ネクストリボン がんとの共生社会を目指して

ネクストリボン先進企業インタビュー
株式会社日立システムズ

がんになってもいきいき働ける職場環境を
支援制度の見える化とコミュニケーションで実現!
(PR)株式会社日立システムズ

相談できる人がいる。心強いサポート体制・制度がある。そして職場の良好なコミュニケーション。これらが揃っていれば、がんに罹患(りかん)しても不安は緩和され、安心して働き続けることができる――。「がんと就労」をテーマにこうした環境づくりを積極的に実施しているのが日立システムズだ。

取締役 専務執行役員 北原 央氏(右)人事総務本部 ダイバーシティ推進センタ センタ長 金森 さつき氏(左)

がんに罹患した従業員を制度や体制で全面的にサポート

全国に約300カ所のサービス拠点を持つ大手ITサービス企業、日立システムズでは、2017年度から独自の企業活力向上施策を「SMILE Work∞Life Action(スマイル・ワークライフ・アクション)と名付け、「働き方改革」「健康経営」「ダイバーシティ」の三本柱で総合的に推進。多様な人財が多様な価値観を持って働き、大きな成果を上げることができる環境づくりに取り組んでいる。

「自分らしくありのままで、互いに尊重し合い、誰もがいきいきと活躍できる職場をめざしています。でも、中には育児、介護、治療などによって労働時間や働く場所の制約がある人たちがいます。そういう人たちが休む時は休む、働ける時は働く環境を作っていくことが急務だと考えています」(北原央氏)

特にダイバーシティを推進する上で「がんと就労」も重要な課題としてとらえ、積極的に様々な取り組みを実施しているのが同社の特色だ。

その一つが「仕事と治療の両立支援サポート体制」。がんに罹患した時にはそれぞれの治療状況に応じて「本人」「所属上長」「産業医・保健師」「人事・総務スタッフ」が一体となり、サポートする。また、全国11カ所の事業所・オフィスにある健康相談窓口では、通常の健康面だけでなく、がんに関しても相談できる。さらに外部の専門カウンセラーに相談できる「EAP(従業員支援プログラム)」も導入。会社を通さずに相談することも可能。まさに全方向型の相談体制だ。

「治療と仕事の両立支援ということで半日単位、時間単位の有給休暇、時差出勤、在宅勤務など既存の制度を活用することで柔軟な勤務が可能です。また、がんは早期発見が大事なので健康診断のオプションとしてがん検査も受ける場合は、健康保険組合から補助金が支給されます」(金森さつき氏)。

人事・総務部門ではこうした治療別に使える諸制度や補助金の情報をまとめ、社内ホームページで周知。そのほか、全社員の自宅宛に働き方改革の取り組みや福利厚生の案内とともに、こうした取り組みを知らせるレターを郵送した。「がん検査補助金やEAPプログラムはご家族も利用できます。ご家族にも、がんの早期発見・早期治療の大切さをご理解いただくとともに、万が一社員ががんに罹患しても会社に相談できるという安心感を持っていただき、ご家族からもフォローをしてほしいからです。」(金森氏)。

がんと就労セミナーを全国26カ所で開催

同社が特に力を入れているのが、従業員の意識啓発のための「がんと就労を考えるセミナー」。2017年11月から全国26カ所で開催、これまでに600人以上が参加している。セミナーではがんを経験した日立グループ社員が講師となり、どんな治療をしたのか、費用はどの程度かかったか、仕事に復帰してからどんな制度を活用したのか、どんなサポートがうれしかったのかといった実体験を話し、その後、保健師や人事・総務部門担当者からがんに罹患した時に利用できる制度やサポート体制を伝え、参加者の座談会や質問コーナーも設けている。

