W杯南アフリカ大会は2、3日に準々決勝4試合が行われる。南米勢4チームに、欧州の強豪、アフリカの星が4強入りを目指す。南米勢がすべて勝利すれば史上初。旋風は続くのか。
ブラジル、アルゼンチンの南米2強はオランダ、ドイツという手ごわい欧州勢を相手にする。他の4チームの地力や勢いを考えると、ここを勝ち上がった2チームがそのまま決勝に進んでもおかしくない。
◆オランダ―ブラジル
世界ランク1位のブラジルと4位のオランダ。準々決勝唯一の世界ランク5位以内同士による対戦は、今大会の両チームの出来からみても一番の好カードといえる。ともに攻めに重きを置くのが伝統だが、手堅い試合運びもみせている。
苦戦が続いた欧州勢にあってオランダはここまで4戦全勝で、2失点はともにPK。ロッベンが復帰した攻撃は強さを増したが、従来の飽くなき攻撃欲は抑え、攻守のバランスに気を配っている。
ブラジルがカウンターを得意にしているのは周知の事実。守りも余力を持って抑えている印象だ。オランダがどこまで攻め合いに挑むのか、出方が注目される。
◆ウルグアイ―ガーナ
初の8強で地元アフリカの期待を背負うガーナ、40年ぶりに8強に残った第1回W杯優勝国のウルグアイ。歴史は対照的な2チームだが、組織力が基盤であるところは同じだ。ガーナはジャン、ウルグアイはフォルラン、スアレスと頼りになるFWがいるところも似ている。
ウルグアイの頼みは伝統の堅守。落ち着いた試合運びをさせないためにガーナは先取点が必須だ。
◆アルゼンチン―ドイツ
アルゼンチンの10得点とドイツの9得点は全チーム中1、2位。爆発力を見せた両チームだが、カラーは異なる。個の力を押し立てるアルゼンチンに対し、ドイツは組織力。メッシ、イグアインらアルゼンチンの突出した攻め手をどう絡め取るか。
両チームは4年前も準々決勝で対戦し、延長まで戦って1―1、PK戦をドイツが制した。その記憶が新しい上、マラドーナ監督にとってドイツは1986年、90年と2度決勝を戦った相手。新旧の因縁がピッチ内外で絡む。
◆パラグアイ―スペイン
世界ランク2位のスペインと31位のパラグアイ。南米の一角が崩れるとすれば最も可能性の高いカードだが、期待通りの攻撃力を発揮できていないスペインにとって、堅守のパラグアイはやっかいな相手になる。
圧倒的なボール支配率をベースにじっくり攻撃を組み立てるのがスペイン。積極的な守備からすばやい攻めを狙うパラグアイにとって日本よりかみ合わせがいい。スペインの心臓部、シャビ、イニエスタの2人をパラグアイがどこまでねちっこく追えるか。(村上研志)
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7月11日現在