■メディア空間考　宮崎陽介　先日、中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」を、講談で37年語り続けている神田香織さんを取材した。ゲンの目から見た戦争や被爆体験を、各地のホールなどに赴いて生々しく伝える。ときにゲンの一人称で、またナレーターの三人称…

中国、インドネシア、ベトナム――。この30年、主にアジア諸国から多くの若者が技能実習生として来日し、工場や農家などで働いてきた。一方で人権上の課題も指摘され続け、ついに今夏、政府は制度解消を表明した。長年、現場で制度運営にも携わってきた国際…

原爆を投下した米国の責任を問い続け、核兵器の廃絶につなげていく――。これが被爆者の揺るがぬ姿勢だ。その訴えをしっかりと受け止め、核廃絶への道筋をともに探ることは、被爆地の自治体の責務である。責任論を棚上げするのではなく、逆に議論を深めていく…

国費で給与が賄われる国会議員の公設秘書は、法律で兼職を禁じられている。議員本人が職務に支障がないと許可すれば、認められるものの、地方議員が兼ねることは、税金の二重取りと見られても仕方あるまい。国民の納得の得られるルールを、与野党でともにつく…

リビアとは、古くはアフリカ北部を広く指す言葉だった。そして一帯は旧約聖書「創世記」の伝説の舞台でもある。愚かな人間によって、世界が悪で満ちてしまったと後悔した神は、恐ろしい決断をする。洪水で地上を一掃しよう、と▼ノアの一家だけには、寸法指定…