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瀋陽

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日本語の授業の後、目の疲れをほぐすため一日一回マッサージをする高校生=瀋陽市の東北育才学校で、矢木隆晴撮影

日本へ熱 東大・京大へ合格者続々

 「空を押し上げて、手を伸ばす君、五月のこと……」

 教室に、一青窈さんのヒット曲「ハナミズキ」が流れていた。

 瀋陽市内にある東北育才学校。中高一貫の日本語クラスで、高校1年生の30人ほどの生徒が、歌詞の一部が空欄になった用紙をにらみながら、ラジカセから流れる歌を聞いている。

 「次は病院での会話を学びましょう。みなさんも将来、日本に行って、風邪をひくこともあるでしょうから。耳鳴りってどんな状態ですか」。日本人教師が日本語で問いかける。「うーん。耳が痛いことですか」。生徒の一人が、やはり日本語で即座に応じた。

 東北育才学校は、幼稚部から高校まで8300人を抱えるエリート教育校だ。中でも徹底した日本語の英才教育では、中国有数の水準を誇る。生徒たちは中学2年ぐらいで日常会話に必要な日本語の聞き取り能力を習得するという。

 卒業生の進学先は大半が日本の有名大学。同校によると、00〜05年の6年間に計43人が東大に、計55人が京大に進んだ。

 「東大経済学部に入りたい。将来は日中両国の経済にかかわる仕事をするのが希望です」と高校2年の蘇小恬さん(17)。宋玉良教諭は「私より流暢(りゅうちょう)な日本語を話すようになる生徒もいます。日本の試験を受けることに問題はない」と話す。

 かつての日本の支配を背景に、東北地方からはこれまでも、多くの日本語人材が育ってきた。日中国交正常化への道筋を開いた故孫平化・前中日友好協会長(遼寧省出身)や、前駐日大使で北朝鮮の核問題をめぐる6者協議の議長を務める武大偉・外務次官(黒竜江省出身)らがいる。

 中国政府は今も、東北地方で日本語人材の育成を重点的に行っている (03/17)

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