2019 12. 10

AKASAKA DRIVENS

初年度チャンピオンチーム


論理を突き詰め連覇を狙う

赤坂ドリブンズ
丸山奏子さん 村上淳さん
鈴木たろうさん 園田賢さん 
(画像左→右)

Mリーグの初年度、優勝を飾ったのは「赤坂ドリブンズ」だった。オーナーは博報堂DYメディアパートナーズ。チャンピオンチームの監督を務める同社コンテンツビジネス室の越山剛さんに、Mリーグ参戦の経緯と今後の展望について聞いた。

「見る雀」の広がりに期待


新しい面白さを発信したい

——Mリーグに参入した経緯を教えてください。

麻雀は、プレイヤーはとても多いもののビジネス領域としては未開発、という稀有なコンテンツです。Mリーグは元々、サイバーエージェントの藤田晋さんの情熱と、ビジネスとしてのビジョンとがマッチングして誕生しました。

その思いは私たちも同じで、人生100年時代といわれる中で麻雀教室や健康麻雀を楽しまれるご年配の方、ネットで対局を楽しまれる若い方が増えて、麻雀の人気が高まって来ています。eスポーツのように新しい市場を作っていける可能性も踏まえ、一も二もなくご一緒させて頂きました。

麻雀の特徴は、「見る人」と「プレイする人」がほぼ同一なこと。対極にあるのはフィギュアスケートやF1で、ファンは多いですが、実際にその競技をプレイできる人はほとんどいませんよね。麻雀はしようと思えば誰でも気軽にできます。

一方で、Mリーグ機構のアンケート調査によると、麻雀をやらない人もMリーグを視聴しており、「見る雀」という文化ができつつあります。見るだけの人が実際にプレイするようになったり、プレイするだけだった人がMリーグを見るようになったりすれば、ビジネスとしての伸びしろは大きいと考えています。

——「見る雀」のどういった部分が魅力的なのでしょう?

関与度が高いところですね。例えば他の球技だと、得失点に関与しない時間帯が結構長いことがあります。例えば野球で言えば投球間隔の間、サッカーでいえば自陣でボールを回している間。一方麻雀は、一巡ごとにドラ(得点が高くなる懸賞牌)が重なったり、欲しい牌が相手に入ってしまったり、一喜一憂できる瞬間がずっと連なっています。見るスポーツコンテンツとしてとても優秀だと思います。

やはり、新しいものにチャレンジすることは広告会社にとって重要なことです。世の中に新しいエンターテイメントを提供し、その先をイメージしていきたいと考えています。

——初年度のチャンピオンチームとして、2019シーズンで掲げている目標は?

目標は「優勝」です。これは常に変わらない目標です。勝利とそこに至る優れた過程こそが麻雀における最高のエンターテイメントだと私たちは考えています。ただ、目標とは別に目的があります。目的は何かというと「麻雀がすごく面白いゲームだというメッセージを発信すること」だと思うんです。そうして、麻雀を見る人、プレイする人が増えることこそが我々の存在意義です。

そのために選手は、技術を駆使して勝ちます。そして、その過程が大事です。「正解よりも別解」をスローガンに掲げる博報堂同様、ドリブンズも常に別解を求めていきたい。麻雀にもいわゆるセオリー的なものが多数存在するのですが、私たちはその過去の正解を常に疑い、考えてプレイしています。別解は未来に、そして無限にある。麻雀の世界でも、常に「もっと新しく異なるやり方があるんじゃないか」と探し続け、その過程を届けていくことで、麻雀の可能性、新たな楽しみを提供し、ファンの方を増やしていけたらと思っています。

——Mリーグにかける思いをお聞かせ下さい。

Mリーグの構想を初めて聞いたのは2017年の12月頃でした。そこから立ち上げの準備を始め、2018年10月にMリーグがスタートしています。つまり、1年経っていません。藤田チェアマンを筆頭に、Mリーグ機構のスタッフの皆さんがなし遂げたことは、インフラの整備、人材育成も含めて、とても考えられないスピード感で、ものすごいことだと思います。

麻雀をスポーツであると定義したことで、プロ野球やJリーグと比べられることもありますが、これらは何十年かかって今の姿があります。甘えるわけではないですが、期待しつつまだ待って欲しい面も当然あります。Mリーグにかかわるみんなで頑張っていくし、いかなきゃいけない。それは他のチームも含めて、創始者たちの責務だと思っています。


ドリブンズは「勝利と育成」を今期のテーマに掲げる。メンバーは魔法のような多彩な技が光る園田賢選手、高い手を仕上げ「リーチ超人」とも呼ばれる村上淳選手、予測もつかない選択でアガリに結びつけ「ゼウス」という異名を持つ鈴木たろう選手。そして2019年のドラフト会議で指名された新星、丸山奏子選手の4人だ。連覇を狙う4選手に話を聞いた。

