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嗚小小一碗茶

「おいしいお茶の買い方は?」に答えます

中国茶評論家・工藤佳治

――迷ったら、上から2番目の価格のお茶を

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 「おいしいお茶を飲みたい」と思って中国へ行き、大きなお茶屋さんに入ると、お茶がずらっと並んでいる。どれを買ってよいのか、迷ってしまうのは当然。代表的な銘柄が1500以上もある中国茶。その中のほんの一部とはいえ、目の前に並べられると、どれも良さそうに見えるし、悪そうにも見える。

 観光客がよく行くお茶屋さんでは、試飲をさせてくれるところも多い。店に入る前には、「絶対自分の好みで見つけるぞ」という意気込みを持っていても、入るなりお茶が出される。けっこう「おいしい」。でも、どうも自分の好みと違うかなと迷いながら、いくつか試飲をしてみるが、店を出るときには、お店が一押しのお茶を買っている自分に気づく。

 そこで、まず、日本にいる間の体験や下調べが大切。日本で中国茶を飲む機会があり、「おいしい」と感じたら、ともかくその茶名を覚えて、漢字でメモしておく。この「漢字」のメモが、現地のお茶屋さんに行った時に、力を発揮する。

 まわりを見ている限り、中途半端な中国語で茶名を言うよりは、漢字で書いたメモを見せた方が確実。中国語の発音が結構通じないことが多い。そこで引いてしまっては、お茶屋さんが優位になる。今の中国は、簡体字という略した漢字が使われているが(香港、マカオ、台湾などは、日本の旧字とほぼ同じ繁体字が使われている)、日本で使っている漢字を見せても、ほぼ理解してくれる。

 例えば、欲しいお茶がなくても、親切な店なら、似た味、香りのお茶を示してくれる。これで自分の好みに近いものが手に入る。

 中国は広いので、事前に『中国茶図鑑』などで省別のお茶を調べてメモしておくのも一つ。日本国内の旅行でもやっているのでは。その土地の地酒などを買う感覚と同じに、地元のお茶を買う楽しみも増える。

 観光客が多い香港や台湾のお茶屋さんは、特に試飲をさせてくれるところが多いので、自分の納得いくお茶を買うことができるケースも増えるが、値段の高いお茶は、なかなか試飲させてくれない。なおさら、街中の一般市民が購入するような店では、試飲すらできない、と考えてよい。

 また、グループツアーなどでガイドが連れて行くお茶屋さんらしきところでは、すらすらと日本語を話す女性がプレゼンテーションしてくれる。実に説得力がある。共通するテーマは、血圧が下がる、やせる、ガンにならない、など健康がらみが多い。お茶の質としては、大抵の場合あまり良くないが、説得力に負けて買ってしまう人が多い。

 買うお茶が決まっていても、迷ってしまう場合もある。銘茶になればなるほど、等級が多く、同じお茶でもどのレベルを買うのがよいのか、困るからだ。例えば、香港で陳年(ちんねん)ものではないプーアル茶を買う場合、100グラム100円足らずから数千円まである。

 もちろん、自分の財布と相談して決めてよいのだが、住んでいる訳ではなく、行きずりの身では、いろいろ考えているうちに、決断ができない。リスクが一番少ないのは、一番高いお茶を買うことだ。逆にリスクが最も大きいのは、一番安いお茶。ところが人間の心理として、「安くておいしい」ものを買うことが買い物の快感でもある。ワインと同じで、1本1000円以下でおいしいものを見つけるには、何本、何十本の体験が必要になる。異国でのお茶探しに、そんなトライをしている時間はない。

 そこで、お薦めは2番目に高いお茶を買うことだ。1番高いお茶で、まずかったら悔いが残る。2番目なら質はそこそこ。仮に満足できなくても、たぶん1番目はおいしかったのだろうと、自分をなぐさめられる。このやり方であまり失敗したことはないので、「迷ったら2番目」は正解かもしれない。

 次回は、「偽モノ陳年茶をつかまされるタイプの人は」(予定)というお話を。

(12/30)



中国茶メモ


●もっと大胆に、自ら試飲する購入方法は……

 試飲を出来ないと、リスクが増えることは事実。試飲をしても、日本に戻って飲んでみると、「試したお茶と買ったお茶が違うのでは?」という話もよく耳にする。

 試飲が出来ないお茶屋さんで、試飲をする方法をお教えすると、販売されている最低量のお茶を買い、封をその場で切って、そのお茶を飲ませてもらうこと。お茶屋さんなので、大抵自分が飲むために茶碗かグラスとお湯はある。それがないお茶屋さんでは、買わない方がよい。

 「最低量」は、通常20〜50グラム。店によって違う。問屋の場合は量が多いケースもあるが、交渉次第で少量を試すことも可能である。

 ちょっと勇気が必要だが、大胆かつこちらの勢いが伝わり、こういうコミュニケーションも面白い。




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