朝日 地球会議2018特別協賛企業・団体による 特別講演・登壇

朝日 地球会議2018 特別協賛企業・団体による 特別講演・登壇 広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

パネル討論
「本格化する日本のESG投資とSDGs経営」
藤井 剛
モニター デロイト ジャパンリーダー
デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員 パートナー

SDGsが問いかけるのは、これまでのビジネスの持続可能性

経営コンサルタントとして、企業の方々と意見交換をしているなかで、ここ一年位で急激に、ESG投資やSDGsに関する話題が増えていると実感しています。そこで、経営という観点から、こうした話題について、どのような点がポイントになるのかをお伝えしたいと思います。

冷戦後、国連は、貧困削減と持続可能な開発という二つの大きな話題について、グローバルな取り組みを行ってきました。そしてこの二つが交わる形でSDGsが世界に公示されました。17項目にわたる幅広い分野で、先進国の社会課題もカバーしています。昨今の台風をはじめとする異常気象や、世界的な政情不安、そして、分断社会やテロといった問題に至るまで、私たちが日頃新聞を読んだり、生活をするなかで感じている「このままではまずい」という感覚を食い止めようとしているのがSDGsです。

「SDGsは宝の山」であると、事業機会の側面ばかりが過度に喧伝された時期があり、企業の側にも、機会であるなら投資しようと表面的な取り組みを行う傾向がありました。実際、世界経済フォーラムは、SDGsを達成することによって、年間12兆ドルの事業機会開拓、3億8000万人の雇用創出が可能になると紹介しています。ただしこれには、企業は市場シェアや株価の追求に投じているのと同等のエネルギーを社会と環境のサステナビリティ実現に投入する必要があるという但し書きがあります。そして、多くの企業がビジネスモデルの変革に踏み出さなければ、不確実性と持続不可能な開発によるコストが増大し、いずれビジネスが不可能な世界が訪れると、警告しています。

SDGsには、SDGsがもたらす事業機会という「攻め」の側面、SDGsにより強まるステークホルダーからの監視・要求という「守り」の側面がありますが、「土台」的視点が見過ごされがちです。そもそもSDGsは、これまでのビジネスモデルが持続可能ではないと、問いかけていることを忘れてなりません。

企業だけではなくステークホルダーの存在が鍵を握る

多くの企業が、IR資料や広報資料において、SDGsへの取り組みをアピールしていますが、ビジネスへの本質的問いかけ、戦略的打ち手、組織の在り方などにまで理解は深まっていません。その背景には、企業の「コーチ」になりうる外部のステークホルダーの成熟度が、欧米とは異なる点に留意が必要です。特に欧州では、資本市場でのESG投資が盛り上がっていますが、政府や消費者、NGOなどが声をあげることで企業が学習する機会を与えられています。日本はまだそこまで到達していません。そのため、ステークホルダーひとり一人が議論し問題提起することで、企業に早く気づいてもらう必要があります。早く気づけばチャンスになります。

社会課題が経営課題として顕著化する過程には4つの段階があります。最初のステージは、まだ社会的に課題が喚起されていない段階です。次の段階になると、NGOによる課題喚起・企業批判により社会的に注目が集まります。さらに次の段階では、企業が果たすべき責務として評価機関のインデックス化に組み入れられ、法令化されます。そして最後の段階では、企業が当たり前に取り組むことが求められ、違反した際には不祥事・犯罪とみなされます。この流れの中で、Stage3から4のように、やらねばならないということになれば、日本の企業は確実に取り組んでいきます。日本の企業の特徴は、納得するまでは時間がかかりますが、一度納得すると素早く動くことです。

しかし、そこに至るまでに、これから何が問題になるのかということにアンテナを張り巡らせるのが大変困難で、これが経営上の課題となっています。経営上のインプットとなるような、外部環境の変化をいかに捕捉しているかが重要なのです。そのため、企業の中だけではなく、日本全体をあげてSDGsに取り組む必要があるのです。

朝日地球会議 環境 その先へ 接続可能な社会の実現 The Environment and Beyond~Towards a Sustainable Society 公式サイトはこちら