ネクストリボン がんとの共生社会を目指して

2019年2月4日 開催

トークイベント 「がんについて語ろう
~がんとともに生きる、寄り添う~」

歌手の夢、追うきっかけに

木山 裕策 氏(歌手・会社員)

36歳のとき、会社の健康診断で「のどにしこりがある」と言われ、精密検査を受けた。甲状腺に3センチほどの悪性腫瘍(しゅよう)が見つかり、手術をすることになった。

のどの部分を切る手術だったので、「もしかしたら声がかすれたり、最悪の場合は声が出なくなったりするかもしれない」と医師から説明を受けた。その頃は会社員で課長になったばかり。歌手の仕事はしていなかったが、子どもの頃から歌が好きで、息をするように歌っていた。医師のこの説明を聞き、人生で一番落ち込んだ。

幼稚園から高校まで無遅刻無欠席。自分は病気にならないと思っていた。漠然とだが、長く生きられるとも思っていた。でもがんと診断された時から、心の中でタイマーが鳴り始めた。「子供たちに自分が生きた証しを何か残したい」と思うようになった。

手術の前の晩、「術後に声が残っていたら歌にチャレンジしよう」と決意した。4時間の手術を終え、麻酔から目覚めて最初に声を出した。「良かった、声が出た」。最初はビブラートをかけると痛くてうまく歌えなかったが、練習を重ねた。

病気になることは決していいことではないが、がんになったことで、自分と向き合い、自分が何をしたらいいのか考えるようになり「home」というデビュー曲に出会えた。これからも歌を通して生きている喜びを伝えていきたい。

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