合理的に考え選択を続ける


固定観念には縛られない

——Mリーグという新しい舞台の印象を教えてください。

園田 優勝チームに5000万円、準優勝2000万円、3位1000万円という、賞金も今までにないものすごく大きなステージですね。中でも一番すごいと感じるのは、野球やサッカー同様、ファンの方の推しチームがはっきり存在するスポーツになってきたことです。メジャーなスポーツと同じステージを目指して、麻雀が歩み出していることを実感しています。

村上 これまでは個人としてプロ活動を続けてきましたが、企業と契約し年棒をいただくわけですから、選んで頂いた対価を返さなければいけない。そういった責任感が大きくなった1年間だったと思います。

鈴木 麻雀というコンテンツが、公に世の中に出た感がありました。「見る雀」という文化も定着してきています。麻雀のいたるところにあるドラマ性や興奮を多くの方と共に味わうことができ、改めて「麻雀っておもしろいな」と思いましたね。

丸山 私はもともとスポーツ観戦が好きなのですが、大きな声で声援を送れる麻雀のパブリックビューイングは斬新でした。Mリーグをきっかけに、麻雀をやってみたいと思う人が増えてきていると感じる機会も多くありました。

——ドリブンズの特長や、見て欲しいポイントを教えてください。

園田 麻雀を論理的に考えて、頭脳スポーツとして追求しているチームです。常に全ての要素をとりいれて考え、その瞬間に最適な一打を判断し、選択しています。練習の質・量ともに高いレベルだという自信があり、突き詰めて考えていく力も4人全員に備わっています。

村上 対局中の発声ですね。私は「発声がいい」と言われることが多いのですが、麻雀における発声は、自分の意思を相手に伝える大事な手段です。自分が言ったかどうかではなく、相手が確認できたかが大事であり、そのためには「伝えよう」と意識することが大切だと思っています。
また、麻雀は3人の相手がいて初めて成り立つゲームなので、同卓者には常に敬意を払っています。

鈴木 初めて見る方には、「麻雀って自由だな」と感じて欲しいですね。麻雀に慣れてくると、「こうあるべきだ」「こう打つべきだ」と考えがかたまっていくこともありますが、ドリブンズは固定観念に囚われない自由な麻雀をモットーにしています。自由だからこそ味があり、知れば知るほどその味が感じられる麻雀なのです。

丸山 今私は3人の先輩から学ぶ段階なので、いちばん視聴者の皆様に近い立場だと思っています。ドリブンズが一番すごいのは、ギリギリのところをすり抜けて攻めていくところや選択精度の高さ、粘り強い姿勢ですね。

——麻雀を打ってきたことで、身についたことはありますか?

園田 論理的思考力と合理的な考え方ですね。めったに起こらない失敗でも、失敗1回のマイナス印象が大きいと、その失敗がよく起こると勘違いしてしまう「マーフィーの法則」は、麻雀にも当てはまります。実際の頻度と印象の大きさとを切り分け、正しく把握してバランスを構築したい、と考え続けて打ってきました。

村上 プロ入りして20年以上、麻雀中心の生活で、心の支えとなっています。4人で競うゲームなので、1着になれない確率の方が高い。タイトル戦では1人の勝者しか称えられないので、悲しい思いをすることの方が多く、精神力が身についたと思います。

鈴木 リスクマネジメントです。対局中は常にリスクとリターンを考えて、自分が負ってもいい適性リスクを測っています。リスク管理能力を身につけられる優秀なゲームだと思っています。

丸山 麻雀は、いろんなコミュニティが広がっていくきっかけになると実感しています。私は大学時代に出会い、麻雀を通して友達が増えて、就職した会社でもコミュニケーションツールになりました。麻雀がきっかけで人生が決まってきたなあと感じています。

——これから麻雀を始めてみたい方へのメッセージをお願いします。

園田 チームの公式ツイッターとは別に、「Drivens Academy(ドリブンズアカデミー)」というツイッターアカウントを持っています。ここでは、Mリーグの試合中、選手の意図をリアルタイムで解説しているので、どういう思考で戦っているのかがわかります。番組解説と合わせ、ぜひこのツイッターも見ながら試合を楽しんで頂ければと思います。

村上 麻雀の強さを追求しているストイックな姿勢や、麻雀道を極めようとしている姿を見て頂けると嬉しいです。

鈴木 自由で縛られない麻雀を楽しんでほしいですね。

丸山 私自身、麻雀を覚えた当初は「アガれたら楽しい」「こういうことが出来るようになれたから楽しい」と日々感じていました。これから麻雀を始める方にとっては、私は最も近い存在だと思います。ドリブンズの先輩に麻雀を教えていただく中で成長し、その過程をファンの皆様にお伝えできればと思っています。

(文・福山純生)

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