愛知医科大学

次代を担う医師・看護師を育成
これからの医療をリードする

1972年に開学。医学部の単科大学から、1980年に医学研究科、2000年に看護学部、2004年に看護学研究科を開設し、2学部2研究科の医科大学へ発展した。同敷地内の大学病院は高度医療を提供する特定機能病院で、高度救命救急センター、ドクターヘリも有し、基幹災害拠点病院としても活躍。世界をリードする研究施設も多く、医療の今と未来を肌で感じながら学べる。メディカルセンター、眼科クリニックMiRAIも誕生し、その環境はさらに整った。

教育・研究・診療で
未来を見据えた改革を推進

社会に評価され、選ばれる医科大学であるために、時代のニーズを汲んだ改革を進める愛知医科大学。今、注力することの一つが地域医療の革新だ。

祖父江元(げん)理事長・学長が解説する。「超高齢化に伴い疾病構造が変化し、多くの疾患で患者さんが急増しており、慢性期の進行・再発抑制、救急対応や治療法、地域医療を支える人材の教育が重要課題になっています」

そこで進めているのが、まず、同大学病院の専門医と地域の総合医が連携し、その間を患者が循環することで、慢性期の進行・再発を予防する循環型診療システムの構築。専門医にも総合医の視点が必要になることから、教育の一環として岡崎市の分院「愛知医科大学メディカルセンター」を実践教育に活用し始めた。内科の専攻医を同センターに3カ月、また、本院では全診療科の専攻医を救命救急科に3カ月ローテートすることで、若手医師の意識改革につなげている。

救急医療体制の強化もソフト・ハードともに進めており、さらにリハビリテーション部門の改革にも着手。スペース拡張や高度機器の導入、スタッフ増員、分院や地域の回復期リハビリとの連携を進め、認知症などへの拡大も視野に入れる。「リハビリは種々の疾患で改善のエビデンスが出てきており、重要性が再認識されています。全身的モニター管理下での超急性期のリハビリによって、回復速度・レベルが大きく変わることも見えてきています」

一方では、世界を見据えた教育・研究の推進に注力する。加齢医科学研究所の神経変性疾患のブレインバンクなど、世界的データ・リソースを基盤にした研究にも期待されている同大学。最近のビッグデータサイエンスをベースにした先進的な研究、診療が行われており、その活用で教育も進化している。

成熟・自律を促す医学教育で
新しい時代の医師を養成

2022年度に改訂された医学教育モデル・コア・カリキュラム※1では、医師に求められる基本的資質として、「総合的に患者・生活者をみる姿勢」「情報・科学技術を活(い)かす能力」が加えられた。いずれも医学部が従来力を入れてきたことだ。笠井謙次医学部長は「本学は地域に貢献できる医師の養成を建学の精神に掲げており、患者さんをそのご家族や社会的背景も含めて全人的にみる姿勢を大切にしてきました」と話す。数理情報教育にも早くから力を入れており、これを改めて整備した「愛知医科大学メディカルデータサイエンス教育プログラム」は2024年、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」の認定を受け、さらに応用基礎レベル申請の準備も進む。

一方、新モデル・コア・カリキュラムを機に学び方が大幅に見直された。「次の時代の医療を切り拓(ひら)く人材の育成が求められ、そのためには精神的に成熟、自律、あるいは自立することが必要です。そこでカリキュラムを再考しました」。1学年次の授業数を減らし、自分で時間を管理しながら、研究室訪問やクラブ・サークル、ボランティアなどの多様な体験、挑戦ができる余地を確保。講義と試験の間に準備期間を設けることで、自ら知識を整理して定着させ、自律的に学ぶ姿勢を育む。グループで症例のディスカッションを行う問題解決型学習の推進で、実践力やコミュニケーション力の向上も図る。学生の意見を学修環境の整備などに取り入れることも、自立心や責任感を育てることにつながっているという。

愛知医科大学病院は昨年、愛知県の重症外傷センターの本指定も受けた。最前線の臨床と研究、地域医療のリアルに触れられる環境は、次代の医師を育てるうえでの大きな強みだ。

