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前回のアテネ五輪で日本は、初めて全員がプロで編成した代表チームで臨みながら銅メダルにとどまった。悔しい記憶が今も残る野球ファンは多いと思う。
それだけに、「北京こそ金メダルを」という期待感は強い。
それはそれで結構なのだが、あたかも五輪出場は当然、といった感じの楽観論には「ちょっと待ってほしい」と言いたくなる。五輪本番の前に、アジア予選というハードルがあり、これが簡単ではないからだ。
「北京切符」をかけたアジア予選は11月から12月にかけて台湾で開かれる。日本、台湾、韓国、それに1次リーグから勝ち上がった1カ国を合わせた4カ国・地域が決勝リーグを戦う。ここで五輪出場権を得られるのは優勝チームのみ。2、3位は来年の春に予定されている世界予選に回ることになる。
アジア予選で出場権を取れば、来年8月へ向けた準備がしやすくなる。しかし、はっきり言って、ここで優勝するのは容易でない。
最大の強敵は韓国だろう。2004年のアテネ五輪に出場できなかった。前年の秋、札幌でのアジア予選で日本と台湾に敗れたのだ。
加えて、昨年3月、第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で味わった敗北がある。韓国は日本と3度対戦。1、2次リーグで連破しながら準決勝では敗れ、その日本が初代の世界一に輝いたのだから屈辱感は計り知れない。アテネ予選と二重の意味で雪辱戦になる。
昨年のアジア大会で優勝している台湾にとっても、自国開催の予選でやすやすと負けるわけにはいかない。
この3強に比べると実力では見劣りする中国が開催国として五輪出場権を持っている。そのため、五輪に出る計8枠のうちアジア予選で決まる出場枠が前回五輪の「2」から「1」に減っている。この影響は相当に大きいのだ。
アジア予選で出場権が取れないとすると、来年3月に同じ台湾で予定されている世界予選に望みをつなぐことになる。8チームのうち、上位3チームが五輪に出られるが、韓国、台湾のどちらかに加え、すでに予選を終えている米大陸(米国とキューバが出場権)からメキシコとカナダ、さらにオセアニアからはオーストラリアの参加が見込まれるなど、厳しさはアジア予選の引けを取らない。しかも、日本のプロ野球開幕期に当たり、チーム編成をどうするかの難題もある。そういう意味からも、12月に出場権を得る意義は大きいのだ。
アテネ五輪のアジア予選を戦った長嶋茂雄監督は「かつて感じたことのないプレッシャーだった」と話した。翌2004年の3月、病に倒れることになるのだが、予選を率いた心労が響いていたのかもしれない。
星野監督は、そうしたプレッシャーと敵地で戦うことになる。
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