2020 07. 31

CHAMPIONS

「Mリーグが世の中を


元気にしていけるように


素晴らしいものにしていきたい」

U-NEXT Pirates

“この熱狂を外へ”をスローガンに、2019年9月30日に開幕した麻雀プロリーグ「Mリーグ」。全8チームが参加し、レギュラーシーズン90試合、セミファイナル16試合、ファイナル12試合、計118試合の激闘を繰り広げた。

2020年6月23日に最終戦を迎えた「Mリーグ2019 朝日新聞ファイナルシリーズ」を制したのは、U-NEXT Pirates。昨期のレギュラーシーズン敗退から、今期は大逆転で初優勝を飾り雪辱を果たした。

動画配信サービス「U-NEXT」を提供する株式会社U-NEXTがオーナーを務めるU-NEXT Pirates。

昨期からのメンバーである小林剛、朝倉康心、石橋伸洋の3選手は、世界中に愛好者を持つオンライン麻雀ゲーム「天鳳」の年間リーグ「天鳳名人戦」で優勝経験を持つ。さらに今期からは「麻雀対局番組を見ておもしろそう」と思ったことがきっかけで麻雀を始めた2児の母でもある瑞原明奈が新規加入。チームの武器である「ひとつでも上の着順を取るための技と緻密さ」を4人で研鑽し、磨き上げてきた。

最終戦までもつれた激闘を制したキャプテン小林の元には、目頭を熱くしたチームメイト達が駆け寄った。「夢みたいな気持ちです」という瑞原に対し、小林は「みんなで練習してきた結果が出せてよかった」と安堵の笑みをこぼし、4人全員で優勝プレートを高らかに掲げた。

同日行われた閉幕式には、全8チームの選手たちが顔を揃えた。Mリーグチェアマン・藤田晋氏は「確実にこの熱狂が外に広がっているような手応えを感じられました。Mリーグに熱狂していた日々が素晴らしいかけがえのないもの。Mリーグが世の中を元気にしていけるように素晴らしいものにしていきたい」と総括した。

2022年に行われる北京冬季オリンピック競技の室内競技正式種目化を目指し「麻雀に対する負のイメージの払拭」「麻雀による世代間交流の促進と社会発展への貢献」「麻雀を通じた国際交流親善への寄与」を理念に掲げているMリーグ。

2020シーズンは今秋10月に開幕する。

準優勝はセガサミーグループがオーナーを務めるセガサミーフェニックス。魚谷侑未が個人MVP&最高スコアの二冠、近藤誠一が4着回避率首位と個人賞を総なめした(写真左から和久津晶、近藤誠一、魚谷侑未、茅森早香)

2年連続ファイナル3位。株式会社サイバーエージェントがオーナーを務める渋谷ABEMAS。チーム監督はMリーグチェアマンでもある藤田晋氏が務める(写真左から松本吉弘、多井隆晴、日向藍子、白鳥翔)

ファイナル4位。今期から新規参戦した株式会社KADOKAWA率いるKADOKAWAサクラナイツ。ファイナル首位通過という堂々たる戦いぶりだった(写真左から内川幸太郎、岡田紗佳、沢崎誠)

セミファイナル5位。株式会社コナミアミューズメントのKONAMI麻雀格闘倶楽部(写真左から前原雄大、高宮まり、佐々木寿人、藤崎智)

セミファイナル6位。株式会社電通によるTEAM RAIDEN/雷電(写真左から萩原聖人、瀬戸熊直樹。※黒沢咲は産休のため閉会式は欠席)

レギュラーシーズン7位。株式会社博報堂DYメディアパートナーズ率いる初年度覇者の赤坂ドリブンズ(写真左から村上淳、丸山奏子、園田賢、鈴木たろう)

レギュラーシーズン8位。株式会社テレビ朝日による初年度準優勝のEX風林火山(写真左から勝又健志、二階堂亜樹、滝沢和典)

Mリーグチェアマン・藤田晋氏(左)とMリーグ最高顧問・川淵三郎氏(右)

祝・初優勝! U-NEXT Pirates


祝・初優勝!

