未来を拓(ひら)く、
新しい時代の大学づくりをリードする
1871年設置の名古屋藩仮病院・仮医学校を起源に、最後の帝国大学として1939年開学。現在は名古屋市内の3キャンパスに、9学部、13研究科、3附置研究所、5共同利用・共同研究拠点、21学内共同教育研究施設などを展開する。2020年、国立大初の一法人複数大学の体制、東海国立大学機構を岐阜大学とともに発足し、単独では不可能な教育・研究を実現。新時代の大学モデルを創造している。
1871年設置の名古屋藩仮病院・仮医学校を起源に、最後の帝国大学として1939年開学。現在は名古屋市内の3キャンパスに、9学部、13研究科、3附置研究所、5共同利用・共同研究拠点、21学内共同教育研究施設などを展開する。2020年、国立大初の一法人複数大学の体制、東海国立大学機構を岐阜大学とともに発足し、単独では不可能な教育・研究を実現。新時代の大学モデルを創造している。
東海国立大学機構のスタート以来、躍進を続ける名古屋大学が「Next ビジョン2027」に掲げたのは、「世界屈指の研究大学へ、進化し続け未来を拓く名古屋大学」「学び働くことに誇りと喜びを感じる名古屋大学」という大学像。その実現に向けて次の4つを戦略にあげた。高大接続から大学院、リカレント・リスキリング教育までをシームレスに紡ぐ、国際通用性のある「教育・人材育成」。世界のトップ研究者が集い、知的成果を創出する「研究・価値創造」。世界有数の産業集積地に根差し、グローバル/ローカル課題の解決を目指す「社会連携・産学連携」。世界トップレベルの国際共同研究、留学生増加などの「国際展開」。
杉山直総長は決意を語る。「かつてないほどの変化の時代に、国立大学には大学発の研究シーズを大きく発展させ、それをイノベーションにつなぎ、人類・社会の課題の解決に貢献することが一層求められています。変化の波に流されず、魅力ある大学、世界で評価される大学になるために、教育・研究力を強化していきます」
「国際展開」では、「アジアのハブ大学」として世界トップレベルのパートナー大学と連携する「グローバル・マルチキャンパス」構想がスタート。アジア大洋州・北米・ヨーロッパを中心に現地キャンパスを設置、教職員が常駐し、名古屋大学学生と連携先大学学生の国際共修などの拠点とする構想で、他の戦略にもインパクトがあるのは必至だ。
同じく全戦略につながる、大学院博士課程から博士研究員、特任助教レベル、その先のPI※1(主任研究員)までを一貫して支援・育成する「若手研究者支援総合パッケージ」の強化など、多方面でアップグレードが進む。
※1 Principal Investigator
教育面の特徴として、起業家スピリットと高度な語学力を養う教育を全学に広げていることがあげられる。
2023年にアントレプレナーシップ教育を学部から大学院まで大規模かつ学際的に行う体制を整備。2025年度より、学部1年次対象授業科目は全学部で必修となる。授業の他に、スタートアップ企業へのインターンシップや産学連携教育など、実践的なメニューも提供していく。起業家育成だけではなく、「自ら課題を発見し、自分ごととしてとらえて解決する」能力、企画力・行動力・創造力・コミュニケーション力・理論的思考力・プレゼン力・リーダーシップ力といった、現代社会を生き抜く力の育成を目的とする。
なお、これは、名古屋大学を中心とする東海地区の現在25大学で実施している起業家育成プロジェクト「Tongali」と両輪をなすものだ。
また、全学生が卒業までに留学することを目標に、新たなスタイルであるi留学、多様な短期留学、世界150校以上から選べる交換留学、海外のパートナー大学の学生とともに学ぶ共修プログラム等で、留学を強く後押しする。海外トップレベルのパートナー大学内にある名古屋大学グローバル・キャンパスには教職員が常駐し、オンラインとオフライン、現地と本邦キャンパスなど、様々な様態を組み合わせた新しい学修の形(テーラーメイド型留学)を提供し、学生個々のニーズ、関心、タイミングなどの希望に応じて、シームレスに国際経験を磨き、安心して留学できる環境を用意している。
