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現在位置:asahi.com>中国特集>鳴小小一碗茶> 記事 弾薬は、なお健在なり。ヨーロッパへ輸出?2007年09月28日 中国茶評論家・工藤佳治 ――我々には、なじめない接し方
1年かけて100種類の中国銘茶を飲むサロンをスタートさせた。12年ほど前に150種類、6年ほど前に120種類、と銘茶を飲むことをやったが、今回100種類。これが最後になるかもしれない。体験する銘茶の数は減っているが、集める体力が持たない、飲む体力もない。これだけまとめてお茶を飲むには、やはり体力が必要だ。このレポートはいずれしたい。 今回のテーマは、その銘茶集めでの出来事。 たびたび書いてきたが、中国銘茶は銘柄だけで1000は優に超える。その中で、銘茶を100に絞り込むのだが、やはり歴史あるお茶が多くを占める。最近登場して銘茶の仲間入りをしたお茶も数点入れる。前回取り上げたくても、できなかったお茶に再チャレンジをしてみる、といった具合に、100種類のお茶が集まってきた。 その中で、「このお茶はもう作られていないだろう」というお茶も数点あり、予想どおり消え去ったお茶もあった。 「作られていないのでは」と、中国のお茶の権威が危惧していたお茶が届いた。その一つが、「平水珠茶」。前々回の「中国茶メモ」で紹介したお茶である。 浙江省平水で集積・加工される。平水は、紹興の近く。周りはお茶どころである。唐代からのお茶の集積・交易地である。茶葉の形状が特徴的なお茶だ。強く揉み、丸く成形されている。緑茶に分類されるが、色は緑というよりも黒に近い深い緑だ。表面がテカテカ光るくらい艶がある。 このお茶、中国のお茶舗でも売られているのを見ることはほとんどない。どこで売られ、誰が買い、どんな人が飲んでいるのか、見当もつかないお茶だが、古くからの銘茶には必ずといっていいほど登場する。 お茶も商品である。買う人がいないお茶を作る工場が、経営的に存続することはむずかしい。市場で見ることがないお茶が、消え去っていくのも、無理からぬところである。 このお茶、以前に何度か飲んだ時、一緒に飲んだ人たちには大不評のお茶であった。以前にも書いたが、スモーキーな緑茶が日本人には一番苦手なお茶だ。そのサンプルのようなお茶である。飲んだ人が、顔をしかめる、嫌な苦さが口の中に重く残る。 消え去ってもおかしくないこのお茶が、まだ「健在」であった。今回も、手元まで届いた。 中国人のほとんどが知らないお茶、それを大きく支えているのは、ヨーロッパ市場以外に考えられない。というのも、このお茶は「平水珠茶」という名前より、英語の通称の方が欧米で有名なお茶である。 「Gun powder」、弾薬である。このお茶の形状から、名づけられた。 「中国からヨーロッパへ“弾薬”輸出」。この見出しだと、危ない武器輸出のようだが、平和な輸出である。 時を同じく、このお茶を一緒に飲んだ人からレポートが来た。「イタリアのカフェでこのお茶見ました」と。本当に「弾薬」はヨーロッパで飲まれていた。 でもご注意を。ヨーロッパで見たからといって、飲むときには気をつけて。古くからの飲み方どおり、ヨーロッパではこのお茶にミルク、砂糖を入れて出すことが多い。このスモーキー緑茶のミルク、砂糖入りが、もっと日本人にはつらい。人によっては「吐き気」をもよおす。 中国茶メモ涌溪火青(ようけいかせい・安徽省)
外見上は「平水珠茶」とほぼ同じ形状、質感を持つ。深い緑色の茶葉は、ほとんど黒く見える。丸く、強く揉まれた形状で、表面はツヤがあり、光沢がある。 ボディのあり、スモーキィな感じがする香り、味である。平水珠茶よりは、湯を通した開いた茶葉は、茶葉の形状がきれいである。渋さも感じるが、日本茶の濃いお茶に近く、あとに甘さが残る。 |
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