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嗚小小一碗茶

中国茶の最高価格は、20グラム287万円

中国茶評論家・工藤佳治

――「大紅袍」をめぐる神話の数々




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岩棚に4本残る樹齢300年を超える原木
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大紅袍
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大紅袍の4本茶葉と専用の缶

 よく「一番高いお茶は?」と聞かれる。
 「知る限りでは、大紅袍」と答える。

 その大紅袍が、昨年最高値を更新したニュースは、日本の中国茶通の人たちからも、あまり聞こえてこない。天上の話になるような価格で、話題にすらならなくなってしまったのであろうか。

 ともかく大紅袍は、話題の多いお茶である。福建省北部、世界遺産にもなった武夷山という岩場が多い山で作られる「武夷岩茶」。それを代表するお茶である。  なぜ神秘性に富むようになったのか。まず、希少性である。樹齢300年を超える茶木が4本しかない。岩場の小さな棚になったところに、見上げると3本くらいしか見えないが、4本ある。当然そこから作られるお茶は、量が極端に少ない。

 名前の由来もいくつか言い伝えられている。古く、皇帝が近くを通った時に病気になった。近くの僧が、このお茶を飲ませたところたちどころに回復した。そこで皇帝は、僧としての最高位を現す紅の衣を贈った、という説や、ここの高僧が病気になり、このお茶で治ったので、自分の紅の衣をこの木にかけ、香をたき、感謝をした、など。

 山中のなかなか行き着けない岩場にあり、番人がそばで寝泊まりをして番をしている(以前は軍隊が護衛しているという説も)など、話題には事欠かない。  この稀少なお茶が、日本円で20グラム約250万円の値がついた、と話題になったのが7年ほど前と記憶する。市場に出るお茶ではないので、持ち主に香港のお茶好きが毎晩国際電話で「売ってくれ」というアプローチ。あまりのしつこさに、「絶対買わないだろう」という価格を言ったら買ってしまった、というのがこの値段である。

 それが、上海での毎年春開催されるお茶の展示会で、昨年武夷岩茶キャンペーンがあり、そこでのオークションに大紅袍20グラムが出品された。落札された価格が中国元で19万8000元(日本円で約287万円)。新華社電が「記録更新!」と伝えた。  ますます神話は高まるのか。ちなみに、「岩場を必死になってたどり着く」大紅袍は、観光チケット売場まで車で行き、そこから歩いて20分。普通の靴でも歩けるところにある。「番人」の家は、5〜6年前に取り壊されて、誰もいない。「大紅袍」は、20〜25グラムパッケージで、600〜700円くらいで茶舗で売られ、誰でも買える(但し、4本から枝分けして孫、曾孫などの子孫の木から作られたもの)。

 それでも、大紅袍の神話は生き続けている。木の寿命か、毎年生産量は減り続け、昨年は800グラムしか取れなかった。香り、味は? 言わないのが礼儀かもしれない。

 次回は、今日本でも人気の「茶藝」のお話しを。

(03/01)



中国茶メモ

武夷四大岩茶

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 武夷市の茶葉研究所では、約300種類の岩茶が栽培されているといわれるが、数ある岩茶の中で、まず代表としてあげられるのが「武夷四大岩茶」と呼ばれるお茶。「大紅袍」(だいこうほう)「鉄羅漢」(てつらかん)「水金亀」(すいきんき)「白鷄冠」(はっけいかん)。
 茶葉に違いがあるとはいうものの、白鷄冠を除いては、香り、味の差違を感じるためには、比較して飲まない限り、むずかしい。簡単にいうと、単独で飲んだら、どれも同じよう。
 大紅袍は、本文にあるように「母」と呼ばれる4本の茶木から採れるものは、市場には出ない。写真にあるような錫の缶に20グラム入れられる。  そこから枝分けして栽培されている子、孫くらいまでのものは、一般市場では「大紅袍」として売られている。また、曾孫くらい以降のものは現地では「小紅袍」と呼ばれているが、一般市場では「大紅袍」のブランドが付く。見分けはつかないが、値段は違うのでわかる。
 写真の箱は、以前あった市場で販売されていた2つのもの。よく見ると、パッケージに違いがあるのがわかる(中国と中國など)。これは、この2つを分ける識別であった。

武夷肉桂(ぶいにっけい)

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四大岩茶の他に単独で銘茶に名を連ねる。「肉桂」はシナモンだが、シナモンの香りは感じたことがない。「金木犀」の古いいい方、と説明する人もいるが、現地で何度聞いても「シナモン」という説明である。

老そう水仙(ろうそうすいせん)

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武夷岩茶の中でポピュラーな「武夷水仙」は、日本のお茶飲料の原料としても広く使われている。
 その水仙種の古い茶木が数年前山の中で見つかり、その木から摘まれて製茶されたものの味、香りがよく、ここ数年武夷山で話題を呼んでいる。「老そう」は、老木の意味。見つかった場所も関係者以外には秘密。高値で取引されるので、ニセモノも現れている。

武夷岩茶の入れ方

 日本では、茶壺(急須)でいれることをよく見る。焙煎を強くしてあるお茶なので、雑味がでやすいので、このいれ方なのだろう。

 現地のティスティングは、たいてい蓋碗。要するに釉薬のついたもので、いれる。

 簡単には、紅茶用のポットや日本茶用の急須でいれてもよい。

 温度は、100度程度。熱くいれることで、香りがより立つ。




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