こうした中、学生たちは世界で活躍できる語学力を身につけていき、国内外で指導的役割を果たせる人材へと成長していく。
開学以来、自由闊達な学風のもとで豊かな研究力が培われてきた名古屋大学。その伝統は今日も受け継がれ、ビジョンに掲げる「世界屈指の研究大学」への道を着々と歩んでいる。
優秀な人材を集める環境を整えるべく、2022年には「卓越教授」制度を創設した。給与を規定の上限にとらわれず高額に設定することを可能にし、世界的な研究実績で選考するものだ。第1号に選ばれたのは2人。ナノ多孔体材料の研究で注目される山内悠輔・豪州クイーンズランド大学教授と、ノーベル物理学賞受賞者で、青色LEDの素材である窒化ガリウムの半導体への応用などで実績をあげる天野浩・名古屋大学教授だ。
世界に誇る最先端研究がいくつも進行している中、2023年5月、量子技術の研究開発や社会実装に取り組む「量子化学産業創出拠点」として、内閣府から全国11番目の「量子技術イノベーション拠点」に認定された。2024年4月には、東海国立大学機構が支援する事業として、名古屋大学「未来社会創造機構 量子化学イノベーション研究所」と、岐阜大学「医学部附属 量子医学イノベーションリサーチセンター」が連携する「量子フロンティア産業創出拠点」が発足した。
最先端技術のひとつで「第二次量子革命」が進行中といわれる量子分野。量子とは、原子や電子、中性子、陽子などの総称。コンピュータやセンサーをはじめ、医療、材料、金融、エネルギー、交通など、さまざまな分野での技術活用が期待されている。世界中で研究が活発化しており、日本も「量子未来社会ビジョン」を掲げている中、名古屋大学の強みである「化学の観点」を組み入れた量子技術により、新しい化学・電子材料や医療診断・治療技術の開発などに取り組んでいく計画だ。
21世紀に入ってから、6人の名古屋大学関係者がノーベル賞を受賞した。7つの旧帝国大学で最も若く、旧弊に縛られない自由闊達な学風のもとで培われて来た研究力のDNAが、ここにも示される。
2015年開始の起業家育成プロジェクト「Tongali」、名古屋大学発ベンチャーの称号授与など、アントレプレナーシップ教育から起業までを支援する体制を構築。それを背景に多数のベンチャーが誕生している。
英タイムズ紙発行のタイムズ・ハイヤー・エデュケーション誌による「THE 日本大学ランキング」2023年の「教育成果」で名古屋大学は3位。企業や研究者への調査から卒業生への期待度を表すものだ。
名古屋大学には、大学院の博士課程から若手研究者までを一貫して支援する体制がある。
博士課程教育では4つの「卓越大学院プログラム」を展開。文部科学省事業の5年一貫の博士課程プログラムで、国内外と連携して複数の専門に関わる研究に携わり、あらゆる分野を牽引できる博士人材を育てるものだ。そこには経済支援も含まれる。また、博士後期課程の経済支援が強化され、優秀な学生に生活費を支援するほか、前期・後期課程を通しての授業料減免も実施。さらに学内での短期雇用、キャリア教育などで博士課程の学生を総合的にサポートする。
若手研究者支援の代表は、独創的で挑戦的な基礎研究を推進する自立した若手教員を養成するYLC※2プログラムだ。毎年度8名程度の若手研究者を特任助教として5年任期で採用。必要に応じて教育体験も積みつつ研究に取り組め、分野を超えた研究もしやすい環境が整えられる。
未来がかかる博士人材や研究者の育成に全力で取り組む姿勢だ。
※2 Young Leaders Cultivation