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コラム「The Road」

殻破った長谷部 次の扉へ

2010年6月24日

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写真拡大笑顔でボールを追う長谷部(中央)=西畑志朗撮影

◆チームを考えすぎ。もっとエゴ出した方がいい

 長谷部誠(26)がJリーグの浦和からドイツのウォルフスブルクへ移籍したのは、2008年1月だった。移籍を決意するきっかけには、音楽と1冊の本の影響もあった。

 少年サッカー時代の先輩から贈られたチケットで行ったミスターチルドレンのコンサート。「終わりなき旅」を聞いて胸を熱くした。そして、デール・カーネギーのベストセラー「人を動かす」。批判は自分に、称賛は人に、物事は立場を変えて見る、という人間関係のスキルを書いた自己啓発の古典だ。

 06年に日本代表で6試合に出たが、07年は出場なしだった。ドイツ行きを選択しなければ、W杯でキャプテンマークを巻くどころか、日本代表の長谷部はいなかったかもしれない。

 「06年のJリーグで優勝して、次の年のアジアチャンピオンズリーグで優勝した後、サッカー選手としてこのままじゃダメになると思った。地位みたいなものができつつあるのを感じたから。小さい殻の中に閉じこもっていられないと思った」

 都内で会社員として働く妹の衣美(えみ)さん(24)は移籍直後の数カ月間、ドイツで同居して兄を支えた。1人で温泉に出かけるなど単独行動が好きな兄なのに、チームメートを食事に招いたり、コミュニケーションを気にしたりする姿に驚いた。「プロサッカー選手になるだけでも私たち家族の想像を超えていた。同世代としては、生きる目標を見つけられたことがうらやましい。自分も含めて、それがわからなくて悩む人が多いから」

 長谷部は厳しい練習を課すことで有名な元西ドイツ代表のマガト監督らのもとで力をつけた。各国の代表クラスがそろうチームメートにもまれた。そこで見つけた競争に勝つための鍵は「エゴイズム」。長谷部によると、自分本位にならない自己主張は「良いエゴ」で、チームの推進力の源になるという。「日本人はチームを考えすぎる。もっとエゴを出した方がいい」。それが状況を変え、次の扉を開ける爆発的な力になる。

 「主将としては何もしてません」という長谷部も、MFの柱の1人として日本代表がどう戦うべきかを主張している。この2年半で一変した中盤をしっかり固める今の守り方を「自分たちにあっている。このやり方を続けたい」と言い切る。

 1次リーグ突破がかかるデンマーク戦。次の扉を開くことは出来るか。(編集委員・忠鉢信一)

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得点ランキング

  1. 1位 (総得点5)
    選手名
    フォルラン (ウルグアイ・31歳 内訳:左足1、右足4、ヘディング0)
    スナイデル (オランダ・26歳 内訳:左足1、右足3、ヘディング1)
    ビリャ (スペイン・28歳 内訳:左足1、右足4、ヘディング0)
    ミュラー (ドイツ・20歳 内訳:左足0、右足4、ヘディング1)
  2. 5位 (総得点4)
    選手名
    クローゼ (ドイツ・32歳 内訳:左足0、右足3、ヘディング1)
    イグアイン (アルゼンチン・22歳 内訳:左足2、右足0、ヘディング2)
    ビテク (スロバキア・28歳 内訳:左足0、右足3、ヘディング1)

7月11日現在

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