この文は偽である嘘つきのパラドックス

エピメニデス【 紀元前600年頃 】

エピメニデスの話を「私は嘘を言っている」という形に単純化し、パラドックスとして論じたのは、紀元前4世紀のミレトスのエウブリデスである。ゲーデルは「この命題は証明可能でない」という命題を構成して第一不完全性定理を証明した。

問1「この文は真である」は真か?

「この文は真である」は真としても、偽としても矛盾を生じないので、それが真だとは言えない。「この文は偽である」は真としても、偽としても矛盾を生じることと、比較されたい。

問2「この文は8文字だ」の否定文を考えよ。

Aを「この文は文字だ」という文とすると、Aは真である。そして、その否定文 Bが「この文は文字でない」であるとすると、これも真になり、矛盾(二律背反)である。じつは、ABで「この文」の内容が変わっているから、BAの否定ではない。Aの否定は「「この文は文字だ」は偽だ」あるいは「Aでない」などとすればよい。同様な例として「この文は「る」で終わる」などもある。各自でもっと探してみよう。