広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディア事業本部
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2023年5月28日(日)「アース虫ケアセミナー2023」が、
東京・有楽町朝日ホールで開催されました(オンライン形式でも同時開催)。
地球温暖化やグローバル化が進む現代、蚊やマダニなどが媒介する感染症は喫緊の課題となっています。
本セミナーでは「虫ケア」をテーマに、専門家の先生方による講演と、
参加者から寄せられた疑問に答えるトークセッションが行われました。

川端 克宜(かわばた・かつのり)アース製薬株式会社 代表取締役社長CEO
今回で4年目となる「アース虫ケアセミナー」は、オンラインも含め、2,000名を超える皆様にご参加いただけるとのことで、ありがとうございます。
虫ケア用品を扱う私たちアース製薬では日々多くのお客様から虫ケアに関連するご相談をいただいております。
そこで少しでもお客様のお悩みを解決できればと、このようなセミナーを開催させていただいております。
コロナ禍が少し収まって外出する機会が増え、日本と海外を往来される方も増えてくると、害虫や害虫が持っている病気の存在が気になってきます。それが私たち人間にどのような影響をもたらすのか、本セミナーを通して「正しい知識」を皆さまと共有させていただければと考えています。
五箇 公一(ごか・こういち)先生生物多様性の保全に取り組む生態学者
国立環境研究所 生態リスク評価・対策研究室 室長/保全生態学者
1990年、京都大学大学院修士課程修了。96年、博士号取得。 同年12月から国立環境研究所に転じ、現在は生態リスク評価・対策研究室室長。専門は保全生態学、農薬科学、ダニ学。テレビや新聞などマスコミを通じて環境科学の普及啓発に力を入れている。
地球上では、美しい水や空気をつくる生態系、エネルギーや物質を循環してくれる生態系などが存在することで、人間を含め、生き物が生きていける安定した生物圏が維持されています。この生態系を支えているのが生物多様性です。種の多様性、遺伝子の多様性、生態系の多様性など、生き物の織り成す多様な世界を総じて生物多様性と呼んでいます。この生物多様性を守るということは、生き物が愛らしいから守るという生物主体の概念ではなく、私たち人間が生き残るための人間主体の活動であると理解しなくてはなりません。
その生物多様性が、今危機に陥っており、種がどんどん減ってきているとされます。森林破壊、乱獲、環境汚染、気候変動など人間活動がその原因とされます。昆虫の世界にも同様なことが起きています。数年前に、私の共同研究者が「世界の昆虫類は、このままのペースで数が減少していったら絶滅するかもしれない」という衝撃的な論文を発表しました。ただ昆虫たちも黙って数を減らしているわけではなく、人間に逆襲しています。例えばサバクトビバッタ。アフリカで大群が発生し、西アジアにまで飛来して小麦や綿などを食べました。さらに、このような外来種が船などで日本にやって来ることは現代社会ではありえることです。その代表格が記憶にも新しいヒアリ。原産地は南米ですがコンテナに乗ってやって来ました。グローバル経済という流れがある限り、このようなことがこれからも繰り返されるでしょう。
もともと生物多様性がつくる自然生態系は、食物連鎖の上に行くほど個体数が少ないのですが、人間は80億人という数で生態系のトップに立って生態系全体に大きな負荷を与えています。一方、生態系には40億年の進化の歴史の中で培われたレジリエンス(復元)機能があります。定員オーバーの人間に対して、害虫たちが人の血液や農産物などを狙い、動物の中にいたウイルスがヒト型に変異して襲ってくる。新型コロナウイルスもその一つということになります。生物多様性保全は人間社会を守るための安全保障であるということを肝に銘じておく必要があります。
