ネクストリボン がんとの共生社会を目指して

2020年2月4日 開催

シンポジウム 「がんとの共生社会を目指して
~企業の働き方改革で共生社会実現へ~

企業の新たな挑戦!ここまできたがん対策&働き方改革

鼎談者

古出 眞敏 氏(アフラック生命保険株式会社 代表取締役社長)/ 山名 昌衛 氏(コニカミノルタ株式会社 代表執行役社長 兼 CEO)

コーディネーター

竹下 隆一郎 氏(ハフポスト日本版編集長)

早期発見の取り組み、粘り強く

山名 昌衛 氏
1954年生まれ。77年にミノルタカメラ入社。2003年の統合後は常務執行役(経営戦略担当)などを歴任、2014年から現職。

コニカミノルタは17年前に経営統合した会社で、コニカは146年前に写真やカメラの技術から出発した。技術を磨き続け、「個別化医療」の領域で貢献を模索している。具体的には、がん細胞に発現するたんぱく質を分子レベルで解析。人工知能も活用し、個人に合わせて治療方針や投薬方法を最適化する技術を開発し、進化させている。デジタル技術でバイオマーカーを発見、活用することで、新薬の開発期間を短縮し、開発の成功率を上げることで開発費用や医療費も削減できる。早期発見・早期診断にも、最先端の技術を広げていこうとしている。

社内の仕組みも整えている。定期健康診断で要精密検査の結果が出た社員に対しては、健康保険組合と人事、産業医が受診するように、きめ細かく伝え続けている。また、社員が検診を受けやすいように、乳がん検診の回診車を事業所に呼んだ。就業時間内に受けに行くことを認めるなど、粘り強く取り組んでいる。制度の活用度や成果をデータで可視化することで、次のアクションにつなげられる。

制度を負担なく使える風土に

古出 眞敏 氏
1960年生まれ。日興アセットマネジメントなどを経て、2008年アフラック生命保険に入社、18年から現職。

45年前に、日本初のがん保険とともに創業した。がん経験者が加入できる商品も、1999年に国内で初めて開発した。がんに関する社会課題への解決策を作り出すことにも力を入れている。

SNSサービス「トモスノート」はその一例。経験者同士が様々な情報を交換できる。開発には、がん経験者の社員で構成された「オールリボンズ」が深く関わった。この他にも、がん就労支援プログラムを作り、治療のために無制限で取得できる「リボンズ休暇」を新設するなど、両立支援にも力を入れている。

制度を作るだけでなく、それを負担なく使えるような風土改革がとても大切だと思う。全管理職が対象の研修で、部下から「がんだと告知された」と報告された時は、まず「不安な中で打ち明けてくれてありがとう」と伝えるよう指導している。細やかに寄り添って、職場復帰や治療中の仕事についてともに考えていく姿勢を伝え共有している。こうした知恵を、一企業にとどまらず社会全体で共有していきたい。

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