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現在位置:asahi.com>中国特集>鳴小小一碗茶> 記事 台湾レストランが海を超えて2008年04月12日 中国茶評論家・工藤佳治 ――お茶の世界では、ひと足早く
また一つ、上海で評判のレストランができた。おもしろい食べ方も、話題をさらっている。 このレストラン、日本でいえば餃子や焼賣といった点心を中心にしたレストランである。餃子、焼賣などは、中国でいえば北の方がルーツであるが、全国的に広く親しまれている。レストランの守備範囲でいけば、洗練され、種類も多様化されて、「広東料理」が得意領域とし、「飲茶(ヤムチャ)」としてお馴染みである。 一方、「小龍包」(ショウロンポウ)や「生煎包」(焼ショウロンポウと日本では訳されているが、皮が小龍包とは違い、厚い)などは、上海料理のメニューとなっている。「小龍包」は、中がジューシーなスープになっていて、日本でももうお馴染みになった。 その上海料理の得意なスープ入り「包」(パオ。皮で包まれた点心の多くはこの字がつく)の中でも、江蘇省揚州地域の名物に「包」の皇帝のようなものがある。「カニみそ入りスープ入り包」である。大きい。直径10センチくらいはある。たいていは、一個用の小さなセイロにドンと入れられ、湯気を立てながら出てくる。 ストローがついてくる。ストローを「包」の上から刺して、中のスープだけを飲む。外側、具は食べない。もったいない気もするが、贅沢に食べる感じがなおさら「皇帝」っぽい。 今上海で話題のこのレストラン、じつは台北にあるレストランの系列である。看板メニューは、スープ入りの「包」。まさに、このメニューの故郷へ、海を超えての上陸である。
一番の看板メニューが、写真にある揚州料理(「上海料理」と言った場合、上海、杭州、紹興、寧波、蘇州、揚州、無錫などの料理の総称となる)の「包」である。先ほどあげた揚州名物の「スープ入り包」は、皮は肉まんのように厚いが、この店のものは、薄い。普通の餃子に使われる皮くらいか、もっと薄いかもしれない。大きい。 ストローはついてこない。セイロから皿に移す。この時、コツが必要。皿の端に載せる。その皿を持ち、口まで運んで口で端を破り、こぼさないようにスープを吸う。そのあとは、自由に黒酢などをつけながら、皮を含めた全てを食べる。 もちろん、おいしいので評判である。 思えば、10年少し前、台湾の豆乳チェーン店が海を渡った。今では、大陸の主要都市でチェーン展開している。最近でいえば、上海の新しい観光名所「新天地」ができる時、台北に本店を置く、高級海鮮レストランが進出した。こちらも、社用族やセレブのマダムたちに評判で、今でも人気が衰えない。 お茶の方は、レストランより一足早かった気がする。 台湾のお茶は、150年か200年前に福建省安溪からお茶の木と製法を持って茶農家が台湾に渡り、台湾でのお茶づくりは本格化した。その台湾のお茶は、15年ほど前、福建省に合弁の茶園を開拓して台湾のお茶製造の手法で栽培を始めた。同じく、「天福茗茶」として大陸の主要都市で茶舗チェーンの展開を始めた。 今では、大陸のいくつかの省で台湾の銘茶の生産も本格化し、上海の街角では台湾産の茶の代表ブランド名「高山烏龍茶」の専門店も出ているくらいになった。福建省産「高山烏龍茶」も売られている。 そういえば、20年ほど前、香港やタイ、シンガポール経由で台湾に渡ったヴィンテージものの「プーアル茶」(雲南省産)も、今また海を渡って大陸に買い戻されている。 経済の領域では、とっくに活発な行き来が行われている。 次回は、「懐かしの香港はいま…」(予定)です。 中国茶メモ高山烏龍茶(こうざんウーロンちゃ・台湾)
以前の台湾烏龍茶のトップブランド「凍頂烏龍茶」に、トップの座を取って代わってからだいぶたつ。茶葉の形状などは、凍頂烏龍茶とほぼ同じ。生産される茶区の標高が高いことから、この名になった。標高1000メートルくらいから始まり、次々に茶区が高い方を目指して作られ、今やいくら暖かな台湾とはいえこれ以上は無理という2600メートルまで来た。たくさんの茶区で作られているので、場合によるとその茶区の名前が付けられて、表示されている。たとえば、「阿里山高山烏龍茶」「利山高山烏龍茶」「大禹嶺高山烏龍茶」など。 清らかな香り、透明感のある水色、何煎か飲み進むと舌の付け根あたりに、えも言えぬ甘い香りが残って長く続く。日本人にも飲みやすく、人気のあるお茶である。 |
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