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嗚小小一碗茶

日本人憧れの「茶館」は、希少な存在

中国茶評論家・工藤佳治

――中国、「喫茶店」事情

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 「茶館」「茶室」「茶藝館」など、呼び方はいろいろあり、歴史的にそのいわれなどを説明する人もいるが、今となってはそんなに違いはない。

 要するに、お茶を飲むところ。日本でいう「喫茶店」である。ただ、出されるお茶は中国茶が中心。 中国どこにでも「茶館」があると思いがちだが、ほとんどないといってもよい。日本ではどこにでも「喫茶店」はあるが、「日本茶の喫茶店」はほとんどないのと同じである。

 しかし、中国でも数少ない「茶館」が多い都市がある。代表的には、浙江省杭州である。600から700軒くらいあるという。中国有数の観光地なので、支えているのは観光客かと思いがちだが、そうでもない。地元の人たちが、お茶を飲みながら話をしたり、トランプをしたりしている。古くからの文化都市ゆえ、今でもその気風があるのだろうか。

 競争も激しい。ここでの茶館の経営方法が、全国の茶館の方法をリードしているといってもよい。建物やインテリアを現代風にしたり、逆に伝統的な歴史を感じさせるものにしたりして、魅力作りをするのは序の口。ここ5年くらいで定番化しているのは、前回も書いたお茶うけバイキング方式である。

「茶館」の料金は、結構高い。選ぶお茶によって違うが、バイキング方式込みで50元から100元(約750円〜1500円)くらいはする。全国の主要な銘茶をおいているが、今の時期なら地元で最近人気の「安吉白茶」(緑茶)、あるいは「九曲紅梅」という紅茶もおいしい。点心類などをおいている店も多いので、食事かわりにもできるが、それにしても庶民の夕食代より高い。それでも、杭州の茶館は結構混んでいる。人気があるところは、人数が多い時に予約しておいた方が無難である。8年くらい前から人気を持続している「青藤茶館」などはその例である。

 超高級茶館もある。「湖畔居」。西湖に面して立ち、立地としては抜群。窓から西湖を眺めながらお茶を楽しめる。デートスポットとしても抜群。最上階には、VIPルームも。テラスがあり、夜景がきれいだ。広いフロアーにはカラオケもついている。貸し切り専用で、接待用に使われることが多いようだが、一晩の料金は約10万円と聞く。でも、1階などの普通席は、他の茶館より若干高め程度である。

 では、日本の喫茶店のようなものは、というと、上海ではコーヒーが中心の喫茶店がはやっている。7〜8年前は「眞鍋」。日本の「珈琲館」の台湾法人が進出したと聞いた。主要なポイントに出店し、中国人がコーヒーを日常的に飲み始める象徴となった。今はほとんど街角から消えた。

 それに変わって「スターバックス」。出店の勢いは止まらない。しかも、内装に凝ったおしゃれな店も沢山できている。値段は、日本と変わらないので、中国の物価からすると高いが、たいてい混んでいる。日本より「おいしい」という声も聞くが、果たしてどうか?

 どうやら、中国でも今は、「茶館」より「スタバ」の勢いが勝る。しかも、中秋になるとスタバ特製の「月餅」まで発売され、これがおいしい。しっかり根づいている。 次回は、中国で「プーアール茶ブーム」の到来のお話しを。

(05/10)



中国茶メモ


安吉白茶(あんきつはくちゃ)

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 浙江省安吉で作られる。「白茶」とついているが、「緑茶」。1980年代から「安吉白片」というお茶が作られているが、これとは違うお茶。このお茶は、1990年代に登場した。白い産毛を持つ繊細な感じの茶葉で、旨味がある。数年前より人気で、生産量も増えている。

九曲紅梅(きゅうきょくこうばい)

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浙江省杭州で作られる紅茶。カットされている茶葉が多くなった中国紅茶の中で、今でもリーフの状態で作られている。色があざやかな紅色で、熟成した味が特徴。香りは上品で甘く、口の中に心地よくいつまでも残る。




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