テーマ⑤
農業の救世主? SDGsにもつながる「スマート農業」

近年、ロボットやAI(人工知能)をはじめとするデジタルの力が、労働力不足に悩む日本の農業を支えはじめています。そのような先端技術を生かした農業は「スマート農業」と呼ばれ、全国の生産現場で取り入れられています。
スマート農業は、人が時間と労力をかけて行ってきた作業を機械が短時間で行うことで、生産者の負担を減らすことに役立っています。また、生産者が長年をかけて培ってきた技術を数値化(見える化)することで、就農希望者に技術を伝える面でも大きな役割を発揮しています。

具体的な技術を挙げると、人工衛星やドローンのセンサー通信を活用する「センシング技術」があります。GPS情報を使ったトラクターなどの自動走行や、ドローンを使った農薬散布などです。他にも、農作物を栽培するための場所「圃場(ほじょう)」の温度や湿度を測定し数値化(見える化)することで、栽培データの蓄積が可能となり、農業経営の幅広い場面で活用されています。

日本におけるスマート農業の取り組み例

出典 : 農林水産省 「農林水産研究イノベーション戦略2020」(2020年5月)より一部抜粋。

農業でもDX(デジタル技術による変革)が着実に進んでいるんですね。 これからも先端技術を取り入れていくことで、新しい農業生産のカタチが生まれるかもしれませんね!

農林水産省は、2021年5月に食料や農林水産業の「生産力向上」と「持続性」の両立をイノベーションで実現するための「みどりの食料システム戦略」を策定しました。この戦略は、持続可能な食料システムの構築に向け、環境負荷の低減を推進するもので、デジタルの力を生産現場に浸透させて、必要以上の農薬や肥料の使用を減らすことなども掲げられています。
例えば、農薬や肥料の散布にドローンを活用することで、必要最低限の量で最大の効果を生み出し、環境負荷低減はもちろん、生産者の経営にもプラスになります。

みどりの食料システム戦略が目指すもの

出典 : 農林水産省「みどりの食料システム戦略〜食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現〜」(2021年5月)より一部抜粋。

スマート農業は、環境に配慮した農業の実現にもつながるんですね。わたしたちのほんの少しの意識や行動の変化が、未来の食料生産やSDGsの達成にもつながりそうですね! 

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テーマ⑥
栄養たっぷり! わたしたちの食卓に届く牛乳

栄養たっぷりでわたしたちの食卓に欠かせない牛乳。一体どうやって食卓まで届けられるのでしょうか?
牛乳のもととなる生乳は、乳牛1頭から毎日、平均20〜30ℓしぼられます。これは、200mlのコップで約100〜150杯に相当します。生乳は栄養豊富である反面、傷みやすいため、流通には専用のタンクローリーやクーラーステーションといった整備が欠かせません。

こうした生乳の特性をふまえて、個々の生産者の輸送をまとめ、乳業メーカーとの価格交渉力を強化するなど、酪農家さんの経営の安定と消費者への牛乳・乳製品の安定供給を目的とした組織として、「指定生乳生産者団体」が重要な役割を発揮しています。

指定生乳生産者団体(指定団体)の役割

①生産者が生乳生産に集中できる!

乳業メーカーとの価格のやり取りや、販売を指定団体が担当してくれることで、生産者はつくる仕事に集中できます。

②まとめて運んでコストを削減できる!

鮮度が命の生乳を、指定団体が各牧場からまとめて運ぶことで効率化。輸送コストも抑えられます。

③量を調整して安定供給できる!

