愛知医科大学

社会に求められる医師・看護師を養成、
医療をリードする

1972年に医学部の単科大学として開学。1980年に医学研究科、2000年に看護学部、2004年に看護学研究科を開設し、2学部2研究科体制の医科大学に発展した。キャンパスは、住みよい街として人気の愛知県長久手市にあり、水と緑豊かな高台に位置する。同敷地内の附属病院に加え、2021年には岡崎市に分院のメディカルセンターが誕生し、実習環境もより整った。

教育・研究・臨床の改革で
医療激変時代に対応

「医療を取り巻く環境が大きく変わる今、本学は教育・研究・臨床の全てで改革を進めています」。そう語るのは伊藤恭彦学長。「働き方改革や女性医師の増加など、さまざまな変化がある医療現場において、大きな課題となっているのが外科医志望者の減少です。そこで、新たに外科医養成コースを設置することを構想しています」

また、教育方法に関しても、eラーニングとアクティブラーニングを組み合わせるなど、理解を深めやすい学びへのシフトを検討しているという。

研究分野では、「研究創出支援センター」を中心にサポート体制を強化。臨床現場の課題を起点に基礎研究と臨床研究、産学連携を一体化する取り組みを推進し、現場の課題解決に挑む。

1996年に愛知県初の高度救命救急センターに指定されるなど、愛知医科大学病院は尾張東部の救急医療の中核を担っている。しかし、高齢化が進む近年、救急の患者も高齢者が多数を占め、内科の急患や、複数の疾患を持っていたり多くの薬を併用していたりするケースが増えている。こうした背景から2026年5月1日、同院に「総診・内科救急センター」を新設し、1次・2次救急、総合診療、地域医療を一体的に担う体制を整えた。「救急も総合診療も診る体制は全国の大学病院でも新しい取り組みです。これからの医師は全身を診る力や姿勢を身につけたうえで専門性を磨くことが重要。そうした人材育成を行い、また、高度救命救急と合わせ、全レベルを診られる救急医・総合医も育てていきたいと考えています」

医療の高度化や疾病構造の変化に伴い、医科大学に求められる役割は拡大している。愛知医科大学では今後も改革を進め、時代の要請に応える医師・看護師を育て、社会、地域から評価・信頼される医科大学であり続けることを目指す。

これからの地域医療に
即した医学教育を推進

医学部では、建学の精神に掲げる「地域に貢献できる医師の養成」を軸にした教育を実践。「附属病院が幅広い患者さんを受け入れていることから、幅広い医療経験ができるのも強みです。高齢化に伴い多疾患併存や従来なかった病態の出現が増え、全身を総合的に評価する力が不可欠となる中、『総診・内科救急センター』の発足により一層これからの地域医療に即した病院実習が可能になります」と笠井謙次医学部長は話す。

早くから進めてきた数理・情報教育を整備した「メディカルデータサイエンス教育プログラム」は、2024年に文部科学省の数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)の認定を取得し、さらに整備が進む。一方、AIの使用には慎重な姿勢を取っていたという。データの真偽を検証し、批判的に評価する力を養うことが大学教育の前提であるためだ。しかし医療現場もAIなしでは成り立たなくなってきた状況を踏まえ、「適宜AIを賢く使いつつ、批判的思考を高める教育を推進します。ただし最も大切にするのは人対人の関係性を重視する教育です」

大きな特徴に、学生の声を教育に反映していることがある。昨年8月には、学生代表と学長、学部長らが意見を交わす「未来を語る会」を実施。その中で出た声を受け、2学年次の基礎医学セミナーで研究に携わる期間を今年から延長する予定だ。

また、入学前からの取り組みも始まった。2026年3月、愛知医科大学と愛知県立時習館高等学校は高大連携の協定を締結。医師の仕事を理解したうえで医学部を志せるよう、教員による講義、出前授業やウェブ授業、病院の現場や研究室の訪問体験などを計画している。新たな教育のかたちだ。

