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W杯は6日から準決勝が始まる。若手選手の台頭が目立つ中、かけがえのない経験という武器を持つベテランの存在は大きなアドバンテージになる。地味でもぴりっとチームを締める選手が、4強に勝ち進んだチームを支えている。
◆ウルグアイ・ルガノ 堅守の象徴
ウルグアイを引っ張るのが、今年30歳になる主将のルガノ。188センチの長身DFは、5試合で2失点と堅守を誇るチームの象徴だ。
地元クラブから2003年にブラジルのサンパウロFCへ移籍。05年にはリベルタドーレス杯と世界クラブ選手権制覇に貢献した。現在プレーするトルコのフェネルバフチェでもスター選手の一人だ。
早くから才能が開花していたわけではない。「18歳の時にはプロになるなんて夢にも思っていなかった。アマとしてプレーしていて、仕事と勉強に励んでいた」とロイター通信に語っている。
南米予選では3得点を記録。大会前には「自分の仕事は守備であり、チームをまとめること。もちろん、ゴールを決めるという夢もある」と抱負を述べている。準々決勝で右ひざを痛めたが、出場に意欲をみせる。
◆オランダ・ファンボメル 闘志前面
中盤の底で強烈なタックルを見舞ったかと思うと、トップ下のスナイダーの脇でスペースを埋めている。運動量は決して多くないが、効果的な動きでチームの背骨になっている。
精神面でも闘志を前面に出してチームを引っ張る。所属するバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)では外国人初の主将に選ばれた。
鼻っ柱の強さで代表のキャリアを犠牲にしたこともある。ファンバステン前監督と衝突し、2008年欧州選手権以降の招集を拒否した。義父でもあるファンマルウェイク監督になって復帰した。
2度目のW杯はここまで5試合すべてにフル出場。準々決勝のブラジル戦では西村主審にくってかかる姿が印象的だったが、今大会の警告はゼロ。激しく、冷静に初優勝をめざすチームを支える。
◆ドイツ・フリードリヒ 厚い信頼
アルゼンチン戦のチーム3点目がこの人にとっての代表初ゴールだった。頭から飛び込むようにして芝の上に滑った。「すごく楽しくプレーできた」。無失点に抑えられたことで喜びもひとしおだったろう。
本来は派手さとは無縁だ。大会公式ページでは「ミスター信頼」と紹介されている。リーダーシップが際だつわけではない。しかし、安定感でチームに貢献する。185センチに足の速さも生かして、1対1の守備で強さを発揮する。
前回大会も3位決定戦をのぞくドイツの6試合に先発した。その時は右サイドバックだったが、大会後にコーチから昇格したレーウ監督はセンターバックで起用。違うポジションで今大会は全試合フル出場している。25歳のメルテザッカーとのコンビで、計2失点と期待に応えている。
◆スペイン・プジョル 強烈タックル
パラグアイとの準々決勝で後半39分に退いた。顔面にボールを当て、視界がかすんだために大事を取ったが、準備は万全だ。
代表でも所属先のバルセロナでも、最終ラインに構えるカーリーヘアはすっかりおなじみだ。身長は178センチと決して大型とはいえないが、空中戦で抜群の強さを見せ、闘志むき出しの球際の激しさが持ち味。今大会も5試合すべてに先発しながら、犯した反則は四つにとどまり、警告もなし。DFとしての能力の高さを証明している。
最近はスピードの衰えを指摘する声もあるが、バルセロナでもコンビを組むピケを従えて安定感は揺るぎない。劣勢の時間帯に見せる、強烈なタックルは味方を鼓舞する意味も持つ。華麗なパスワークを織りなす攻撃陣を、GKカシリャスらとともに裏方として支えている。
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7月11日現在