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コラム「The Road」

「僕はありのままで」陰でチーム支える主将・川口

2010年6月17日

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写真拡大16日の練習開始前、笑顔で選手たちを見つめる川口=西畑志朗撮影

 川口能活(よしかつ)(34)は忙しい。いち早く練習場に現れ、続いて出てくる仲間に話しかける。居残りで若手のシュート練習に付き合い、その後に自らのキック練習。カメルーン戦翌日の15日もそうだった。

 「勝利の喜びに浸るのは、もう終わり。試合後の控室でも『切り替えよう』という声が自然に出た。あえて僕が言う必要はありませんでした」。それも、川口が意思疎通に腐心してきた結果だろう。

 5月27日の選手ミーティング。司会として聞き役に徹した。食事ごとに座る席は替える。故郷自慢から戦術論まで、相手が乗ってくる話題を振って会話を弾ませる。先頭に立つわけではない。陰から手を差し伸べるやり方。

 「主将でも、僕はありのままで」。その「ありのまま」は年月を経て姿を変えた。

 静岡・清水商高時代に全国制覇。しかし、横浜マに入団した1994年は控え暮らしが続いた。サテライト(2軍)の試合で負けてはグローブを地面にたたきつけ、同僚を怒鳴りつけた。人一倍の負けん気がもろ刃の剣だった。

 その年の暮れ、知人の紹介で竹田和正トレーナーに出会った。今も面倒を見てもらう存在。会って早々、一喝された。「そんなに乱暴に扱ったらグローブが可哀想だろ」

 「もっと自分を高められるのに、失敗を他人のせいにしていた」と竹田トレーナー。「同僚を責めるくらいなら自分を鍛えろ」。何度も川口は諭された。イングランド、デンマークのクラブで過ごした2001〜04年も、毎日のようにメールでやりとりを重ねた。毎晩、グローブの泥を水で洗い流すようになった。

 「GKは生き様がにじむポジション。生半可なことで腐ってはいけない」。川口は感じ始めた。昨秋に右すねを骨折しても4度目のW杯出場を信じリハビリに取り組んだ。

 目標にたどり着いた時、立場は主将と第3GKだった。出場の可能性は限りなくゼロに近い。「負けず嫌いは変わらない。今も自分が1番と思っているのでは」と竹田トレーナー。「葛藤(かっとう)を抱えている」と代表スタッフは感じる。主将としてよく岡田監督に呼び出される。1対1でチームの雰囲気を伝える。「その時間が能活の『精神安定剤』」と話す関係者がいる。

 本人は、そんなそぶりを見せまいと振る舞う。「新しい役割への挑戦。やりがいがある」。ただ、選手も気づいている。「能活さんに気苦労をかけないよう、僕らがしっかりしないと」。ゲームキャプテン長谷部が一体感を重んじる理由の一つだ。

 カメルーン戦後。川口がいたベンチにできた歓喜の輪、ピッチにいた選手の輪はすぐに重なった。(中川文如)

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得点ランキング

  1. 1位 (総得点5)
    選手名
    フォルラン (ウルグアイ・31歳 内訳:左足1、右足4、ヘディング0)
    スナイデル (オランダ・26歳 内訳:左足1、右足3、ヘディング1)
    ビリャ (スペイン・28歳 内訳:左足1、右足4、ヘディング0)
    ミュラー (ドイツ・20歳 内訳:左足0、右足4、ヘディング1)
  2. 5位 (総得点4)
    選手名
    クローゼ (ドイツ・32歳 内訳:左足0、右足3、ヘディング1)
    イグアイン (アルゼンチン・22歳 内訳:左足2、右足0、ヘディング2)
    ビテク (スロバキア・28歳 内訳:左足0、右足3、ヘディング1)

7月11日現在

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