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上海博物館からやってきた名筆の数々
これが「淳化閣帖」か。かく蔵先生は「淳化閣帖」と王羲之(おうぎし)について語り始めると止まらないからなあ。これは真っ黒な紙に白字で書いてあるの?
違ーう。これは拓本といって、文字を木に刻みつけたものを版画の要領で墨をつけて紙に写し取ってあるの。王羲之が書いた筆跡は残っていなくて、こうして再現されたものを教科書のように、みんなが手本にしたんだって。
へー。お手本になる人の字は違うね。この写真の前半の勢いのある筆使いも後半のかっちりした筆使いもどちらも整然として美しいね。俺もこれくらい書けたらなあ。
これをお手本に頑張りなさいよ。
千字文っていうと楷書で書かれたものが多いと思うんだけど、これは草書なんだね。なんか雰囲気が違う感じがするわ。途中で筆のかすれや、文字の大小に変化がみられるのが単調じゃなくて見ごたえがあるね。
一行何文字って決まってないから、千文字あるかどうか数えにくいなあ。一、二、三、、、
これはまた大きな草書だねー。一文字の大きさが私の手のひらくらいあるわー。書くだけでストレス解消になりそうね。
判子が書のど真ん中に押してあるのってなかなか見たことないけど、全体のバランスにあってるね。 国宝・重要文化財級の書がずらり
一行ごとに金色と銀色の文字が書かれてて、きらびやかだねー。紺色の地に映えるね。
国の重要文化財の「大唐西域記」だって。唐よりも西の地域の話ってこと?
孫悟空の西遊記のことよ。巻物に描かれているのも、西遊記の雰囲気がでてるよね。
へー。なんか知ってる話の書だと親しみが湧くね。僕は歴史の授業で習った空海の書を見つけたよ。国宝の灌頂暦名(かんじょうれきめい)。空海が記した名簿らしいよ。
間違えて、真っ黒に塗りつぶした部分まで残ってて、なんか親近感わくね。
親近感がわくと言えば、藤原道長の日記「御堂関白記」も面白いよ。ちゃんと罫線であらかじめ一日分が区切ってあるのに、書きたい日ははみ出すほどたくさん書いてるのに、書かない日は全然書いてない。生活してた様子がうかがえるね。 仮名と日本独自の表現
授業で習った「古今和歌集」を見つけたよ。こんなにたくさんの漢字を見た後だったから、ひらがなの書が新鮮に感じたよ。
金箔や銀箔を散らした色のついた紙に、糸のように細い線で字を連ねて表現してるね。仮名もそうだけど、書の表現方法も日本独自のものだね。
そうだね。日本の書はぜいたくに余白を生かしたものが多いね。
「寸松庵色紙(あきはきの)伝紀貫之」も、掛け軸の面積よりもふたまわりほど小さな色紙に書を表現している。その余白が、書の美しさも掛け軸の美しさもどちらもひきだしているように感じたよ。 書のニューウェーブ?
スゴイ字だねー!上下2mくらいあるし、筆使いはぐるぐるとのたくってるし、迫力があるね。
ほんとね。ぐるぐる円を描くように漢字を表現する、流れるような筆使いが面白いね。
指紋みたいに渦巻いてるね。もう、字なのか模様なのか僕にはわからなくなっちゃったよ。
絵画がどんどん自然に忠実な具象から抽象に変化していったように、書もつきつめて研究されて、より自由な表現へ変化していったのかしらね。 Rin’(リン)が奏でるイメージソング「三千世界」
今回の展覧会にはイメージソングがあるんだよね。
そうよ。Rin’という東京芸大同窓生3人の女性グループの「三千世界」っていう曲だよ。一般公開の前にあった内覧会でも演奏されてたよ。波のようにたゆたう旋律がとても心地よくて、書の世界観を見事に表現してるね。
それにとても3人だけで演奏してるとは思えないほど迫力があるね。軽やかだけれど深みのあるメロディは尺八や三味線、箏といった伝統的な楽器から生まれてくるのかな。 展覧会ミニ情報
作品そのものを先入観なしにじっくり鑑賞するのもいいけれど、その時代背景や作品が生まれた経緯を知ると、さらに深く作品とふれあうことができるね。主要30作品を音声で解説してくれる音声ガイドは会場入り口で貸し出ししているよ。 音声ガイド(500円)
オススメのおみやげ 書を表現するのに欠かせない筆が、大小さまざまなサイズでずらりと並んでいたよ。達人の書をあしらった文房具で、書の美しさを身近に感じよう。 本展覧会で出品されている「古今和歌集」をデザインしたペーパーウェイト(1050円)。コースター(300円)。定規(250円)など。 ニン・ハオととおるもかく蔵先生に筆を買っていたようですよ。 |
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