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コラム「The Road」

長友23歳「天職」証明の日 「エトー止めて世界驚かせる」

2010年6月14日

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クロスボールの練習をする長友=西畑志朗撮影拡大クロスボールの練習をする長友=西畑志朗撮影

 W杯の日本代表23人が決まり、5月21日にさいたま市内で合宿は始まった。ほどなく、DF長友佑都(23)は宿舎の監督室に呼び出された。

 「カメルーンのエトーをマークしてもらう。そのつもりで準備してくれ」。岡田監督に告げられた。

 自称、不良少年だった長友。世界的FWと対峙(たいじ)する瞬間が近づいている。

 愛媛県西条市で生まれ育った。愛媛FCの育成チームの入団試験に落ち、仕方なく進んだ同市立西条北中のサッカー部が「荒れていた」。流された。髪は金色。練習をさぼってゲームセンターにたむろした。そんな時、長友の入学と共に赴任した井上博監督(現・新居浜市立北中教諭)との出会いに救われた。

 幼い頃に両親が離婚し、母親に育てられた長友。「大人の男性に、どこか不信感を抱いていた」。井上監督の目にはそう映った。ゲームセンターまで追いかけた。夜に自宅を訪ね、時に涙しながら説教した。「真剣にサッカーと向き合え」。この人なら間違いない。「最初は煙たかっただけ」という長友は少しずつ心を開いていった。

 持ち味のスタミナが養われたのは中学3年の秋。きっかけは、やはり井上監督だった。公式戦を終えた3年生を集めて駅伝チームを結成した。部員は毎日、ぶっ通しで5時間ほど走らされた。400メートルを20本。3キロ、5キロ、裏山の上り下り。競輪選手を祖父に持つ血筋が目覚めたか。猛練習に最後まで倒れず食らいついたのが長友だった。

 卒業後の進路は、強豪の東福岡高を選んだ。「絶対にビッグになる」。そう井上監督に伝え、故郷を離れた。明大に進み、MFからサイドバックに転向して素質は花開いた。攻守にタッチライン際を絶え間なく往復するポジション。何より持久力が求められる。「天職だった」。北京五輪代表候補となり、明大在学中の2008年にFC東京とプロ契約。フル代表に上り詰めた。

 今も調子が落ちると、FC東京の練習後に1時間近く走り込む。原点の中学時代を思い出すためだ。肉の脂身やインスタント食品を控え、体脂肪率は5%前後を維持。自宅のテレビで欧州各国のリーグ戦を見ながら、腹筋運動や柔軟体操を繰り返す。

 今年の正月、里帰りして井上監督に誓った。「今を百%やりきらないとW杯では勝てない。昨日より今日、今日より明日」。積み重ね、たどり着いた大舞台。「相手が強ければ強いほど燃えてくる。エトーを止めて『アイツ、誰だ?』と世界を驚かせたい」

 悔いなき日々を送ってきたからこそ、土壇場で強気になれる。(中川文如)

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得点ランキング

  1. 1位 (総得点5)
    選手名
    フォルラン (ウルグアイ・31歳 内訳:左足1、右足4、ヘディング0)
    スナイデル (オランダ・26歳 内訳:左足1、右足3、ヘディング1)
    ビリャ (スペイン・28歳 内訳:左足1、右足4、ヘディング0)
    ミュラー (ドイツ・20歳 内訳:左足0、右足4、ヘディング1)
  2. 5位 (総得点4)
    選手名
    クローゼ (ドイツ・32歳 内訳:左足0、右足3、ヘディング1)
    イグアイン (アルゼンチン・22歳 内訳:左足2、右足0、ヘディング2)
    ビテク (スロバキア・28歳 内訳:左足0、右足3、ヘディング1)

7月11日現在

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