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Road to 北京

ガイコクジンから見たスポーツ中継 可越さん(上)

2007年12月21日

 日本へ来て13年。テレビのスポーツ中継を見ると時々、腹が立つことがある。

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ビデオ片手に東奔西走。映像を通じた日中交流を精力的に進めている

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2005年に開かれた日中市民対話の会。日本と中国が友好的な関係でいるにはどうあるべきか、活発な論議が交わされた

 日本のテレビでは選手が出ると、カメラは日本人選手だけを映し出し、ほかの国の選手が映されるシーンが圧倒的に少ない。日本の選手がメダルを取れば映されて当然、こちらも喜ぶ。ところが、問題は日本の選手やチームが負けた場合だ。外国勢である勝者にカメラが向けられることがほとんどない。

 世界陸上選手権大阪大会の時もそうだった。

 アメリカの友人たちと一緒にリレーの決勝をテレビで観戦していた。

 日本チームはアジアで最も良い成績で5位を取り、同じアジア人としてとても嬉しかったが、アメリカの友人たちはみんな不満そうな顔をしている。

 見ると、テレビ画面では日本の選手たちが日の丸を上げて、笑顔で会場を走り回って、観客の歓声に応じるシーンが延々と続いている。チャンピオンであるアメリカ選手たちはテレビ画面では影のような存在となっていた。

 日本語が分からない外国人なら、「日本チームが優勝か!」と勘違いするに違いない。

 ほかにバスケット、バレーボールの国際試合でも同じようなテレビ中継の仕方がしばしばある。日本のチームが出るたびに、アナウンサーもカメラも日本チームだけを追い、負けても日本選手の顔が映し出される。

 日本チームがテレビ中継されるのはまだ良いほうかもしれない。チームが決勝戦に入ってない場合、国際的に非常に注目されるような有名な決勝戦でも、地上波で中継されることが少ないようだ。

 日本に入国した後に自治体に登録した「外国人登録者数」は、06年末現在で208万5000人。38年間で過去最高を記録したという。前年に比べて3.6%増で、日本の総人口の1.6%を占めるようになり、国際化がますます進んでいる。

 しかし、マスメディアはまだ国際的とは言えないだろう。「日本のテレビのスポーツ中継を見ると面白くない。『狭い国、日本』の根性が出るから」と嘆く外国人の声をよく聞くことは確かだ。

 だが、対照的に、国際的な日本人もたくさんいる。

 私も参加している日中市民によるインターネット放送「東京視点」で、02年に日本と韓国が共同開催したFIFAワールドカップの際、メンバーの一人である日本人青年、国本隆史さんは30分の「日韓ワードルカップ観戦」のドキュメンタリーを撮った。

 日本人の若者が韓国のチームを応援し、韓国の若者が日本のチームを応援。一緒に観戦していくうちに、議論をしながらも互いの心が近付いていったというドキュメンタリーだった。

 感動的な内容で、草の根の国際交流を図る意志を世界に伝えたと私たちは自負している。

 スポーツをすることが嫌いな人がいても、スポーツ観戦が嫌いな人は少ないであろう。

 最高水準の競技を見て、楽しんで、勉強になることに意義がある。さらにスポーツを通して、平和と友情を広げることは、スポーツの勝負そのものよりもっと重要な目的だろう。

 いよいよ08年北京オリンピックが近付いてきた。

 日本のマスコミも取材体制を整えている。日本ではテレビ中継を見る人がほとんどだと思うが、ここに少しだけでもいいから、国際的な心遣いもあれば、と願う。

 国本さんは「来年のオリンピックに向けて、日本と中国の若者が共にオリンピック選手を応援する番組を作ってみたい」という。

 市民メディアに負けないように、マスメディアもぜひ、「国際化」に向けて進歩してほしい。

顔写真

可越(コー・ユエ)さん 日中コミュニケーション(株)代表取締役

 1973年、中国・長春市生まれ。94年に吉林大学日本語学科を卒業し、来日。埼玉大と東大でメディア論などを学んだ。インターネット放送局「東京視点」(http://tv.people.ne.jp)代表。04年にテレビ番組の版権代理、番組制作などを行う「日中コミュニケーション」を設立、日中交流を精力的に進めている。

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