コウケンテツの“名作ごはん劇場”
人が決意し成長する瞬間は美しい
『SLAM DUNK』(集英社刊)と『THE FIRST SLAM DUNK』(映画公開中)より
コウさんが、こころを動かされた映画や舞台、アート、文学を、“食”の視点で描く随筆。
「独断、妄想的タラレバ視点。ご一読を!」(コウさん)
日本の漫画、アニメ界に革命を起こし、日本に新たなバスケットボールカルチャーを興し、映画『THE FIRST SLAM DUNK』によって、アジアを筆頭に全世界を熱狂の渦に巻き込んでいる、漫画、アニメというジャンルを超えた伝説の名作。
それが井上雄彦先生による『SLAM DUNK』だ。
なぜこの名作に人々はかくも激しく心を揺さぶられるのだろう。スラム(スラダンとも言う)を読むと、胸が熱く熱く燃えたぎる。なんだかじっとしていられなくなる。今こそ自分の道に進むべきだと応援してくれているような気持ちになる。
インターハイ神奈川県大会決勝リーグ予戦、王者・海南大附属戦。負傷退場してしまったキャプテン赤木の、この試合にかける熱い想いを意図せず知ることになる主人公、桜木花道。
単行本13巻38ページ。思わず立ち尽くす花道の表情。
安西先生の「あきらめたらそこで試合終了だよ」
三井寿の「安西先生…!! バスケがしたいです……」
木暮くんの3P。仙道率いる陵南との死闘。全国大会山王戦。
そして、花道と流川のまさかの!!
などなど、あまり多くの名シーンが存在する、この長く、果てしなく深い作品の一番好きなシーンだ。
赤木を、そして自らを鼓舞するように“打倒海南!”と叫ぶ桜木花道。この瞬間から彼の何かが変わる。人が何か(誰か)に大きく気持ちを揺り動かされ、決意し、成長する瞬間は本当に美しい。
登場する全てのキャラクターが魅力的で、全てのシーンに感情移入してしまう、井上先生のバスケ愛と人類愛に満ちた不朽の名作『SLAM DUNK』。
まだ読んでないよ〜、という方がいらっしゃいましたら、是非お読みください。たとえバスケットボールに興味がなかったとしても、あなたの人生に情熱という彩りをプラスしてくれること間違いなし!
今回のレシピは花道感涙、みんな大好き「晴子さんの焼きうどん」だよ。酷暑が続く中、このシンプルな焼きうどんでパワーチャージしてね。
晴子さんの焼きうどん
材料(2人分)
- 冷凍うどん(お好きなもの)…2玉
- 豚バラ薄切り肉…100g
- 玉ねぎ…1/2個
- キャベツ…100gほど
- ソース(お好きなもの)…大さじ1と1/2
- しょうゆ…大さじ1と1/2
- 砂糖…小さじ1/2
- 塩、サラダ油、かつお節、青のり、紅生姜…各適宜
作り方
- 冷凍うどんは電子レンジで解凍しておく。
- 玉ねぎは1cm幅のくし形切りにし、キャベツはざく切りにして水洗いして、水気をしっかりきっておく。
- フライパンにサラダ油を熱し、豚バラ薄切り肉、2の玉ねぎを入れて炒める。肉の色が変わったら、2のキャベツを加え、軽く塩をして、全体を炒め合わせて、いったん取り出しておく。
- 同じフライパンにサラダ油を熱し、1のうどんを炒める。ソース、しょうゆ、砂糖を加えてしっかり味を吸わせながら炒める。3、かつお節を加えて全体を混ぜる。味をみて、しょうゆで味を調える。
- 器に盛り、好みで、紅生姜を添え、青のりを散らす。
(文・写真・料理=コウケンテツ)
コウケンテツ さん

コウ・ケンテツ 1974年、大阪生まれ。料理研究家。世界30カ国以上を旅して料理を学んだ経験を持つ。3児の父として親子の食育活動に奮闘中。『アジアの台所に立つとすべてがゆるされる気がした』他著書多数。料理家ユーチューバーとしても活躍中。