毎日生産量が変わる生乳ですが、指定団体が取りまとめ、乳業メーカーが欲しい量に調整して販売。安定して生乳を届けられます。

そして、酪農の生産現場では労働力不足が深刻な問題になっています。動物を相手にするため、健康管理や餌やり、乳しぼりなどの作業は、どんな日であっても欠かせません。近年は全自動の搾乳ロボットや給餌機、授精のタイミングをAIで判断するシステムなど、先端技術を活用した労力軽減が進められています。

畜産業で活躍している先端技術・機器の例

出典 : 農林水産省「aff 『食を支える技術の力』」(2020年4月)より。

指定生乳生産者団体が中心となって、コロナ禍で学校給食に提供できなかった牛乳を、長期間保存可能なバターなどの加工品にする工夫を行ったそうです!全自動で搾乳できるロボットがあるなんてびっくり! 酪農家の皆さんの体力的な負担も軽減できそうです。

牛乳は栄養バランスに優れ「準完全栄養食品」と呼ばれています。特にカルシウムが豊富で、例えばコップ1杯(200ml)で、日本人の成人女性に必要な1日あたりのカルシウム摂取目安の3分の1を補えます。
ほかにも、たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンを含み、わたしたちが生活するために必要とする「5大栄養素」の貴重な供給源となります。
さらに、近年の研究では、免疫力の向上、病原菌への感染予防、血圧の改善など、病気になりにくい体質づくりに期待できることが明らかになっています。

栄養素をバランス良く含む牛乳や、チーズ・ヨーグルトといった乳製品を毎日の食事に取り入れ、健康的な体をつくり、維持することを心がけていきましょう。

わたしたちの食卓に牛乳が届くまでには、酪農家さんの大変な苦労と「協力」があったんですね。 コップたった1杯(200ml)でたくさんのカルシウムを摂取できるのはうれしいです。毎日の食事に牛乳や乳製品を取り入れてみよう!

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テーマ⑦
世界が注目! 安全・安心で高品質な日本のお肉

日本の牛肉や豚肉が、世界から人気を集めていることを知っていますか? 特に、日本国内で長い時間をかけて品種改良されてきた「和牛」の認知度が高まるにつれ、国産牛肉の輸出量は、香港・台湾・アメリカ向けを中心に年々増加しています。

日本の牛肉の輸出量と輸出額

出典 : 農林水産省「令和2年度 食料・農業・農村白書」(2021年5月)より。

畜産農家さんはおいしい牛肉を提供するため、毎日、1頭1頭の体調などに合わせて飼育しています。牛の健康と成長に欠かせない粗飼料(乾草など)や、筋肉のもとになる成分を多く含む濃厚飼料(とうもろこし、麦、油粕など)をバランス良く与えることはもちろん、愛情をかけてブラッシングをしたり、声掛けなどの様々なスキンシップを通じて牛との信頼関係を築いたり、牛が過ごしやすい環境づくりに取り組んでいます。
ストレスが少ない環境で育てられた牛のお肉は、食肉市場の品評会などで高い評価を受け、ブランド化されて産地の活性化にもつながっています。

そして、牛肉に限らず国産の畜産物は、国が指定する飼養衛生管理基準(家畜伝染病の発生を予防するため、牛や豚などの飼養者が守るべき事項を定めたもの)に基づき、農場の防疫体制を徹底して管理されているため安全・安心です。

畜産農家さんが1頭1頭大事に飼育してきた結果、日本の牛肉は海外からも支持されるようになったんですね。約10年前と比べると、国産の牛肉の輸出量は9倍近くになっているなんて!

牛肉や豚肉には多くの栄養素が含まれています。例えば、筋肉や血、内臓など、体の基礎をつくるたんぱく質が豊富です。特に動物性たんぱく質は植物性たんぱく質と比べて、栄養価が高く、食事で補う必要がある必須アミノ酸をバランス良く含んでいます。さらに、疲労回復効果があるビタミンB1や、ビタミンの吸収などに関わる脂質も含まれています。

「お肉は脂質が多くて、カロリーが高いから太りそう」と思われがちですが、実は、脂肪を燃焼させるために重要な筋肉をつくるためにもお肉は大切なんです。牛肉には脂肪を分解するカルニチンが含まれ、ダイエット効果が期待できます。また、豚肉には運動能力を向上させたり、太りにくい体質づくりをサポートしたりするロイシンも多く含まれています。

※参考 : 日本食品標準成分表 2015 年版(七訂)

おいしいお肉で疲労回復の効果も期待できるなんて素晴らしい! 畜産農家さんが丹精込めて育てた、世界に誇る国産のおいしいお肉。たくさん食べて、畜産農家さんを応援していきましょう!

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