「みなさん、こんにちは」と、スクリーンに映し出された先生に元気にあいさつする子どもたち。緊急事態宣言中のため、授業は静岡県の研究所からのリモートとなった。
「今日は、地球環境に配慮しながら夏は涼しく冬は暖かく暮らす工夫を、実験を交えながら勉強したいと思います」と先生は話し、手始めにサーモカメラを使って、温度を色分けで可視化できることを子どもたちに教えた。
「地球温暖化という言葉を知っていますか。地球はどんどん暖かくなり、自然や日々の暮らしに影響が出てきています。原因は、温室効果ガスが増えて宇宙に熱が放出されずに地球に残ってしまっているためだと考えられています。温室効果ガスで多いのが二酸化炭素(CO2)です」と先生は言い、「おうちでもできるだけCO2を出さないように、無駄なく使うことが大切です」と訴えた。
次は夏の暮らしに役立つすだれの実験。温度計をつけた小型の家の模型を用意し、一つは「何もつけない」、もう一つは「窓の外にすだれをかけた」状態にして、太陽に見立てた白熱灯をしばらく当てて家の中の温度を測る。さらに、「窓の外にすだれをかけた」場合と、「家の中にすだれをかけた」場合でも温度差を計測した。
実験の結果は、すだれを「かけない家」と「かけた家」ではかけない家が中の温度が4.5度高く、すだれを「中にかけた家」と「外にかけた家」では中にかけた家が3度高かった。窓の外にすだれをかけると太陽光(熱)を一番さえぎることができたという結果だ。「太陽光によってすだれも温められますが、外側にかければその熱は外に逃げていくため、そのぶん室内の温度を上げません」



「次は冬に家の中で暖かく過ごす方法です」と、先生は窓だけが赤くなっているサーモカメラで撮った家の外観を見せた。「温度が高いと赤くなるので、窓から熱が逃げていることがわかります」
子どもたちには、金属と木の板を触ってもらい、どちらが冷たく感じるか聞いた。ほぼ全員が金属の方が冷たく感じたと答えた。「実は金属も木も温度は同じ」と先生が言うと、子どもたちは一斉に「えーっ」と驚く。金属は熱伝導しやすく、手の熱を奪うため冷たく感じると先生は教えた。さらにサーモカメラを使い、靴よりも靴下でいる方が床から足の温度が奪われやすいことも立証した。このことから、冬は人や家から熱が逃げないように服を多めに着てスリッパを履いたり、夜はカーテンを閉めて床にはカーペットを敷いたりすることがエコにつながると説明した。
「旭化成でも環境にやさしい住宅を目指し開発していますが、みんなで冷暖房の使用回数を減らす工夫も必要です。そして何より、楽しく続けることが大事だと思っています」。話をする先生をスクリーン越しに見ながら、子どもたちも大きくうなずいていた。
今日は実験もあり、環境問題について実践的に学ぶ良い機会になりました。3学期は「環境問題に対して自分たちは何ができるのか」を考える課題に移るところでしたので、暮らし方の工夫などは良いアイデアになると思います。
この出張授業は感染予防対策を講じた上で開催しました。集合写真の撮影時のみマスクをはずしています。
旭化成が開発・普及に取り組むZEH(ゼロエネルギー住宅)も紹介。ZEHとは建物の高断熱化と高効率設備での省エネと、太陽光発電などの創エネを取り入れながら年間のエネルギー収支ゼロを目指す住宅のこと。日本では家庭からの二酸化炭素排出量が増え続けており、ZEHを増やすことは地球温暖化対策の一つとして重要なのです。