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天安門広場へ向かう鈴木監督と土佐さん |
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北京国際空港の新しい第3ターミナルの外で |
車でホテルに向かう途中、渋滞でスピードが落ちると車窓にふわふわと白い雪のようなものが見えた。大気汚染で騒がれている北京だけに「ほこり?」と一瞬たじろいだが、後で通訳の方に尋ねると、「北京に春の訪れを告げる柳ジョ(ジョは「如」の下に「糸」)ですよ」と。よかった、空気のことで神経質になり過ぎていた。同行した花粉症の夫は「大気汚染なんて気にならないよ、それより杉花粉がなくて極楽、極楽」と呑気なものだ。
幸いなことに、プレ大会に参加する選手、監督、陸上競技連盟関係者と同じホテル。日本チーム長距離強化部長の河野匡さんは「今回は北京の雰囲気をつかんでもらえればいい」。
走る意味は路面の硬さや吸い込む空気をチェックするだけでなく、4日間の滞在の中で、食事や練習場所など、本番に向けてのシミュレーションをして欲しいとのこと。
夕方、ホテルから3キロほど、天安門広場までジョギングをした。金曜日の夕方ということもあり、バス乗り場には人が多かったが、きちんと列を作って待っている姿が見られた。今まで北京は4度訪れているが、最近のマナーの向上は目を見張るものがある。
天安門広場周辺をぐるりと周り、ホテルへ戻る途中、男子マラソン代表の面々とすれ違った。コーチ、監督、スタッフ(陸連科学委員会の石井好二郎さんまで)も一緒に大きな集団でジョギング。「チーム一丸となってがんばるぞ!」といった雰囲気が頼もしかった。しばらくすると、今度は中村有梨香さんの武富豊監督や、土佐礼子さんと鈴木秀夫監督、マーラ山内さんご夫妻、最後は中国電力の坂口泰監督と次々にすれ違った。
翌日の朝食時、ジョギング中に喉がイガイガしたことを尾方剛さんに話すと、「そうですよね、霞んだ空気を見ると、気乗りしないですね」。その横で「僕は全然気にならないですよ。北京で大気汚染で死んだ人っていないでしょ」と佐藤敦史さん。空気の感じ方も人ぞれぞれだと思った。
20日、大会当日は大雨。私は沿道で選手達を応援しようと、まずはスタート地点である天安門広場に向かったが、スタート地点を挟んだ2ブロックがすべて封鎖され、選手の後ろに並んだバスなどの車列しか見ることが出来なかった。沿道でも声をかけようと移動したものの、選手が走る広い道路の両脇には自転車道があり、その外側の歩道にも鉄製のフェンスが張られ、厳しい警備に驚いた。でもそれだけ中国という国は「やる時にはやるな」と感心させられた。
走り終わった選手達に聞くと、沿道の応援も学生が並んで応援している場所があったり、ボランティアと思われる人がカッパを着て整然と沿道に立っている姿もあったそうだ。雨に加えて、気温も13度と低かったこともあり、ほとんどの選手が予定していたタイムよりも早くにゴールした。
「走ってよかった、勝負どころが分かりました」と尾方さん。佐藤さんは「コースマップとイメージが違うところもあった。日本の路面よりはね返りは少ないが、後半スピードを上げたら走りやすかった」。土佐さんは「道幅が広くて寂しかった。思ったより曲がり角が多い」。
それぞれが試走したことで本番へのイメージをつかめたことが収穫だったと思う。そして出場人数わずか60人弱、制限時間も3時間半と厳しい中、勇気を持って出場した武冨さんには頭が下がる。3時間14分台の素晴らしいタイムでゴールイン。ゴール後は笑顔で「路面の硬さは4段階。帰って中村に伝えますよ」。
これから個々に国内外で合宿を行って五輪本番に備える日本代表選手たち。どうか故障なく、笑顔でスタートラインに立てますように。
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