「今は日本人の2人に1人はがんに罹患する時代。がんはすごく身近なのだと認識し、理解を深めてもらう絶好の機会になっています」(金森氏)。参加者からは、「がんになってもいきいきと活躍されている姿を見て心強かった」「がん経験者の言葉に重みを感じた」「早期発見や予防が大切だと実感した」などといった声が上がっており、がんについて知る・語る場として受け入れられている。「病気を抱え、不安に思いながら仕事をしている人が多いことに私たちが気づかされます。従業員ご本人が罹患されるだけでなく、ご家族ががんの治療中だと看護によって精神的にも肉体的にも疲労されていたりする。そういった方々のケアも今後の課題だと思うようになりました」(金森氏)。

RPAツールによる自動化で職場の業務を効率化、がん罹患者の精神的負担を軽減

同社ではITサービス会社という自らの事業特性をいかし、RPAツール(ソフトウエアロボット)を導入し職場の業務効率化に取り組んでいるが、これもがんに罹患した従業員のフォローにつながっているそうだ。

「RPAツールを導入し職場の業務効率化を図ることで、現場に余力が生まれる。自分が休まなくてはならない時でも同僚に迷惑をかけているという心苦しさを軽減させることができます。これは、がんに罹患した従業員に限ったことではなく、育児・介護・病気の治療などさまざまな制約がある方、ワークライフバランスや自己研鑽の時間を大切にしてキャリアアップをはかる方も同様です。お互いさまの気持ちで支援しあい、付加価値の高い仕事にシフトするためにも、ICTを活用した業務効率化によって時間的・精神的余力を作り出すことも大切だと感じています。」(金森氏)。

同社では、日立の「Lumada*1」と一体となり、今後もRPAツールをはじめICTツールの活用を拡大していく方針だ。

月1回の職場ミーティングが何でも話せる環境作りに

ただ、充実した制度やサポート体制、職場の業務効率化も大事だが、個々の職場での支え合いが最も大切だと金森氏は指摘する。「がんに罹患した人が必要な時にちゃんと相談できる職場を作ることが、実は一番必要なことではないかと思います。

もちろん、病気のことを周囲に知られたくない方や、職場における配慮を望まない方もいらっしゃいますので、必ずしもカミングアウトしてくださいということではなく、必要な時に相談しやすい職場を作り、ともに支え合える風土作りも当社では大切にしています」(金森氏)。

そこで役立っているのが月1回、各職場で実施している「Human*ITミーティング」である。働き方改革、男性育休、LGBT、など、正しい知識を得て各職場で話し合ってほしいテーマを月替わりで定め、それを各職場で実施してもらうシステムになっている。それぞれの本音、考え方や人となりを理解し合う絶好の機会になっている。

「このミーティングでコミュニケーションが良くなることは、エンゲージメント(会社と個人のWin-Winの関係)向上にもつながり、個人のやりがい、働きがいの度合いも増すことになります。さらなる実施率向上が今後の課題です」と北原氏。

会社は従業員の味方であることを伝え続ける

制度化できるところは制度化し、業務効率化できるところは効率化していく。その上で、お互いに配慮する気持ちを醸成する啓発活動を続けることが重要だと同社は考える。「従業員同士が、互いを思いやれる風土が根づいてくれば、会社としての生産性を上げることにもつながる。日立グループ全体で今、社会価値の向上に貢献することに取り組んでいます。そもそも創業の原点は、社会課題の解決。治療と仕事の両立支援はまさにこれに合致した活動です。少子高齢化に伴う労働人口の減少が進む中、ICTを活用して業務効率化を進めながら「働き方改革」を実現し、さまざまな制約を抱える働き手が「労働に参画しやすい環境」を整備していきたい」(北原氏)。

会社は従業員全員の味方。そのことを継続して伝えていきたいと金森氏は言葉を添える。「がんとの共生だけでなく、育児、介護、病気の治療など様々な制約を抱えながら仕事と両立している従業員が、自分の生きがいを持っていきいきとキラキラ輝いて働ける会社にしたい。そのために人事・総務部門として、今後も積極的に啓発活動と職場環境作りを行っていきます」(金森氏)。

*1 Lumada:Lumada(ルマーダ)は、お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション/サービス/テクノロジーの総称です。