ネクストリボン がんとの共生社会を目指して

「社員の健康を守る」「病気になった社員も生き生き働き続ける」という視点から社員を大切にする企業
社員の健康を守り、生き生きと働き続けられる
環境づくりに力を入れる大鵬薬品
(PR)大鵬薬品工業

抗がん剤を扱う生命関連企業として、がんやその他の病気にかかっても治療しながら働き続けられる職場づくりを目指し、両立支援を実践してきた大鵬薬品。2020年度からは全社員の「卒煙」を推進している。大鵬薬品がなぜここまで「がんと就労」対策に力を入れるのか。人事部部長の柏木孝則氏、副部長の三田明氏、そして人事部で産業カウンセラーとして活躍する亀田浩子氏の3人に話を伺った。

人事部 副部長 三田明氏(左) 人事部 産業カウンセラー 亀田浩子氏(中央) 執行役員 人事部長 柏木孝則氏(右)

がんに罹患(りかん)した社員に寄り添う就労支援を実践

大鵬薬品は、半世紀以上前から抗がん剤の研究開発を手がけているということもあり、がん治療の大変さを理解している社員が多い。「その影響でがんなどの病気になった社員を温かく支援する風土が会社全体に根付いています。2000年以前から、がんに罹患(りかん)した社員に対して個別対応を実施してきました」と三田氏は語る。

その後、がんや慢性疾患の患者増加に伴い、2013年に就業規則を改定した頃からより就労支援に力を入れ始める。「仕事と治療の両立のために利用できる制度としては、半日の有給休暇、最高50日まで積み立てできる有給休暇、がんに罹患した際の休業期間延長、リモートワーク、復職できるカムバックパス制度などがあります。2019年にはフレックスタイム制を導入し、よりフレキシブルな働き方が可能になりました」と説明するのは亀田氏。予防にも力を入れており、人間ドック受診の費用を会社が一部負担し、がんやその他の病気を早期発見し、早期治療につなげている。

ただ、いくら就業規則を充実させてもその内容が広く一般社員に伝わっていなければ意味がない。そこで人事部有志が集まり、ウェブ冊子「がんに罹患した社員の就労支援ガイド」を2016年に完成させた。この冊子の制作にあたって亀田氏たちが大事にしたのは、あくまで「がんに罹患した社員に寄り添う」ガイドブックにすること。そんな思いを具現化すべく、がん治療と仕事の両立を目指す社員が、がんの診断時、休職中、復職時、復職後の各段階でどのように対応して何をすべきか、どんな制度が利用できるかを丁寧に、親身にまとめた。「部下や同僚からがんの罹患を告白された際の具体的な行動、配慮すべき点なども網羅した手引き書になっています」(亀田氏)

「がん罹患者の就労支援を通して、抗がん剤メーカーに勤務しているという原点に立ち返り、業務に取り組んでいます」(亀田氏)

制度より大切なのは社員一人ひとりに必要な支援

「就労支援ガイド」を作成するにあたり気になったのが、「本当にそうなのか」ということだったと三田氏は振り返る。「こういう時はこうした方がいいといった具体的な方法や言葉がけの仕方を伝えるガイドブックですが、本当にそれが正しいのかと。病気なのに働くとはどういうことなのか、本人が働くことを望んでも本当に働かせていいのか。働くことを望んでいるならば、どんなサポートが必要なのか、今もそのことを問い続けています」(三田氏)。まさに「がんと就労」というテーマに向き合う上で非常に大切、かつ根幹的な問いかけである。

さらに大鵬薬品が大事にしているのは、決して制度ありきではないということ。なぜなら、一言でがんといっても症状の重さ、病気への向き合い方などが人によって異なるからだ。「ですから、まずは一切の先入観を持たずに話を聞き、その社員が本当に必要としている支援を考え、最善を尽くすことを心がけています」と三田氏。

2019年には人事と広報が協力して、がんに関する情報共有を目的とした独自の社内がん情報ポータルサイト「C-Guide Portal」も開設。社員の家族や身近な人の体験談などが掲載されている。「リアルな体験を通してより認識を深めてもらうだけでなく、抗がん剤を作る大鵬薬品で働く意義を実感してもらえたらと思っています」と柏木氏は語る。