U-NEXT Pirates

監督&4選手インタビュー

当初は2020年4月13日から開催されるはずだった「Mリーグ2019 朝日新聞ファイナルシリーズ」。しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する緊急事態宣言を受け、Mリーグ機構は延期を決定。最終日のパブリックビューイングも中止を余儀なくされた。

実戦練習する場も確保できず、コンディションの維持すら難しい状況下、6月15日より再開された「Mリーグ2019 朝日新聞ファイナルシリーズ」で悲願の優勝を決めたU-NEXT Pirates。

今期から監督としてチームを率いた木下尚監督と小林剛、朝倉康心、石橋伸洋、瑞原明奈の4選手にインタビューした。

——初優勝までの振り返り、そして勝因は? 

木下 「昨シーズンは悔しい思いをしたので、選手全員今シーズンこそはという気持ちがあったと思います。今シーズンは瑞原選手が新規加入したことで、チームが明るくいい雰囲気にまとまりました。レギュラーシーズン終盤は、私の采配で小林選手と朝倉選手に偏らせてしまった結果、全体のリズムが悪くなってしまいましたが、セミファイナルシリーズ以降は、4選手全員で戦うことを決めていました。結果、ファイナルシリーズは全選手がトップを獲っての逆転優勝。勝因は、采配に応えてくれた選手がすべてだったと思います」

——社内外の反応はどういったものがありましたでしょうか?

木下 「反響は大きかったですね。取引先などからもたくさんのお祝いメッセージが届き、社内ではビジネスチャットでのコメント数がすごかったです。来シーズンもMリーグの熱狂を外へ伝えていくその中心に、U-NEXT Piratesがいられるように頑張ります」

——シーズン中、キャプテンとしてどんなことを心がけていたのでしょうか?

小林 「チーム4人全員の基礎的な雀力を向上させ、考え方をしっかりさせていくことは意識していました。とくに自粛期間中、ネット麻雀でみっちり練習し、牌譜を再生しながら議論できたのがよかったです。お互いにさんざん言い合ったことによって、4人ともだいぶ良くなったと思っています」

——ファイナルでは役満決めてのトップ。スランプ脱出はネット麻雀での練習ということでしたが、リアル麻雀に活きたこととは?

朝倉 「対局のたびに相手の手牌や牌山を検証できることはネット麻雀の最大の利点です。私はその積み重ねのおかげで、リアル麻雀においても、捨て牌から相手の手牌を推測したり、山に残っている可能性の高い牌や低い牌などを推測する精度を高めることができました」

——ファイナル最終日、プレッシャーのかかる試合でトップを取れた要因は?

石橋 「今までの経験と自分のポジティブな性格です。プレッシャーを跳ねのけたというよりも、自分には後がないということを受け入れ、プレッシャーを吸収できたことで、普段通りのパフォーマンスが出せたのだと思います」

——優勝の瞬間、涙されていました。常にワクワク、ときに感動をも生み出すMリーグの視聴者を増やしていくためには?

瑞原 「推しチームと推し選手をぜひみつけてほしいです。応援するチームや人が決まった上で見ると、麻雀を見て楽しむ“観る雀”はもっともっと熱くなれると思います」

——ファンとのつながりはどのように感じられていましたか? また今後はどんな活動をしていきたいですか?

小林 「プロ入り以降、麻雀ファンとのつながりは意識していましたが、Mリーグによってそれが何百倍にも広がった気がしています。でもファンイベント等においては、自分のトーク力不足を認識しているので、今後は勝つことだけでなく伝えることも磨いていきたいと思っています」

朝倉 「パブリックビューイング等では、ファンの皆様とのつながりを強く感じることができました。今後は日本各地、さらには海外のファンの皆様にもお会いできる機会が作れたら嬉しいですね」

石橋 「Twitter等で《♯俺たちのばっしー》というハッシュタグをつけて、親しみを込めて応援してもらえたのは本当に嬉しかったです。パブリックビューイングをはじめ、ファンミーティングを開催することもなかなか難しい状況ですが、オンラインミーティングやネット麻雀での大会、少人数での交流会などを通じて、ファンの皆様との交流は継続していきたいです」※ばっしー=石橋選手のニックネーム

瑞原 「SNSでハッシュタグをつけてサポーターの方々が応援してくれていたこと。直接会える機会のときに頑張ってと声をかけてくれたこと。これらは間違いなく原動力になりました。新型コロナウイルスの影響で、御礼を直接伝えられる機会は少ないのですが、優勝という形で応えられたことが本当に嬉しいです。Mリーグで麻雀を好きになったという方に、気軽に麻雀に触れられる機会を提供できるような活動をしていきたいです」

(文・福山純生)

SHARE

SHARE