ネクストリボン がんとの共生社会を目指して

2019年2月4日 開催

トークイベント 「がんについて語ろう
~がんとともに生きる、寄り添う~」

「Think Big! 今日1日を大切に」

岸田 徹 氏(NPO法人がんノート代表理事)

僕は社会人2年目のときに、胎児性がんになりました。春先に首の腫れを感じて病院に行ったのですが、「インフルエンザだろう」という見立てでした。会社の健康診断でも問題無かったため、半年間放置していました。すると秋口には首の腫れがどんどん大きくなり、体調も週に2、3回壊すように。これは只事ではないと再度病院に行った際に、初めてがんが全身に転移していることを知り、さらに「5年の生存率が五分五分です」と告げられたのです。それから僕は「5割で助かる可能性がある」と考え、希望を持って治療に励んでいくことになります。ただ抗がん剤治療はつらいもので、何とか前を向こうと頑張っていても、体調によっては前向きになれない日もありました。そんなときに励みになったのが、友達たちがメッセージを寄せ書きしてくれた「お見舞いノート」です。その中の「“Think Big!”大きく考えろ、人生で起こるすべての出来事には意味があるから、徹の10年後はメッセージで溢れているから頑張れ」という言葉に救われました。僕は今まで、「抗がん剤治療がつらい」という一点しか見ていなかったことに気づいたんです。しかしもっと先を見たら、これはいい経験になっているのかもしれない。だから今はつらくても、乗り越えていこうと思ったのです。それから僕は苦しいときがあっても“Think Big!”と考えるようになりました。

抗がん剤治療の後はがんを取り除く手術を受け、治療を乗り越えたと思っていたのですが、射精障害という後遺症が残りました。僕はこのとき、「お先真っ暗」という気持ちに。インターネットで得られる情報は少なかったのですが、ずっと検索を続けるなかで、旦那さんが射精障害になったかもしれないと書いてあるブログを見つけました。その方にコンタクトをとってみたところ、「旦那は3ヵ月で自然に治ったよ」と言われ、治る可能性があると知った瞬間に、一筋の光が見えました。このときに僕は、患者さんの見通しとなる情報の大切さを知ったのです。だから今僕は、自分の闘病経験、もしくはまわりの人の闘病経験が、誰かの励みになればと思い、「がんノート~あなたか私のがんの話をしよう~」という患者の体験談をインターネットで生配信する活動を行っています。配信の回数はおかげさまで100回を超えました。苦しい時に、自分だけ苦しいと思わずに、“Think Big!”という言葉を思い出してください。そしてその未来を変えていこうという姿が、今苦しんでいる人たちのロールモデルになっていくのだと思います。