企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

血栓症予防啓発シンポジウム

脳梗塞・心筋梗塞を防ぐ健康習慣とは

発症が多い寒い時期は注意

生活習慣の改善で血栓症を防ぐ

 血管の中に血のかたまり(血栓)ができ、それにより血管が詰まる病気を血栓症と言います。その代表格が脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞。自覚症状がないまま突然発症することがあり、日頃からの予防が大切です。「血栓症予防啓発シンポジウム」が2月10日、大阪の中之島会館で開かれました。専門家の講演や家族が脳梗塞になった経験のある女優・熊谷真実さんを交えたパネルディスカッションの内容をお届けします。

基調講演

「溶かすチカラ」で 脳梗塞・心筋梗塞を予防しよう

浜岡 隆文先生
東京医科大学 健康増進スポーツ医学分野 主任教授

はまおか・たかふみ●東京医科大学大学院医学研究科修了。1996年第1回ヨーロッパスポーツ科学学会若手研究者賞などを受賞。環境や身体活動度の違いによる筋代謝について研究。各種サプリメントの効果検証も行う。

運動、栄養、休養に気を付けて 血栓症の発症をくい止める

 血管が詰まる血栓症は、起こる臓器により病気が異なります。脳の血管が詰まれば脳梗塞に、心臓の血管が詰まれば心筋梗塞となります。心疾患・脳血管疾患による死亡数は季節により変動があり、1月が最も多く寒い冬は特に注意が必要です。急激な寒暖差は血圧上昇を招き、心筋梗塞や脳梗塞の原因になるのです。脱衣所やお風呂場、トイレなどの温度差に気を付けましょう。

 日本人の主要死因の1位は悪性新生物(がん)ですが、心疾患と脳血管疾患を合わせた血栓症は4分の1を占める高い割合です(2017年)。血栓症は中高年以上がなる病気だと思われがちですが、実は35歳以上で発症者数は増大。動脈硬化が起きて動脈が細くなっていれば、若い年齢で起きても不思議ではありません。

 要介護になった主な原因は認知症が最も多く24.8%ですが、次いで脳血管疾患が18.4%を占め、およそ5人に1人の割合です(2016年国民生活基礎調査)。65歳以上の疾患別平均入院日数では、がんの20.7日に対して、脳血管疾患は100.7日と長期の入院を強いられます(厚生労働省「2014年患者調査」)。入院が長引けば医療費もかさみますから、日頃から予防することが重要です。

 では、血栓症を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。何をおいても生活習慣病(2型糖尿病、肥満症、脂質異常症など)を予防することです。具体的には運動、栄養、休養のバランスを保ち、禁煙と適量飲酒を守ること。特に運動は薬と同等の効果があるといわれるほど大切です。適度な運動を習慣的に行うと、血栓ができにくくなることが分かっています。また、日常的に体を動かしている人は、心血管系疾患や脳血管疾患、うつ病、乳がんなど13種類のがんの予防が期待できると考えられています。

 運動するなら、隣の人と会話できるくらいのペースで1日30分以上(もしくは1日1万歩)歩くといいですね。運動できない人はなるべく立つ、足踏みする、家事などもエネルギー消費につながります。

 血栓症のリスクを減らすとして注目される成分に、納豆に含まれるナットウキナーゼがあります。血栓を溶かしたり、血栓を作りにくくしたりする働きがあることが、私たちの研究でも確かめられています。納豆は血液を凝固させるビタミンK2を含むため、血液を固まりにくくする薬のワルファリンの服用者は食べられません。しかし、ナットウキナーゼはビタミンK2が除外されているので摂取が可能です。サプリメントで取ると効率がいいでしょう。

⇒ パネルディスカッションへつづく

当日の様子は下記から動画でご覧いただけます。

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