冷えたビール類がおいしい季節。スーパーやコンビニのお酒の棚で、ひときわ目立つのが真紅のパッケージだ。キリンビールの「本麒麟」は、店頭だけではなく、マーケットにも大きなインパクトを与えている。
なにしろ、発売たった2年で出荷実績は累計10億本(350ml缶換算)を突破。消費税増税や新型コロナウイルスの影響をもろともせず、発売2年目以降、前年同月の売り上げを超え続けているのだ。国内外のビアコンテストでも金賞5冠(※1)を受賞し、新ジャンル市場をけん引している。
2020年の販売目標を10%も上方修正し前年比136%にするなど、ますます絶好調の「本麒麟」。その好調の理由を紐解く。
※1 インターナショナル・ビアカップ2018年*「フリースタイルライトラガー部門」金賞、モンドセレクション2019年*「ビール、水&ノンアルコール飲料部門」金賞、メルボルンインターナショナルビアコンペティション2019年*「インターナショナルスタイルラガー部門」金賞、ジャパン・フード・セレクション第34回(2020年)金賞、ベルリンインターナショナルビアコンペティション2020年「インターナショナルスタイルラガー部門」金賞。*リニューアル前の商品で受賞しています。(2019年、2020年にリニューアル)
コロナ禍にあっても前年を上回る売れ行きを記録
2018年3月に発売された「本麒麟」は、20年3月に累計出荷本数10億本(350ml缶換算)を達成。発売2年目からは、全ての月で前年を上回り、19年の販売は前年比約6割強だった。
「本麒麟」の勢いは、衰えるどころか増す一方で、今年5月の出荷本数は前年同月比145%を記録。6月には12億本を突破し、好調を維持している。
緊急事態宣言下にあったにもかかわらず、「本麒麟」が好調を持続しているのはなぜか。
その背景には、家飲みの増加などに伴って「安くてもおいしいものが飲みたい」というニーズの高まりがある。同社が全国で1万3255人を対象に行った調査によると、8%の人が4月に入って「新ジャンルを飲むようになった」と回答。その理由として「安くておいしいものであれば満足だから」「飲みごたえがあり、おいしいものが増えた」などが挙げられている。
その価格のみならず「本麒麟」の味覚への評価は、このような消費者ニーズに合致していたと考えられる。
世界の審査員にも認められた「金賞5冠(※1)」
国内で大ヒットを続ける「本麒麟」の本格的なうまさは、海外のプロフェッショナルからも認められている。その証が、国内外のコンテストでの「金賞5冠」。これらの審査には、食品の品質を見定める専門家や、現場でビールを取り扱うレストラン責任者やバイヤーなどが携わり、「本麒麟」に高い評価を与えたのだ。
本麒麟が受賞した5つの金賞
★インターナショナル・ビアカップ
2018年*「フリースタイルライトラガー部門」金賞
(世界5大ビール審査会の一つ。全世界のビールを対象に審査を行う、歴史と権威のあるビールコンテスト)
★モンドセレクション
2019年*「ビール、水&ノンアルコール飲料部門」金賞
(1961年にベルギーに設立。消費者製品を約80名の専門家が、科学的かつ国際規約による基準で評価する)
★メルボルンインターナショナルビアコンペティション
2019年*「インターナショナルスタイルラガー部門」金賞
(全世界のビールを対象とした豪州のビールコンペティション。実際にビールを取り扱うプロが審査を行う)
★ジャパン・フード・セレクション
2020年(第34回)金賞
(日本初の食品・食材評価制度。100のチェック項目を元に、フードアナリスト資格者が合計5回にわたり評価)
★ベルリンインターナショナルビアコンペティション
2020年「インターナショナルスタイルラガー部門」金賞
(ドイツで開かれ、多数の国と地域から出品される国際的ビールコンペティションで、ビールを扱うプロが審査)
*リニューアル前の商品で受賞しています。(2019年、2020年にリニューアル)
世界5大ビール審査会の一つ「インターナショナル・ビアカップ」では、新ジャンルとして初の金賞を受賞(※2)。さらに言えることは、海外のビアコンテストでは、ビールや発泡酒などの区分けがないことだ。「本麒麟」のおいしさはジャンルの枠を超えて、海外でも評価されている。
※2 日本国内ブルワリーで醸造された「リキュール(発泡性)①」「その他醸造酒(発泡性)①」のビール類では初の金賞受賞
好調を支える「本格的なおいしさ」へのこだわり

ここまでは、市場動向や実績などのファクトに基づいて「本麒麟」の好調の理由を検証してきた。それらを支えるのはもちろん、妥協を許さない「本格的なおいしさ」の追求だ。
長期低温熟成(※3)などの技術を駆使し、力強いコクと飲みごたえにこだわり続ける「本麒麟」は、本格的な味を求める人々から選ばれてきた。2020年にも、麦由来のうまみやコク、鼻に抜ける麦の香りなどを強化し、その味わいをさらに進化させている。
2020年3月に同社が行った調査は、おいしさの進化が消費者に支持されていることを裏付ける。「本麒麟」をリニューアル後1カ月以内に飲んだ理由を聞いたところ、「おいしそうだったから」という人が40%と最も多く、続いて「以前飲んでおいしかったから」が35%。おいしさへの評価が高く、「価格が安かったから」などの理由を上回っていたのだ。
味の進化を担当する開発者の大橋優隆さんは「細部に至るまでこだわって妥協をせずに、全力で仕上げています。お客様がどんなうまさを求めているのかを理解しながら、嗜(し)好の変化についていくだけでなく、半歩先を見ることが大事かなと思っています」と話している。
おいしさは時代とともに変わり、正解はないのかもしれない。だが、好調にあぐらをかくことなく、時代が求めているうまさと向き合い続ける「本麒麟」の姿勢は、消費者のブランドへの信頼を揺るぎないものにしている。
※3 キリンビール社主要新ジャンル比
時代に選ばれ続けるブランドへ
キリンビールは今月6日、2020年の「本麒麟」の販売目標を年初目標の約1,900万ケースから、前年比約136%となる約2,050万ケースへ上方修正すると発表した。直近6月のビール類市場(キリンビール推計)は、前年比95%程度に対し、同社は前年比105%と堅調。市場を上回る原動力となったブランドの一つである「本麒麟」は、今後も好調が続くと予測される。
今年10月には酒税法改正の第1弾が控えている。ビールや発泡酒は減税となるが、新ジャンルは増税になるため、「本麒麟」にとっては向かい風だ。それでも上方修正をしたのは、コロナ禍に伴い節約志向が高まっても品質(おいしさ)で選ばれてきた、「本麒麟」ブランドへの自信を示すものといえるだろう。
キリンビールの布施孝之社長は、今月9日の会見で「下半期は酒税法改正もあるが、コロナで加速した「節約志向」などの消費トレンド変化の方が強く効いてくるのではないか。お客様が求める質の高い、良い物を提供するために『ビールに近いうまさと本格感』を兼ね備えた『本麒麟』に投資をしっかり行う」とコメントしている。
コロナ後に社会や価値観が変化しても、“本物”は時代の変化に対応しながら、時代に選ばれていくだろう。たとえば、外出自粛の影響で普及した「オンライン飲み会」。小さな画面の中でも“映える”鮮やかなパッケージの「本麒麟」は、場を華やかにしてくれそうだ。
冷やしたグラスに注ぐとさらにおいしいが、缶のままで飲んでもおいしい「本麒麟」。これからの季節は、ぜひ冷蔵庫にストックしておきたい。
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