密度の濃い前半の30分だった。ブラジル相手にここまで果敢に攻め、実際に主導権を握ったチームはチリを除いて見当たらなかった。相手の攻撃力を恐れて引くのではなく、攻撃は最大の防御を貫いた。
それも無謀だったわけではない。チリのビエルサ監督は、オランダのトータルフットボールの影響を色濃く受けた人。惜しみない運動量と高速のパス回し、そして球際の闘争心。DF2人を残した攻めが王国を慌てさせた。しかし、CKから先制点をねじ込まれて形勢は逆転する。強豪に臨むヒントとサッカーの非情さを詰め込んだ30分だった。(編集委員・潮智史)
![]() オランダ |
0 | ― | 1 |
![]() スペイン |
7月11日現在