※1 文部科学省が提示する医学部卒業時の診療能力(知識・技能・態度)の到達目標など。全医学部が共通で履修する内容となる。

病院看護部や地域と連携
キャリアにつなげる看護教育

看護学部は今年度、創立25周年を迎える。毎年、国家試験の高い合格率を維持し、2024年度・第114回看護師国家試験および第111回保健師国家試験でも、新卒合格率100%※2を達成した。同学部では、人々が自らの健康をコントロールして改善できるようにする「ヘルスプロモーション」の学びを重視し、地域での活動を通して実践力を養うほか、大学病院看護部との連携による授業など、特色ある教育を展開している。

2025年4月には、病院看護部と看護学部で進めてきた「看護連携型ユニフィケーション推進事業」と、地域・連携支援部門があった「看護実践研究センター」を発展的に統合。「ヘルスケア共創センター」を設置した。「目的は、ユニフィケーション体制を維持・強化し、社会に求められるヘルスケアを共創していくこと」と若杉里実看護学部長が言う。同センターは、ユニフィケーション・生涯学修支援・地域連携・研究の4部門で構成され、「看護職の学びを深化する場、未来を創造する場、そしてヘルスケア推進のために人をつなげる場として、大学・病院・地域が有機的につながるプラットフォームを目指します。研究部門では3部門の活動成果の社会への発信を担います」。

看護学研究科では2025年4月に博士後期課程として、Ph.D※3(看護学博士)コースと、中部・関西圏初、全国では4番目となるDNP※4(看護実践博士)コースを開設。学部から大学院まで看護職の学びを継続し、キャリアアップにつなげられるのも大きな特色だ。

「看護職は多様な場で求められており、多様な働き方が可能です。自分でキャリアを描き、進みたい道を選んでほしい。そのために早期段階で将来を考える講義を入れ、多様な活躍をしている人の話を聞ける機会も増やしていきます」

※2 看護師99人 保健師15人
※3 Ph.D:Doctor of Philosophy in Nursing
※4 DNP:Doctor of Nursing Practice

CAMPUS TOPIC[注目したい大学の魅力]

次世代型リハビリ診療の拠点が誕生
「《プロリハ》リハビリテーション」

2025年1月、愛知医科大学病院に新たなリハビリテーション医療施設「《プロリハ》リハビリテーション」が開設された。《プロリハ》とは、適切な医学的管理のもと、医学的知識と技術に習熟した専門スタッフにより実施される「積極的リハビリテーション医療:Physiatrist and Registered therapist Operating Rehabilitation(PRO Reha)」の略。同院が目指す次世代リハビリ医療の理念であり、それを体現する施設としてこの名がつけられた。

新施設では、バーチャルリアリティを用いた歩行・バランストレーニングシステム「GRAIL」など、次世代型全身モニタリングシステムを完備。これによってスタッフの高度な技術と知識が最大限発揮できるようになり、患者個々の状態を正確に把握しての、より効果的で安全な治療の提供が可能になった。リハビリ改革の大きな前進だ。

全身モニタリングシステムを導入した最先端施設。ここを拠点に、設備とスタッフ教育の一体で次世代のリハビリ医療を推進していく。

ひらく 日本の大学
[朝日新聞 × 河合塾共同調査]

愛知医科大学、医療の未来を
長久手市「ふるさと納税」を通じて支援

納税先の自治体を選んで実質「寄附(きふ)」ができる「ふるさと納税」を通じ、愛知医科大学を応援できる仕組みがある。

教育・研究・診療の質の維持・向上には財源が必要だ。同大学では、先進的な医療を提供するため、毎年のように医療機器の更新を行い、最先端の医療環境を整えている。これは教育にも不可欠で、また、疾病構造の変化に合わせた医療人材の育成や研究への投資も求められる。そうした中、長久手市が「ふるさと納税」を活用して市内の大学を支援するプロジェクトに参加。寄附額の7割が市から交付され、人材育成、治療法のない難病などの治療開発、リハビリテーション医療の充実といったことに活用されるという。

「ふるさと納税」のメリットとして、2,000円を超える分は所得税や住民税の寄附金控除が受けられる(上限額あり)。返礼品はないが、個人情報の提供に同意すると、額に応じて同大学から「半日人間ドック」など独自のお礼が贈られる。大学ホームページから申込書がダウンロードでき、大学か長久手市へのメールまたは郵送で申し込みが可能だ。

記者会見での祖父江学長と佐藤有美・長久手市長。この制度は昨年、「ながくて4U応援プロジェクト」としてスタートした。

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