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繋ぎ、創る、江戸の粋。 職人魂が宿る、江戸黒染めデニムを求めて―ー
文・松山猛

まつやま・たけし/1946年、京都府生まれ。作詞家、作家、編集者など多彩な顔をもつ。代表作に、ザ・フォーク・クルセダーズの『帰って来たヨッパライ』やサディスティック・ミカ・バンドの『タイムマシンにおねがい』(ともに作詞)、映画『パッチギ!』の原案となった『少年Mのイムジン河』(著作)などがある。時計やファッション、伝統文化にも造詣が深い。

江戸黒染めと呼ばれるデニム地を用いた、
シャツジャケットが作られている現場を見に
広島・岡山の地に出かけた。

まずは素材の木綿の糸を、
ロープ染めという技法で、染めていくのだが、
繰り返し染液にくぐらせることにより、
糸はより濃く染め上げられていくのだった。

彼らが理想としているのは、江戸時代の
火消し装束や道中着の漆黒に近い藍染めで、
今でもその濃い藍色の出し方は
解明されていないのだと聞いた。

日本人にとって古来親しまれてきた藍染めだが、
それと同じように実用的で丈夫な布を
作っていたのが、南フランスのニームという街だ。
そうセルジュ・ド・ニームという木綿の綾織りこそ、
デニムの元祖といわれる布で、僕もその街に
ジーンズのルーツを調べに出かけたことがあったのを、
このたびの広島・岡山への旅で思い出した。

地中海に面したカマルグの湿地帯で、
野生の白い馬や、牛を追うガルディアンたちは、
まさにカウボーイの原形なのだった。

江戸時代の職人たちの着た法被(はっぴ)や、
様々な濃さに染めた藍染めの糸で織った、
縞柄や格子柄はなかなか粋なもので、
お洒落な男たちはその着こなしを
楽しんでいたことだろう。

そんな江戸の粋が今の時代の
シャツジャケットとなって甦(よみがえ)った。
鯔背(いなせ)な柄の裏地がポケットや、
袖の裏地に用いられたこのシャツジャケットは、
これからの初秋のころに羽織ってみたくなる、
ちょっとしたお出かけ着として重宝するに違いない。

REPORT

繋ぎ、創る、江戸の粋。 江戸黒染めデニムを求めて──
Photograph: Hiroyuki Matsuzaki
Illustration: Michiharu Saotome
Text: Satoshi Miyashita
Direction: AERA STYLE MAGAZINE
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“江戸黒染めデニム”の真価は、
ライトアップショッピングクラブで。