ダニ学者として警告したいのは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という新しいウイルス感染症です。マダニに噛まれることで感染する病気ですが、西日本から広がり始めています。発見されたばかりのウイルスなので、特効薬もワクチンもなく、感染して発症すると最大30%という高い確率で死に至る非常に怖い病気です。マダニは本来、自然の森の中でシカやイノシシなどの血を吸って生きていたのですが、野生動物たちが人間社会に近づいてきて、ダニやウイルスが都市部の生活圏に簡単に入り込める環境がつくられています。屋外で遊ぶ際は、虫よけ剤を使用するようにしてください。大事なのは、お互いの世界を侵食しない・させないという「ゾーニング」という考え方。私たちの生活環境に害虫が入ってくれば防除をして、人間世界から遠ざける必要があります。逆に私たちが自然の森に入る際には自らの体に防虫剤を塗布して、有害な虫を遠ざけます。適正な距離を保つことで、人間と他の生き物が正しく共生できるのです。
忽那 賢志(くつな・さとし)先生国際感染症の専門医
大阪大学大学院医学系研究科 感染制御学 教授
2004年山口大学医学部卒業。関門医療センター、市立奈良病院感染症科医長、国立国際医療研究センター国際感染症センター国際診療部副部長などを経て現在に至る。日本感染症学会専門医。回帰熱や国内初となるデング熱に似た熱帯感染症・ジカ熱などを診断。
蚊は血を吸う時に、自らの体内で増幅させた病原微生物やウイルスなどを人の体の中に入れます。蚊に刺されることで感染症を引き起こすのは、そのためです。そして蚊は人を最も多く死に至らしめている生物と言われています。
蚊は種類によって、媒介する病原体が変わってきます。例えばイエカは、日本脳炎を媒介することがあります。名前の通り、脳に炎症を引き起こす感染症なので、重症化すると亡くなったり、後遺症が残ることがあります。今は新しいワクチンの導入により感染者数は大幅に減少しましたが、感染するリスクがなくなったわけではないため、引き続きワクチンを接種することが大事です。
次は、ヤブカに媒介される感染症を紹介します。ジカウイルス感染症は、妊婦さんが感染すると胎児の小頭症の発生につながることがあると、2016年に騒ぎになりました。デング熱は、海外から持ち込まれる感染症の一つで、日本でも2014年に代々木公園を中心に流行し、重症化するとデング出血熱になることがあります。帰国して熱が出た時は、すぐに病院を受診していただくのが安全です。
蚊が媒介する感染症で気を付けなくてはいけないのがマラリアです。ハマダラカが媒介する感染症ですが、特にサハラ以南のアフリカが発生の多い地域と言われています。感染してから症状が出るまでの期間が長く、帰国して2~4週間ぐらい経って熱が出る人もいます。重症化すると、死亡率が15~20%になります。幸いなことにマラリアには治療薬も予防薬もあります。マラリアが流行している地域に旅行する場合は事前に病院を受診して、予防薬をもらっておくのが良いでしょう。
日本で多く報告されている、ダニが媒介する感染症を3つ紹介します。ツツガムシ病と日本紅斑熱は、媒介する動物がそれぞれツツガムシとマダニで異なりますが、発熱や頭痛、皮疹など、症状は非常によく似ています。感染したら早く適切な抗生物質を飲むことが大事なので、刺された後に熱が出たらすぐに病院を受診してください。西日本を中心に流行している重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、白血球、血小板が減少して臓器に障害が起こり、感染すると2~3割の人が亡くなる非常に怖い感染症です。この病気が発見されてから10年くらいしか経っておらず、有効な治療薬もありません。マダニが活発に活動する春先から夏秋にかけて感染者が多くなるので、特にお気をつけください。
蚊やマダニに刺されるのを予防するのに大切なのは、虫よけ剤を使うことです。特に虫よけ剤の中に入っている成分ディートが蚊に刺されないために非常に有効で、ディートを20%以上含んだものを使うのが世界的に推奨されています。露出した箇所にムラなく塗る、汗をかいたり、雨に濡れたりした場合は、その都度、塗り直すことが大事です。日頃から虫ケアをしっかり行い、蚊やマダニから移る感染症から身を守りましょう。
【出演】五箇 公一先生、忽那 賢志先生
