ連は方針を転換。71年に世界初の宇宙ステーション「サリュート1号」を打ち上げ、宇宙実験や軍事偵察を始めた。米国も73年、超大型のサターンロケットを応用した宇宙実験室「スカイラブ」を開発。宇宙長期滞在の幕が上がった。

     宇宙飛行士が数週間〜数カ月過ごすには、心や体の健康維持や食事、シャワーなど、船内の環境を地上に近づける必要がある。両国は試行錯誤を重ねながら長期滞在の技術を蓄積していった。

     84年、米国は国際宇宙ステーション計画を正式発表。欧州や日本に参加を呼びかけた。86年には旧ソ連が独自の宇宙ステーション「ミール」の建設を開始。90年には日本人として初めて宇宙飛行したTBS社員(当時)の秋山豊寛さんも滞在した。冷戦終結にともなって、ロシアもISS計画に参加することになり、宇宙ステーションは国際宇宙ステーション(ISS)に一本化。98年から建設が始まる一方、老朽化したミールは01年、大気圏に突入して燃え尽きた。

    国際宇宙ステーション(ISS)とは

     地上から約400キロの高度に浮かび、90分で地球を一周する。ジャンボ機の約1.5倍の広さがある人類史上最大の宇宙ステーション。米ロ欧日など15カ国が参加している。

     当初の計画では90年代に完成する予定だったが、各国の予算削減や計画の見直し、03年のスペースシャトル・コロンビア号の事故などによって大幅にずれ込んだ。現在、長期滞在している飛行士は3人だが、今回のミッションでISSに運ばれる太陽電池パネルが取り付けられてほぼ完成形になれば、6人態勢で運用できるようになる。

     ISSは、各国の施設で構成されている。おもに飛行士が生活するロシアの居住施設「ズヴェズダ」や、米国の実験棟「デスティニー」、欧州の「コロンバス」、日本の「きぼう」などがある。人や荷物(水や食料、衣類)は、スペースシャトルのほか、ロシアのソユーズ宇宙船と、無人輸送船プログレスで定期的に運ばれている。日欧も無人の補給機を開発中だ。完成後は、本格的な宇宙実験や商業利用などが見込まれているが、地上の生活にどこまで応用できるか、が問われることになる。

    前ページ

    1. 1
    2. 2

    次ページ


    朝日新聞購読のご案内