「これからも時代を読み、先取りする教育を取り入れ、地域に求められる臨床医を育てていきます」

看護学部でスタート
自分らしいキャリアを描く教育

看護学部では今年、キャリア教育として講義とボランティア活動を組み合わせる取り組みをスタートした。若杉里実看護学部長はその理由を「キャリアとは仕事だけではなく人生の道のりや経験。ディプロマ・ポリシーにある『自己を見つめ、キャリアデザインを自律的に描くことができる』を達成するには早期からの教育が必要と考えました」と説明する。

第1回の講義は新入生ガイダンスに組み込み、キャリアの定義を学んだうえでエピソードを書いたり、充実度をグラフ化したり、これまでの経験を振り返るワークを実施。さらにペアワークを共有することで自己理解を深める。その後は1年に1度、節目ごとに行う講義で自分自身が望むキャリアを見直せるようにし、最後は就職に向けた具体的な支援につなげる。「5年先のキャリアを描いて卒業してほしい。気持ちを整えることが大切です」と若杉学部長。

併せて活用するのが、全学の1~3学年次生を対象にした課外プログラム「愛Kind活動」だ。医療職に必要な「共感力」「協働力」「社会的責任感」を育むため、オープンキャンパスでの体験演習のサポートといった活動等に、年2回(講義含む)以上の参加を推奨する。キャリア教育にボランティア活動を生かすのには、自ら手をあげ、役割を担う経験を通し、自立心や人生に対する広い視野を育む狙いがあるという。

こうした中で、学生が自主性を培い、自分を見つめ直し、本当に進みたい道を選び取っていくことを目指す。

また、看護学研究科では2025年、博士後期課程としてPh.D※1(看護学博士)コースと中部・関西圏初のDNP※2(看護実践博士)コースを開設。学部から大学院まで看護職としての学びを継続し、キャリアアップにつなげる道も開いている。

※1 Ph.D:Doctor of Philosophy in Nursing
※2 DNP:Doctor of Nursing Practice

CAMPUS TOPIC[注目したい大学の魅力]

グローバルな視野を育む国際交流を積極的に推進、
世界に羽ばたく医療人を育成する

愛知医科大学はかねてより、学生の交換留学、外国人研究員の支援、教職員の語学力向上など、さまざまな事業に取り組み、国際交流を推進している。現在、学術国際交流協定を締結する海外の大学は15校(大学間6校、医学部間4校、看護学部間5校)。協定大学間で2025年度は大学として学生34人を派遣し、30人を受け入れた。また、教員や大学院生の派遣・招聘(しょうへい)も実施し、協定大学間の連携も強化している。オンライン学修と臨床実習を融合したプログラムや、オンラインで協定大学の学生と交流するプログラムなども積極的に実施。今後も、検討中の交流プログラムの実現で多様な異文化に触れる機会を増やしていく予定だ。

国際交流は、国・地域ごとの医療やその実践の違いと特徴、世界共通の医療人としての姿勢などを学ぶ貴重な経験となる。その充実により、世界に羽ばたく医療人の育成に一層力を入れていく。

協定締結大学の一つであるタイのコンケン大学に留学した学生2名(両端)

FOCUS ON!

実習と研究の場、
最先端医療を実践する
愛知医科大学病院

特定機能病院として、高度先進医療の提供はもとより、医療技術の開発、高度な医療に関する研修の役割を担う愛知医科大学病院。ドクターヘリ、ドクターカーによる病院前救急体制、ハイブリッドERによる重症救急患者の診療体制を整備し、愛知県重症外傷センターとして、高度な救急医療を提供している。

近年はリハビリテーション医療にも注力。2025年1月、バーチャルリアリティを用いた歩行・バランストレーニングシステム(GRAIL)に生体情報セントラルモニタリングシステムを組み合わせた次世代型Whole Bodyモニタリングシステムを備える施設、「プロリハ」を開設した。患者の全身を診て人生をサポートするリハビリテーション医療を展開している。

神経を中心にしたiPS細胞研究など、世界的な研究も数多く進行。加齢医科学研究所のブレインリソースセンターでは世界有数のデータ数を生かし、脳の老化や多様な疾患のメカニズム解明に挑んでいる。

最先端の医療の提供とともに、地域のニーズに合わせた医療にも対応。地域医療の最後の砦となる附属病院がすぐそばにあり、医療の「今」を肌で感じられる。こうした環境がよき医療人を育てる基盤となっている。

掲載大学一覧[東 海]

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