「すべての社員を笑顔にするため、時には制約条件を取っ払ったところでの支援も必要だと思っています」(三田氏)

卒煙にチャレンジする社員を全社で応援していく

現在、大鵬薬品が特に力を入れているのが、喫煙社員への禁煙支援だ。実は、これまでも全社員を対象にたばこの害に関する情報発信や、各事業所内での禁煙ポスターの掲示など啓発活動を展開してきた。その結果、2011年に26%だった全社喫煙率が2020年には15%まで下がっている。「2020年からは『2023年喫煙率ゼロ』を目標に、喫煙社員への卒煙支援と、卒煙に関する社内ルールを強化・徹底。採用や役員任命時の要件に非喫煙者であることを付け加えるなど全社一丸となって社員の『卒煙』への取り組みを開始しました」(柏木氏)

卒煙対策を強化した狙いを柏木氏は次のように語る。「全社員の健康を守るためです。がん発症リスクの低減というのもありますが、昨年からの新型コロナウイルスの流行を受け、万が一感染した場合の重症化リスクの低減も狙いの一つです」。具体的には、希望者全員に対して禁煙外来の費用補助(オンライン外来含む)を行ったり、卒煙に成功した社員の体験談を聞く座談会を実施したりしているとのこと。

同社では「禁煙」ではなく「卒煙」という言い方にこだわる。「喫煙はあくまで個人の嗜好(しこう)品。他人から強制されてではなく、喫煙者本人が自ら一歩踏み出してやめるもの。禁じるのではなく、そろそろ卒業しようよといった雰囲気を周囲がつくることが大切ではないかという思いもあって「卒煙」という表現にしたわけです。全社員には、卒煙チャレンジャーを否定的に捉えるのではなく、ポジティブな気持ちでサポートしてほしいとお願いしています」(柏木氏)

「一致団結力がすごいことと、言いたいことが言える風土が弊社の魅力です」(柏木氏)

互いを思いやり、みんなが笑顔で働ける会社であるために

昨年からの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、支援の形が少し変わった。「新型コロナウイルス感染拡大前の在宅勤務可能日数は週1回で、徐々に日数を増やしていく計画でした。昨年夏にリモートワークを導入、利用範囲を拡大したことで、がんやその他の疾病を抱えている社員は、出社せず完全リモートワークで仕事をすることが可能になりました」と亀田氏。

面談方法も直接対面からリモート面談が主流に。そうなって良かったのは、気軽にいつでも相談してもらえるようになったことだと亀田氏は語る。「今までためらっていた方も相談してくれるようになりました」。また、「治療をしながら働き続けるにはどうしたらいいのか」という前向きな相談もあり、多様な働き方ができるようになったと感じます。と三田氏。

昨年の緊急事態宣言時には制限が多い中で、「外に出ることが難しくなった営業の社員が、『がんに罹患した社員が身近にいたらどうするか?』といったテーマでリモート勉強会を実施。また、社内のがん情報ポータルサイト『C-Guide Portal』を目にする機会が増え、その結果、閲覧数が増加し、がんの体験談を読んで感想を書く社員が増えたことは非常にうれしいことです」(亀田氏)

コロナ禍においても、大鵬薬品は「がんと就労」の施策に力を入れ続ける。そこには生命関連企業としての気概と責任があるからだ。「私たちは世の中の人すべてを笑顔にしたい。そのためにもまずは自分たちやその家族が笑顔でいなければいけない。それゆえ、会社の財産である社員が、安心して笑顔で働き続けられるような職場環境づくりを大事にしているわけです」と三田氏。そして最後に柏木氏が同社の思いを結ぶ。「当社が社会に貢献できることは何かとしっかり考えながら、社員の会社に対するエンゲージメント、社員の健康という面にもつなげていきたい。その上で弊社の取り組みが、少しでもがんとの共生社会を目指されている企業の方々の参考になればうれしく思います」(柏木氏)