結婚攻防戦(上)
文・写真 于 前
●「親の愛情は荷物」
30歳を越えて独身、子なしの女性は、日本では“負け犬”と言われている。しかし、中国にいる私の友達は、30代に突入しても、まだ“青春のしっぽ”を踏んでいると信じている。楽しく“青春のしっぽをしっかり掴もう”とする女性の心の声を聞いた時、私は心から笑った。世の中の基準は、様々な希望で変えられるものだ。
そうは言っても、北京に帰って「単身貴族」と言われる女友達と会う時に一番盛り上がる話題は、仕事よりも結婚だ。皆が主義を貫いて独身でいるのではない。「いい男は遠い不可解なところにいる」ことは共通の悩みだ。
また、親に「早く結婚してください」と言われることを圧力に感じ、皆が「親の愛情は荷物」と文句を言った。日本にいる私を見て、羨ましがっている人が多かった。その理由は、親から離れて、親の文句も届かないところにいるから。
実際、家の両親は良縁を結ばせる仲人として、けっこう活躍してきた。両親とも定年して八年もたつのに、お見合いネットワークを今でも持っている。最近は、その「余計なお世話」をしなくなった。両親が言うには、社会の変化が激しく価値観も大きく変わったので、簡単に紹介できなくなったという。
私が中国にいた頃、中国の会社は若者に仕事の面で指導するほか、結婚と私生活にも関心を払わねばいけなかった。結婚適齢になって、まだ結婚してない部下がいたら、上司も責任を問われる。世話好きも仕事の一部だった。
「幸せ産業」と見られている結婚相談所は、まだ金儲けのイメージがある。都市では自由恋愛で相手を見つけられない時、友人や年長者に紹介してもらうケースの方が多い。
大学の先生の間でも、自分の子供に同じ大学の先生の子供とお見合いさせる話は凄く多かった。家族の付き合いも無視できない中国では、結婚する相手の両親と「共同語言」があるかどうかも気にしなければいけなかった。
昔ならば卒業した父の教え子が家に来て、「先生、誰かいい人を紹介してください」と尊敬の念でお願いしていたのに。最近の生徒からは「先生、日本人の男を紹介してください」とストレートな注文が来て、父は大分迷っていた。日本語ができるからといって、日本人と結婚することを優先目的にすることは、あまりにも信用がない。だから両親も「余計なお世話」をしなくなった。
中国の社会はますます開放し、変革は自分のすぐそばにやってきている。幸福をつかむ道が増えたはずなのに、「単身貴族」の数も増えた。見過ぎて迷ってしまった。結婚するかどうかは個人的な選択で、他人が口出しすることではないという考えが増えていることも、大きな原因となった。
こんな矛盾の中でも、世話好きな中国の親たちは困難を前に逃げていない。
去年の夏、北京ではある出来事が小さいブームを呼んだ。朝のトレーニングのために公園へ集まる親たちは、自分の子供の写真を持ち、子供に代わって親同士でお見合いする行動に出た。
(次回に続く)
(04/01)