テーマ⑤
日本の国土・地形に適した農業は…
「農業の多面的機能」って何?

日本の食料自給率はカロリーべースで38%、約6割を輸入に頼っている状況です。主要輸入国の米国や豪州などは、広大な土地で、その規模に合った大型機械を使って農業をしています。日本も同じように大型機械で収益性を高めて、自給率を上げることはできないのでしょうか?

日本は起伏の激しい中山間地が多く、広大で平坦な土地が少ない地形です。日本の農家1戸あたりの平均農地面積は、なんと米国の約1/70、豪州の約1/1,260です!(※)

※出典:日本は、「平成29年農業構造動態調査」
米国は、「Farms and land in Farms 2016 Summary」(米国農務省)
豪州は、「Agricultural Commodity Statistics 2016」(豪州農漁業省)

そして、日本の農業地域を地形や人口密度から、都市的地域・平地農業地域・中山間地域に分けると、中山間地域が約7割も占めています。

中山間地域は傾斜地が多く、耕地は狭くて分散していますが、標高差や豊富で良質な水資源などの自然条件を生かした農産物がつくられています。

例えば、日当たりや水はけのよさを生かした柑橘(かんきつ)類や、高地の冷涼な気候を生かしたキャベツなど葉物野菜の産地になっていたり、地域特有の伝統野菜が栽培されていたり、中山間地域は日本の多様な食文化を支えています。

✔︎日本は中山間地域が多く平坦な土地が少ないから、大規模化した農業だけをすすめることは難しいんですね…
✔︎中山間地域の自然を生かした農業や食が、日本の特色なんですね! 私の好きな野菜も高原や山間でたくさん収穫されています。

中山間地域は「農業の多面的機能」という重要な役割も果たしています。斜面に畑や水田があることで、土砂崩れや川の洪水を防いだり、雨水がゆっくり浸透して地下水を作ったり、周辺市街地の気温上昇を抑えているんです。さらに、多くの生き物のすみかになり、美しい景観を生み出してくれています。

出典:日本学術会議「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について(答申)」 (平成13年11月)及び関連付属資料

田んぼや畑は、農作物を作るだけの場所ではなく、私たちの生活や自然環境も守ってくれているんですね!
普段は気づきにくいけれど、大切な「農業の多面的機能」。日本の農業を応援していくことで、大切な自然環境を将来にも残していきたいです!

中山間地域は交通などが不便な土地でもあり、農家の高齢化・過疎化が進み、耕作放棄された土地が増えています。そうなると周辺地域のくらしや環境にも影響が出てきてしまい、大きな課題に直面している地域が多くあります。

テーマ⑥
食料を輸入するってどういうこと?
環境面からも考える

例えば、同じ100円のレモンでも、遠い米国から船の積み荷として運ばれてきたものと、国内の産地からトラックで運ばれたものでは、何が違うでしょうか?もちろん、味や品質も違うのですが、米国産は1万キロ以上を大型船舶で運び、国産は数百キロをトラックで運ぶ、これにかかる輸送エネルギーや環境負荷が大きく異なってきます。

各国のフード・マイレージの比較(品目別)

出典:中田哲也「農林水産政策研究第5号、52頁等 食料の総輸入量・距離(フード・マイレージ)とその環境に及ぼす負荷に関する研究」
及び「フード・マイレージ<新版>(2018、日本評論社)」

注)フード・マイレージ:食料の輸入(輸送)が地球環境に与える負荷の把握等のため、食料の輸送量に輸送距離を掛け合わせた指標(単位:t・km)

また、海外からの輸入が多いということは、その輸送途中に事故があったり、輸入相手国で大規模な災害が発生したりした時などは、突然供給がストップしてしまう恐れがあります。食料を輸入に依存しないということは、食料の安全保障と持続可能な農業の促進を目標とするSDGsのゴール2「飢餓をゼロに」や、ゴール12「つくる責任 つかう責任」、ゴール13「気候変動に具体的な対策を」にも通じるものです。

✔︎日本は他の国と比べて、遠い国からたくさんの食料を輸入しているんですね。特にトウモロコシや小麦などの穀物の割合が高いですね。
✔︎輸入された食料は、日本で生産された食料よりも地球に優しくない??環境負荷を減らすためにも、そして食料を安心して手にするためにも、国民が必要として消費する食料は、できるだけその国で生産する、「国消国産」という考え方は大切ですね!

日本の食料自給率を品目別にみてみると、米はほぼ100%に対し、同じ穀物の小麦や大豆などは低い状況であり、これらの生産を増やしていくことがすすめられています。

品目別の食料自給率(カロリーベース)

出典:農林水産省 令和元年度食料自給率について

消費者のニーズに合うものを生産していくことは、食料自給率を上げることにもつながっていくんですね。
テーマ⑦
コロナ禍で打撃
日本の農畜産物への影響は?

新型コロナウイルス感染症による影響は、全世界に大きなダメージを与えています。感染拡大が進み、一時はマスクや消毒剤などが店頭から消えるなど、私たちの生活にも不安が広がりました。

一方、外出自粛により家で過ごす時間が増えていますが、そんな時でもスーパーなどの小売店は、食料を途絶えることなく供給してきました。その向こうには、食品の流通を担う人、そして農畜産物を生産して出荷する人など、さまざまな人たちの力があって国民の「食」が支えられています。

コロナ禍で国内の農業にはどのような影響があったのでしょうか?

✔︎コロナ禍によって、需要が深刻に減少してしまっている品目もあるんですね……。誰にとっても必要な食料、それを生み出す農業がこうした状況にあることを、もっとたくさんの人たちに知ってほしいです!
✔︎リアルでのイベントが中止になってしまい、たくさんのお花を見る機会が減ってしまったことを実感しています……。個人の家でもお花を買って楽しむなど、一人ひとりのちょっとした行動が、日本の農家を守るための大きな力になるのではないでしょうか。

これまでのクイズのとおり、日本の食料自給率は低く、国内の農業は高齢化や労働力不足などの課題に悩まされています。それでも、日本の国土・地形に適した農業を展開し、田んぼや畑を守り続けることで、「農業の多面的機能」の発揮や、食料の安全保障と持続可能な農業の促進を目標とするSDGsの達成にも貢献しています。

✔︎何か大変なことが起きた時、短期間での食料の増産は難しいそうです。例えば、一旦荒れてしまった農地からまた農作物を収穫するには、あらためて、土づくりや水の管理、病害虫対策などを行う必要があるそうです。
✔︎自分たちが食べる食材はできるだけ自分たちの国でつくる、「国消国産」という考え方が、今注目されているそうです。私たちの食卓に、新鮮で安全な食品が途絶えてしまわないためにも、国産の食材をおいしく笑顔でいただいて、農家の皆さんを応援したいですね。
全問正解すると、
乃木坂46メンバーの
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日本の「食」は今、どうなっているのでしょうか。見ないふりはできない大切な問題について、乃木坂46のメンバーと楽しく学べるクイズを用意したので、ぜひ挑戦してみてください。全問正解すると、乃木坂46メンバーのスペシャル画像が見られます。